2016年7月24日日曜日

[Better Than Sliced Bread] BABYMETALはメタル以上にメタルかも知れない

BABYMETALはメタル以上にメタルかも知れない

エスコ・スオランタ(2016年7月22日)




2016年のBABYMETALのアルバム、「Metal Resistance」の最初の曲、"Road of Resistance"の最初の10秒で、本気のバンドであることが分かる。それでも、0:55以降を予想しているリスナーはいないだろう。スゥメタル、ユイメタル、そしてモアメタルは、バリハラの宮殿にふさわしいヘビー・メタル・アンセムを創造し、続く残りも比較して遜色ない。

でも一体全体どうしてJポップ・アイドル・ボーカルとあらゆる種類のエクストリーム・メタルのギミックがこんなにロックするんだろうか?

2010年に、スゥメタル、ユイメタル、そしてモアメタルは12〜13歳で、日本のアイドルを演じるという平凡な日々を過ごしていた。三人はメタルのことを聞いたこともなかった。これが彼女たちがやったことだ。

["メギツネ"へのリンク]

6年の間に、BABYMETALは2枚のフルレンス・アルバムをリリースし、「Metal Resistance」は、米国のトップ40、英国のトップ20入りした。2015年には、明らかに主催者の承認なく(あるいは賢いPRの技として)ダウンロードでDRAGONFORCEと共演した。現在、BABYMETALはワールド・ツアーを行っており、(今回はダウンロードから招かれ)、シアトル、サンフランシスコ、そしてロサンジェルスでソールドアウトした観客に演奏している。そしてロブ・ゾンビがBABYMETALのヘイターをしかりつけた。

さて、誰でも「ロビーさん」に対して議論し、BABYMETALのようなバンドは製品に過ぎず、巨大なエンターテインメント財閥の心の狭いビジネス仲間による発明品であり、従って完全にダメだということができる。BABYMETALのアルバムにはいくつかつなぎの曲やシーケンスがあるかも知れない。それは否定できない。

だが、そうか? これはあり得ないぐらいメタルだ。

["Karate"へのリンク]

三人のエネルギッシュで、大仰で、(メタルの基準では)スタイリッシュなステージ・パフォーマンスを組み合わせたBABYMETALの音楽は、ヘビー・メタルがこれまで探ってこなかった要素を捉えているように思える。ALICE COOPER、BLACK SABBATHなどが止めようもなく老いていく中、何かドラマティックな素質のあるバンドに対するニッチがあるのかも知れない。このようなかたちで、BABYMETALのカワイイ・メタルは、GHOSTのようなバンドと同じような分野に居場所を見つけたのかも知れない。両方とも、理屈の上ではどれだけ馬鹿げていても、実際には、ばからしく見えないようなやり方を共有しており。MANOWAR、RHAPSODY、そして大部分のフォーク・メタルのような大仰さのシリアスな追究者とは違って。

特に、BABYMETALは、幅広く理解されている日本の産業のやり方の長所を例証している。経済としての日本は、いつも借り物をしたり、露骨に盗んだりしてきたが、めったに安物のコピーを生み出すことはなかった。ウィスキー・マニアやロー・デニムのジャンキーに聞いてみればいい。日本製品はすごいと言うだろう。西側のブランドがコピーしようとするほどに。さらに、日本のデザインのより高いレベルでは、コピーはオリジナルに対する最高の評価となり、この敬意が完成した日本品の品質と出来映えに反映される。

同じようなかたちで、BABYMETALは派生物だ。「DREAM THEATERが良かった頃のDREAM THEATERの曲」、「スラッシュ・ナンバー」、そして「ソロ・ギターの祭典」がある。"Road of Resistance"を笑っちゃうくらいDRAGONFORCEよりもっとDRAGONFORCEらしくするDRAGONFORCEらしささえもある。

しかしBABYMETALを違うものにしているのは、あらゆるその折衷主義の中で、この派生という行為が極限まで実施され、この行いのすべてである卓越した専門技術によって実現していることにある。これにより、このJポップのギミック(あくまで西欧的な観点からのギミックだが)は、まったくギミックではないものとして示される。アイドルJポップは明らかにメタルのために作られており、なんでこのことにもっと前に気付かなかったのか、俺たちは何というバカだろうか。そしてBABYMETALがコピーしている瞬間があるとしても、決してチープなコピーだったことはない。

次の曲で目と耳を休めてくれ。(ボリュームを最大にして聞くこと)

["Road of Resistance"へのリンク]

▼元記事
Babymetal Might Be More Metal Than Metal


7 件のコメント:

  1. こんにちは。いつも楽しく拝見しています。ちょっと質問してもいいですか?
    'ウィスキー・マニアやロー・デニムのジャンキーに聞いてみればいい。日本製品はすごいと言うだろう。'
    この部分、原文では'They’ll tell you that Japanese goods are the shit.'となってますよね。
    'shit'は、日本語で言うところの「ヤバい」みたいな感じで良い意味で使われる事があるのは知っていますが訳す上でどうやって判断しているんですか?
    文脈で言うと勿論良い意味になるのは自然ですが、もしかして定冠詞のtheを頭につけると良い意味になるとか
    あるんですか?あんまり'the shit'というのは見たことがなかったので…。

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    1. もう既に解決済ですが・・・。
      御興味があれば。
      [アメリカ英語スラング:"shit" と "the shit" の違い]
      http://ameblo.jp/englishsongs/entry-11914385199.html

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  2. 横レスで失礼。スラングになりますが、定冠詞の「the」がついた場合のみ意味が180°変わって「最高!」になります。文脈上はもちろん、日本産ウイスキーやジーンズは一部ではブームになるほどあちらでは高評価なので、訳は間違いないですね。

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    1. なるほど!定冠詞の使い方がよくわかってないので勉強になりました
      どうもありがとうございました

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  3. 日本人もコピーしてきた時期はあった!
    でも殆どの分野でオリジナルを越えてオリジナルに変化させていった!
    音楽業界、エンターテイメントの世界でそれを証明して、みせてるのがまさにベビーメタルいうことやろうな。

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  4. 七人の侍→荒野の七人
    ジャングル大帝→ライオンキング
    すし→カリフォルニアロール
    栄養ドリンク→レッドブル他
    アクリル、乾電池、胃カメラ、柔道....etc
    日本から伝わってコピーしてる物もいっぱいあるんだけどな
    御互いさまだわ

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  5. >次の曲で目と耳を休めてくれ。(ボリュームを最大にして聞くこと)

    この言い回し好きだわ。

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