[Altpress] BABYMETALが大切な機会に故郷に戻る:スゥメタルの「成人」
ノーマン・ナーヴァジャ(2017年12月20日)
メンバーのうち二人がまだ十代であるBABYMETALの、過剰なほどのJポップ、激しいスラッシュ・メタル、病的なほどのEDM、そしてオペラ張りのダイナミックさのコンビネーションは、既にオルタナ・ロックに永久の爪痕を残している。北米ではRED HOT CHILI PEPPERSを自分たちのバッキング・バンドにした。彼女たちの画期的なリリース、「Metal Resistance」は、西欧のアルバム・チャートで、日本のミュージシャンにとっての新しい目標を設定した。彼女たちは、2016年のAPMAsで、JUDAS PRIESTのフロントマンでメタルの指導的人物、ロブ・ハルフォードのお墨付きを得た。コメディアンのポール・シェアーは、「アンドリューW.K.のパワーとアリアナ・グランデのカワイサをミックスし、SLAYERの汗で覆った」とBABYMETALを評している。BABYMETALは既に、多くのバンドが自分もできたらと願うことしかできない注目と人気を集めたと言えるかも知れない。
さらに一年のツアー経験を積み、BABYMETALが故郷に帰るときが来た。さらに的を射ているのは、リード・シンガーのスゥメタル(中元すず香)にとって故郷に帰るのにふさわしい時だったということだ。「私は自分がいろいろな経験を通じて、自分がアーティスト、そして人間として成長したと自信を持って感じられるまで、故郷の広島には戻らないと決めていました」と、通訳を通じてスゥメタルはAPに語っている。「ですから、この特別な年齢で故郷に戻れるということは、私にとって絶対的に重要な瞬間なのです」
スゥメタルが触れている特別な年齢とは、彼女の20歳の誕生日、この12月20日のことだ。日本では、20歳の誕生日は、成人を意味している。「これは『成人』を意味していて、言い換えれば、20歳になったら正式に大人になるということです」とスゥメタルは言う。「これまで、たくさんの人たちが私を支えて下さり、私がいま自分のいるところまでこられるようにしてくれました。私たちを応援して下さったすべての皆さんにお返しをするのが私の義務であり、歌うことを通じて、皆さんに力を与えられるような人物になりたいと願っています」
スゥメタル、ユイメタル(水野由結)、そしてモアメタル(菊地最愛)からなるこのカワイイ、挑発的なトリオは、12月2日と3日に、スゥメタルの故郷、広島で、それぞれ7,000人の観客を前に公演を行い、高揚感(そして爆音)と共に2017年を締めくくった。LEGEND-S洗礼の儀XXと名付けられたこのイベントは、メタル・レジスタンス神話の第6章の終幕を飾った。(ユイメタルは病気で公園を休んだ。)西欧のリスナーは、最初BABYMETALを「マイリトルポニー」のかわいさと大音響の嵐の組み合わせによる目先の変わったものとして切って捨てたかも知れないが、その母国でこのトリオが生み出した熱狂のレベルを誇張することはできないだろう。広島の二公演は単なる公演ではなかった。何億もかけた大予算のアリーナ公演以外ではまず見ることができないレベルのスペクタクルだった。BABYMETALは、巨大なキツネの頭(キツネはフォックスを意味する日本語で、バンドの神話に繰り返し登場するイメージだ)を背景に、歌い、叫び、踊った。モアメタルは、地獄並みの火柱が上がる中、ステージを動き回り、仮面を付けた「使徒」がスゥメタルの登場の先触れをした。この晩のレーザー・ショーは、公演が屋外の会場で行われたなら、地元の飛行機に対する飛行場灯火の代わりになったろう。
狐のマスクと大きすぎるメダル、それに不吉な黒いフード(観客一人一人に与えられた「三種の神器」)をまとった、集まった観客は、は、神バンドによるリフの一つ一つ、そしてスゥメタルのステージ上の言葉から力を得たように思われたが、語りによる幕間には不気味なほど沈黙を保った。観客の音楽に対してぴったりと同期しているように思える反応は、それが振り付けされたシーケンスであると誤解しかねないほど、薄気味悪いほど性格だったが、メインフロアの混沌としたモッシュピットは、このようなメガショーというセッティングではまず見ることのできない、誠意のこもった熱意のレベルとなっていた。そして二番目の公演に続く、短いがごまかしのない瞬間に、スゥメタルは家族と地元の友人のグループを歓迎した。
このイベントは、スゥメタルがたいまつを渡し、日没へと向かったように響くかも知れないが、この広島公演は、彼女の熱意が、自分の情熱を追究したいと思う者に対する道しるべの役割を果たし、その逆であることを示した。さらに、スゥメタルは、この公演は自分の技量を高める実際的な機械であると考えていた。「この公演は、コンサートというよりもミュージカルのような、他にはないような公演となりました」とスゥメタルは言う。「そのおかげで、私はこれまでできなかったような何かを体験できましたし、セットリストの一曲一曲をきちんとやり遂げることに集中していました」
スゥメタルと仲間たちは、通常はその先駆者たちに結び付けられるような落ち着きと自信を持って、ライブ・サーキットでその存在を確立してきたが、スゥメタル自身が、何よりもRED HOT CHILI PEPPERSやMETALLICAとのツアーの間に思い出したように、BABYMETALは音楽に対して純粋な熱意を保っている。「今年(2017年)4月にRED HOT CHILI PEPPERSと米国をツアーしたとき、最後のショーでコラボレーションをやる気はあるかとたずねられました」とスゥメタルは回想している。「2016年12月に最初に共演したのはチャド(・スミス、RED HOT CHILI PEPPERSのドラマー)でしたが、今年の4月は、もっと多くのRED HOT CHILI PEPPERSのメンバーが加わり、とにかく忘れられない体験になりました。そのことをさらに特別なものにしてくれたのは、彼らが私たちの曲("ギミチョコ!!")をやってくれたことです!」
BABYMETALは現在、メタル・レジスタンス神話の第8章(原文ママ)の準備を行っているが、スゥメタル自身は、オンラインの「ユーチューブがBABYMETALに反応する」ビデオで見られるように、さらに新しい観客と関わる(そして場合により混乱させる)ためのライブに戻るのが待ちきれない。「まだたくさんの人たちが、いろいろな場所で私たちを見たいと待っていらっしゃると思います。ですから、これまで行ったことのない場所にぜひ行ってお目にかかりたいです!」
▼元記事
BABYMETAL return home for a momentous occasion: Su-Metal’s ‘coming of age’
BABYMETALは現在、メタル・レジスタンス神話の第8章の準備・・・??
返信削除今度は7章でしょ
原文ママって書いてあるんだから感じ取ろうよ、、、
削除去年から今年にかけての前座ツアーに関しての紹介文は、必ずレッチリとメタリカの名前は出てくるのに、コーンの名前が出てこないのって、何で?
返信削除知名度の差なのか?
ヘッドライナー級ですよね?
レジェンドではないから?
なんだか不思議