2016年4月15日金曜日

[Backseat Mafia] 「Metal Resistance」レビュー

BABYMETAL—「Metal Resistance」

アダム・ジョーンズ(2016年4月10日)




非常に興味深いのは、バンド名を冠したデビュー作の否定しようがない成功を経て、BABYMETALが印象的なその名声に到るまでの過程をどのように正当化して見せるのかだった。BABYMETALのようなバンドについて議論する場合に、見て見ぬ振りをされている問題は、単に短期的な成功を目指したギミックなのか、それともメタル・シーンで実際に長期的に有望な存在なのかである。幸いなことに、「Metal Resistance」と名付けられたセカンド・アルバムを聴くと、BABYMETALは長続きするように思える。何よりも、デビュー・アルバムよりもずっと良くなっており、疑問を持つ者も沈黙させられるだろう。先行シングルの"Karate"とそのメイン・リフを一度聞けば、グループがうまくやっていないのではないかという考えは吹っ飛んでしまうだろう。

アルバムは、DRAGONFORCEのギタリスト、ハーマン・リとサム・トットマンによる技巧的なフレット・ワークと強烈なシュレッド技巧で始まり、一気に激しいブラスト・ビート・リズムへと突入する。この曲で素早く勢いを定めたことは、BABYMETALの世界へ誘う上で大いに貢献している。最高のベスト・ギタリストがうらやむようなリフと圧倒的に魅力的なメロディーで満ちている。このバンドのことを既に良く知っている者ならば、BABYMETALのコーラスがどれだけクセになるほどキャッチーであるのかが分かっているだろう。歌詞はほとんどの場合、日本語だが、最初に聴いたばかりでも、すべての言葉を自分から歌っていることに気付くか、少なくともそうしようとしているだろう。複数のウォーウォーが曲のエンディングに向かって響き渡る中、歌唱にもDRAGONFORCEの連中の影響は明らかだ。こうした瞬間はアルバム全体に存在し、ライブ環境でこれがどうなるのかを創造するだけで、とてもワクワクするだろう。前に触れた"Karate"のような曲のシンガロングのパートは、様々な場面で、きっと観客の声を嗄らすだろう。

既にこれほどユニークなサウンドを持ちながら、BABYMETALは、さらに音楽的な多様性を組み合わせの中に加えたようだ。"ヤバッ"のような曲は、スカ・スタイルのバウンスにモダンなメタル・サウンドを組み合わせている。ヒップホップからエレクトロ、そしてダンス・ミュージックまでデビュー・アルバムを聴いた後で、もうBABYMETALが出せるものはすべて聴いたと思うかも知れないが、「Metal Resistance」はとにかく予想できないほど素晴らしいという信じられない仕事をやってのけた。このジャンルの純粋な融合によって、最初は「Metal Resistance」は何かごちゃごちゃになっていると思うかも知れないが、このアルバムは、それでも一貫性があるように響き、BABYMETALであることは否定しようがない。これはまた、このバンドのコアとなるメタル・サウンドがどれだけものすごいかを述べなくてもそうだ。メタル界最高のリフの名手と肩を並べられるほどのリフがこのアルバムにはある。"Sis. Anger"という曲は、ブルータルなごつごつしたリフで始まるが、デス・メタルのレコードに良くはまるだろう。「Metal Resistance」はまた、今年リリースされたメタルやハードコアのアルバムの中でも最高のビートダウンをフィーチャーしており、どのようにしてこのバンドがあらゆるものと共にメタルのテンションを上げてきたのかを示している。

すべてを考慮するに、いくつかの細かな不満を除けば、これはほぼ完璧なアルバムだ。そうした不満の一つは、アルバムが12曲も必要ないという点で、終わりに向かうに連れてもたつき始める。2曲ほど外せば、「Metal Resistance」は疑いもなく、今年最高のメタル・アルバムの一つの候補となるだろう。"The One"と名付けられたクロージング・トラックは、真面目な話なくても困らない曲だ。BABYMETALが遅い曲をやっても問題ないことは、”No Rain, No Rainbow"が、BABYMETALは実際に確かなロック・バラードを書けることを完璧に示している。ただし、"The One"はふくらませすぎに感じられ、80年代のシュレッド・ギター・アルバムからそのまま出てきたようなギター・ラインをフィーチャーした曲には重すぎる。このことは、三人の女の子の声がどれだけ素晴らしいものであろうと、このバブルガム・ポップ・メロディーを12曲も聴いてくると、少し耳障りになってくると言う、多くの人々が持つBABYMETALについての一番の問題の例となっている。BABYMETALのアルバムを聴くことは、大きな袋に入ったお菓子を食べることに似ていて、否定しようもなく楽しいしおいしいが、終わりが近づいたら、いつやめればいいのかを知らなければならない。よく言われるように、素晴らしいことを手に入れすぎると、それがどれだけ良いものであっても、自分でもうやめたと言わなければならないところに来るものだ。

まとめれば、「Metal Resistance」は本当に素晴らしいメタル・レコード、あるいはどう分類しても構わないが、BABYMETALはとにかく一発屋ではないということを示している。このアルバムは、より良いリフ、曲、そしてあらゆるより良いものをフィーチャーし、バンドのファースト・アルバムよりも確かに向上している。レビューの冒頭で述べたように、BABYMETALがメタル・シーンのかなめとなるかどうかは疑わしいという考えは、「Metal Resistance」によって確実に消し去られる。全体としてこのアルバムは、ジャンルとしてのメタルが一つの具体的なリスナーに縛られる必要がなく、ひどく真剣にならなくても、おもしろくて楽しめるものとなりうることを示している。それでもBABYMETALを憎んでいる人は、自分の人生の選択を評価し直して、このアルバムを聴く必要がある。他の誰もがフォックス・ゴッドを拝み始めるまで、それほど遠くないかも知れないのだ。

編集者の評価:8.5
意見を常に対立させるBABYMETALが、「Metal Resistance」と名付けられたセカンド・アルバムで戻ってきた。ものすごいリフと、壮大なコーラスに満ち、バンドはその成功が一度限りのものではないかという疑いをなくす。BABYMETALについて確信が持てない者は、このアルバムを一度聴けば、どれだけ自分たちが間違っていたのかが分かるだろう。

▼元記事
http://www.backseatmafia.com/2016/04/10/album-review-babymetal-metal-resistance/


2 件のコメント:

  1. コアなメタルファンに近い人程、アルバムのクロージングに不満が有るみたいですね。
    (Sis. Anger〜No Rainで一旦切れる感じはするんで、判りますけど)

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  2. 最後の曲はコンサートを締める曲という事でご勘弁を。
    しかしこのアルバムは、音楽を知っていれば知っているほど楽しめるんですね〜

    素人の私には、ただ楽しいとしか言えないけど。

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