2016年4月6日水曜日

[Nozzle] BABYMETAL ウェンブリー&「Metal Resistance」レビュー

BABYMETALダブル・レビュー:ウェンブリー・アリーナのライヴと「Metal Resistance」アルバム・レビュー

(2016年4月5日)




2016年4月2日、BABYMETALは、ロンドンのウェンブリー・アリーナでワールド・ツアーを開始した。その前日に、バンドはまた、最新アルバムの「Metal Resistance」をリリースしている。いまやBABYMETALは興味深いバンドであり、何らかの形で君の耳に届くための方法を見つけたように思える。BABYMETALは、ある程度予想外の存在ではあったが、YouTubeのビデオがバイラルになる世界で、"Gimmie Chocolate!!"のビデオは、バンドを世界的な名声へとスタートさせた。メタルとJポップの融合は奇妙でもあり、同時に素晴らしいものでもある。さくら学院の一部として"Doki Doki Morning"で始まったとされる時、誰も後にBABYMETALが大化けすると予想していた者はいなかったろう。すぐに、バンドは次々とシングルをリリースし、いまではジャンルの巨人と同じくらいしっかりとした地位を占めている。(三人のシンガーがバンドを立ち上げる前は明らかにメタルを知らなかったことは大いなる皮肉だ。)デビュー・アルバム、「Babymetal」は、そもそもバンドを創り上げた多くのシングルで構成されており、バンドにとってもメタル音楽にとっても画期的な出来事となった。これは前例のないものであり、人々ととても良く結びついた。ではなぜだろう?

メタルの地元のギグとアングラ・バンドと共に成長して、私は多くの親しみやすいコンサート—つまりとても小さい会場だったということだが—を楽しんできたので、ウェンブリー・アリーナに来るというのは初めての体験だった。およそ1万人の人々をこの会場で目にすると、これは驚きであった。今回も、そして前回BABYMETALを見たときも。それにマーチャンダイズとチケットがどれだけ早く売り切れたことか。人々は何時間も並んで、BABYMETALをサポートするために物品を買うんだ。明らかにみんなの心を打っている。1万人ほどの人の中には、このショーのためだけに飛行機に乗って世界中からやってきた人々がいたし、時に3人のシンガーの服装をした熱心な支持者の家族もいた。このような支持、それも普遍的な支持を目にすることはとても人の心をひきつける。それから気付いた。あらゆるタイプのメタルヘッドがここにいた。エクストリームな者も、ソフトな者も。怪しい者も標準的な者も。あらゆる種類が。このことをわざわざ書いているのは、メタル音楽の世界にはエリート主義の傾向があるからだが、ここでは人々は一つだった。繰り返す、なぜBABYMETALはここまで人々の心を打つのだろう。

正直(少なくとも私にとって)エピックな会場で待っている間、サポートはDJのみで、要するにすべてはBABYMETALのために存在し、これから始まるという予感が漂い、興奮が感じられた。光(投影されたイメージではない)、そしてビデオが始まった。「メタル・レジスタンス、エピソードIV:再生」という文字がスクリーンに表示され、それから歓声と共に、「遠い、遠い昔、ヘビー・メタル・ギャラクシーで……」という言葉が聞こえた。このバンドの紹介は、ものすごい興奮を巻き起こしたので、バンドがようやく登場した時には、叫び声を上げ、フォックス・サインを掲げ、パワフルなメタル体験に備えるしかなかった。観客は、音楽自体よりも大きな声でそれを唱えていた! バンド、メンバー、そしてその音楽を紹介する"Babymetal Death"に飛び込んだ時、花火はパワフルな登場をさらに強烈なものとし、私はこれはいつもバンドのオープニング・ソングなのだと感じた。まるで3人のダンサーと共に、会場が踊っているような感じだった。BABYMETALは3人のシンガー兼ダンサーを中心としており、神バンドとして知られる演奏を行うバッキング・バンドのサポートを受けている。(以前はバックボーン(ベビーボーン)と呼ばれ、骨の衣装を着ていたので、だから私はデヴィン・タウンゼントがBABYMETALのバッキングをするのを見たいと思うのかも知れない。)常に注目すべきことは、どれだけ3人が若くて、エネルギッシュかと言うことだ。3人はスゥメタル(18歳)に率いられ、ユイメタル(16歳)、そしてモアメタル(16歳)というタレントをフィーチャーしている。2010年結成ということを考えれば、このことは狂っているとしか思えないが、このような若い才能をフィーチャーし、新しいスタイルのメタル、カワイイ・メタルを発明したBABYMETALというアイデアそのものに信憑性を与える。ステージで女の子たちがどれだけエネルギッシュで、パワフルであるかには驚かざるを得ない。

ここから、バンドはすぐに"Awadama Fever"で新しいマテリアルに向かい、熱心に観客から迎えられた。結局、新譜のフォローアップをしているわけだが、"Iine!"、"Doki Doki Morning"、"Megitsune"、"Ijime, Dame, Zettai"、そして"Gimmie Chocolate!!'といったクラシック・ナンバーを数多く届けることを避けたわけではない。それそれの曲がセットリストをより素晴らしいものとしており、観客の本当のお気に入りだったので、エネルギッシュなグループの雰囲気へと貢献していた。"Headbangya!!"のようなナンバーは残念ながらセットにはなかったが、それでもファースト・アルバムのそれほど知られていないが、同じようにパワフルな曲、"4の歌"や"Catch Me If You Can"が演奏された。ここで触れておきたいのは、"4の歌"のものすごい暴力から落ち着いたメロウなダンスへと素早く移り変わり、ピットはブルータルだが、同時に幸せそうな可愛らしいダンスでいっぱいとなる瞬間を迎えることは、会場のエネルギーにとってほとんど決定的な瞬間だったということだ。"Catch Me If You Can"も、神バンドが中心となり、自分たちが優れたメタル・ミュージシャンであることを示す素晴らしい瞬間への道をひらいた。神バンドの音楽的存在感も素晴らしく、だからこそBABYMETALは本当にブルータルなのだ、カワイイにもかかわらず!

以前のセット・リストにプリビューとして、あるいは再発されたデビュー・アルバムのボーナス・トラックとして"The One"や"Road of Resistance"といった曲が登場して以来、熱心に待たれてきたセカンド・アルバム、「Metal Resistance」の紹介へと移ろう。BABYMETALがやっていることはとても新しく、メタルのブルータルさと強さをJポップやアイドル音楽のカワイイもろさと組み合わせるカワイイ・メタルというアイデアが、本当に新しく、怪しいものだったので、このことはなぜかうまく行き、信じるために聞くべきものとなった。この勢いが、バンドとしてのBABYMETALを確立する上で役立ちデビュー・アルバムがヒットした。だが、「Metal Resistance」ではこれは既に起こっていることだ。私たちはBABYMETALを知っているし、その音楽で何を届けてくれるのかも分かっている。"Karate"、"Yava!"、"Meta Taro"、そして"Awadama Fever"のBABYMETALならではのキュートなヴォーカル・ラインがある一方で、特に"GJ!"でメタル演奏の革新的な演奏を見ることができる。"Yava!"や"Awadama Fever"のような曲は、これまで"Iine!"や"4の歌"で見てきたような他の音楽形式を参照するという傾向を示している。このことは、明らかにBABYMETALらしいスタイルに貢献しており、あらゆるものでありながら、同時に純粋なBABYMETALであることができる。これまでに見てきたものすごいエネルギーと勢いがきちんと保たれていることは驚くべきコトであり、「Metal Resistance」をほぼ全編通じてとてもエネルギッシュなアルバムにしている。ただし、一部の曲は、残りの曲のパワーに及ばず、埋もれていくだろう。バンドのカタログに追加するには素晴らしいものだとしても、このことは、「Metal Resistance」は前作ほどパワフルでないものにしているかも知れない。ただしこのアルバムは、私たちを踊ったり微笑みながら、同時にヘッドバンギングやモッシュをさせてくれるキャッチーなちょっとした驚きをもっていつもバンドが戻ってくるだろうことを示している。本当にユニークだ!

この新譜、「Metal Resistance」の曲は、それほど知られていないが、既に印象的なセットリストにうまくはまっており、エネルギーが欠けるとすれば、それはまだ慣れないからである。ただし、曲はすぐに観客を魅了し、幸せな表情ですぐにダンスとモッシュを始めた。盛んに論じられている問題に答えてみようと思う。「なぜ多くの異なったメタラーにぴったり合うのだろうか?」、そして「なぜBABYMETALの音楽は夢中になれるのか?」 BABYMETALの「ベビー」は、バンドが提供する新しい音楽、そしてバンド自体の若さを意味するが、「メタル」の部分は、単に「メタル」である以上に重要なのだ。BABYMETALがバンドの4人目のメンバー、コバメタルによって作られたことは秘密でもなんでもない。通常はアイドル音楽の仕事をしているコバメタルは、それをメタルと組み合わせるという考えを持っており、BABYMETALを創り上げた。実際に、メンバーが自分たちのやっていることに情熱を抱いていないということではなく、メタルヘッドにとってメタルが最も大切な部分であることはちゃんと理解している。それはアウトサイダーのためのコミュニティーであり、メタルヘッドに情熱的な居場所と帰属感を与えてくれる。BABYMETALを紹介したビデオは、そのステージに置ける存在にとって重要な部分でもある。人々にとってメタルがどのような意味を持っているのかを、コバメタルとBABYMETALがどのように理解しているのかを示している点が重要だ。「ヘビーメタルの精神は、世界を渡り……無数の伝説を創り上げた」 さらに、様々なTシャツは、メタルの数多くの重要なバンドを参照している。時にうそっぽいかも知れないが、BABYMETALは私たちがお気に入りのメタルバンドに対して感じる情熱に対して、健康的な尊敬の念をもって示してくれる。このすべてがBABYMETALのバンドとしてのパワーの大きな部分を占めており、スゥメタル、モアメタル、そしてユイメタルがショーの終わりに口にした人の心を惹きつけるコメントのおかげで、私たちは皆、一体感を感じられる。ピットの中の誰かが、私に向かって叫んだ。「お前はこの一部なんだ!」 そしてこれ以上にうまくまとめる方法はないだろう。またね(シーユー)!

▼元記事
http://noizzeuk.blogspot.jp/2016/04/babymetal-double-review-live-at-wembley.html


1 件のコメント:

  1. 新アルバムのなん曲かは埋もれるってのは……
    違うな………メタ太郎のこと言いたいのか何なのか知らんが
    ベビメタの曲はライブで成長して、変化してのいくという事を見逃しとるな…

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