[East Idaho News.Com] 音楽は気取るためにあるものじゃない
アダム・フォルスグレン(2016年4月8日)
ポップに歌う十代の女の子を中心とした世界のお気に入りのブルータル・メタル・バンド、BABYMETALが先週、新譜を発売した。これは、BABYMETALがメタル音楽を破壊し、地球から消滅させるために送られてきたと感じている多くのメタルヘッドの怒りに火を付けてきた。
こうしたメタル・ファンはしばしば「真の」メタルの純粋さや、音楽を「本物で」、「真のカルト」に保つことについての辛辣な声明を吐き出している。連中はいつまでも気取り屋や自分たちがメタルでないと考えるものをののしっている。
この種の感情は面白いと同時に非論理的であると思う。こうしたパワフルな音楽のファンが、メタルのリフに合わせてポップな曲を歌っている3人の日本人の女の子がそんなに怖いのかと思うと楽しい。また、あまりに多くのメタル・ファンが「メタルじゃない!」とか、BABYMETALがルールを破っていると叫んでいるのも謎だ。メタルとはルールを破るものではなかったのか。
Urban Dictionaryは、「ミュージック・スノッブ(音楽の気取り屋)」を「自分の音楽の趣味がもっと洗練されていて、一般的な音楽の分野の知識をずっと持っていると信じている人物。すべての曲やジャンルは、スノッブが気にならなければ認められず、その場合は絶対的に完璧なものとなる」と定義している。私は、BABYMETALを叩き続けているメタルヘッドにこのことが当てはまると思う。でもメタル・ファンだけが、この種の俗物根性を持ちやすい熱心な音楽ファンというわけではない。
私が最初に音楽に関する俗物根性を経験したのは、カントリー音楽のファンによってだった。当時は、ガース・ブルックスが世界を征服しており、彼の音楽は地元の高校の生徒たちお気に入りの音楽だったので、ヘア・メタルと入れ替わっていた。それでも私はMEGADETHやTESTAMENTといったスラッシュ・メタルに夢中になったが、おかげで「カントリーでなければゴミだ!」といったことを叫んでいた連中からは見下されていた。
メタル同様、カントリー音楽は、本当はそうではないのものによって、こういうものであると定義されているように思われるジャンルの一つだ。カントリーのファンは、「十分にカントリーでない」という理由でまとめてアーティストを否定するが、ここ20年ほど、カントリー音楽が、サザン・ロックを劣化させたようなものに留まっていることを考えるといささか皮肉な話である。
それから、無名でないアーティストを好きになれず、ポップなものはすべて価値がないと考える気取り屋の音楽のヒップスターがいる。こうした連中は、ビッグになる前はあるアーティストが好きだったと主張したり、最近は良い音楽がないと言ったりしている。
こうした連中は明らかに馬鹿げている。アーティストや曲が人気があるからと言って、その質を良く示すわけではなく、その逆もまた真なのだ。曲やアーティストが大衆の人気を得られなかったからといって、それが実際にいいものであることにはならない。多くの場合、バンドが幅広いオーディエンスに慕われない場合、ちゃんとした理由があるのだ。
私自身は、時々、音楽に関する俗物であるという点で有罪だ。バンドに熱が入ると、すっかり夢中になるのは簡単だ。でも、時間、それに少し(ほんの少し)の成熟が加わることで、自分がメタル、それからそれ以外の音楽のあらゆるジャンルが好きであるという事実は、他人よりもましな人間であったり、知的に優れているということにはならないということを理解した。
あなたが好きな音楽は、あなたの知的能力を示すものではない。私はジョン・コルトレーンのソロのメロディーの意味が分からないからといって、あるジャズ・ファンよりも愚かと言うことにはならないし、逆に、このジャズ・ファンがCANNIBAL CORPOSEやMORBID ANGELの曲が分からないからと言って、私より愚かと言うことにはならない。
音楽の俗物主義は、消え去らなければならない。私たち誰もが、自分が楽しむものを楽しみ、同じ好みを持たない他人を汚してはならない。ただこれは簡単ではない。NICKLEBACKのファンに会うたびに、私はなぜNICKLEBACKが忌まわしいものであるのかについて教えたくなる衝動と戦わなければならない。でも、私が間違っていることを理解したし、自分のような間抜けが理解出来るのなら、誰もが理解出来るのだ。覚えておいて欲しい。「世界はただ一つのドラムのビートに合わせて動いているわけではない。世界を動かすために、異なったストロークを使うのだ」と。
ああ、ところで、新しいBABYMETALのアルバム、「Metal Resistance」は、前作と同じように楽しく、スタイル的にむちゃくちゃだが、音楽的な生長と成熟度を示している。相当ヘビーなメタルの熱狂を吐き出すバンドを率いる十代のポップスを歌う女の子たちに興味があるなら、自分自身におねだりして、確かめてみて欲しい!
▼元記事
http://www.eastidahonews.com/2016/04/music-nothing-get-snobbish/
楽しく読ませてもらいました。ありがとうございます。
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返信削除『前作と同じように楽しく、スタイル的にむちゃくちゃ』
返信削除けだし名言。完全に同意www
翻訳ありがとう。メタルとはルールを破るもの・・でニヤリ
返信削除アイダホといえばポテトかな、中西部の保守的なイメージもありましたが
BMレジスタンス・サポーターのようでうれしいかも
こういう声ってさぁ、頭の硬い頑固なメタルオタク達にはなかなか届かないんだろねェ。
返信削除こういう声ってさぁ、頭の硬い頑固なメタルオタク達にはなかなか届かないんだろねェ。
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