世界のミュージシャン:マーティー・フリードマンとBABYMETALの間で
[訳注:重訳の翻訳です。ご了承下さい]
エンリコ・セッセレーゴ(2016年7月6日)
日本。長年に渡って、様々なジャンルやプロ・ミュージシャンと活動してきたドラマーである前田遊野をご紹介しよう。遊野は数年にわたりBLUE MAN GROUPに参加し、マーティ・フリードマンと一緒に活動し、最近は驚くべきBABYMETALでドラムスの交代要員として急上昇してきた。
ムンバイの圧倒的なインド的雰囲気から、環境、伝統、そして文化を変えて、今度は日本のまさに脈動する音楽の中心である東京にやってきた。
私の意見では、東京は、私たちの都市部にとっては外部的であるアメリカの都市の魅力を備えているが、日本の都市には特徴的な安全、清潔といった面での問題がない。
私は何度か、ギターを手にしていくつかの地域を歩き回ってみたが、問題は全くなく、危険も感じなかった。落ち着いた感覚に慣れてしまうと、しばらくすれば、「現実世界」に戻るのが難しくなる。
良く知られる東京のネオンや人々の喧噪を離れ、下北沢の居心地の良い場所にある喫茶店で、私はとても親しみやすい前田遊野に会った。彼はここ数年の間、様々なプロ・ミュージシャンと活動してきた。実際、遊野はジョッシュ・フリーズ(A PERFECT CIRCLE、NIN)の大ファンであり、何年間かBLUE MAN GROUPに参加し、マーティ・フリードマンと共演、最近は勢いに乗って、素晴らしい青山さんの交代要員として、最も議論を呼ぶが、疑いもなく驚きに満ちたBABYMETALで演奏している。
これは私が初めて経験した、日本の音楽文化の摩訶不思議な力学についての体験だ。その短く、本質的な回答を通じて、遊野は、この現象を読む上で興味深いが、論理的で、徹底的な鍵を与えてくれた。
Q:遊野さん、東京でのプロのドラマーとしての生活を教えてください。まず、音楽ビジネスで仕事をするには、東京が唯一の選択肢ということでよろしいですか?
A:その通りだ。僕は南西部の沿岸都市、鳥取から来たんだが、もう東京に住むようになってから数年になる。でも僕にとっては、大阪に住む方がもっと快適で親しみやすいものになっていただろうね。でも東京は、日本のどの都市よりも活動的な都市なんだ。実際、日本で唯一の音楽のリアリティーが存在している。ドラマーとして、僕は融通が利かなければならない。ロックのライブばかりでなく、ジャズやラテン・グルーブも演奏しているからね。また吉祥寺(東京の北部にある美しい場所)でドラム講師もやっている。それから、ライブ・スタジオには録音エリアがあって、プロツールズやマイクが用意されているので、求めに応じてレコーディングするチャンスもあるんだ。
Q:今では音楽の世界では有名ですが、ここまでどのようにたどりついたのですか?
A:ご存じのように、僕は独学のドラマーで、専門は「とても高速のヘビー・メタル」なんだ。ダブル・バスのファンであり、いろいろな場所で演奏し、オーディションを受けた。いまは、ソナーをエンドースしていて、今年はセイビアンもだね。でも20代の時にはもっと早かったよ(笑)。
Q:BABYMETALのことについてもうかがいたいと思います。一度リハーサルを見学させてもらい、疑いもなく、神バンドはものすごかったですし、演奏の完璧さはマストでした。でも同時に、親しみやすくリラックスした雰囲気も感じました。実際そうですか? それからヘッドホンを付けて演奏していますが、クリックだけが送られているわけではなく……
A:ああ、その通りだ。雰囲気は「とてもハッピー」だよ。ヘッドホンにはクリック音に加えて、英語のカウントインが入っているんだ。曲のいろいろなセクションの変更のためにね。それから、僕の場合、キックを少し足してもらっている。ステージの演奏では、少し軽く聞こえるんでね。
Q:レパートリーについては? リハーサルは多いんですか?
A:そうだね、楽譜はくれなくて、MP3を聴いて自分のパートを覚えるんだ。そしてだいたい分かるのは、ドラマーならぜったい書かないようなパートを演奏させようと、プロツールズのプラットフォームのドラムMIDIパートをアレンジしているやつが楽しんでいるんだ。たとえば、「ここにはフリーな16分があるぞ、なんでティンパニみたいなサウンドを入れないんだ(笑)とかね。それから、だいたい僕たちは4〜6時間のブロックでリハーサルをするんだが、だいたいコンサート全体を演奏して、サウンド・エンジニアがステージやFOHにいてね。時には、コンサートを3回やる。2回はインストで、1回は女の子たちが加わる。すべてを録音して、マネージメントがこれを聴いて、フィードバックをくれるんだ。幸いなことに、メーキャップはしないでリハーサルをするんだ。白塗りに髪の毛がひっつくのがすごくいやなんだよ(笑)!
Q:大きな質問です。日本では、一つのプロジェクトで、あるいは一つの曲でいろいろな音楽ジャンルをミックスするのがごく当たり前です。カノン形式の西洋の視点では、これは理論的には不可能であり、音楽文化においては、不調和になるものと考えられています。あなたの意見では、日本ではなぜジャンルの分離が考えられないのですか。逆に最も摩訶不思議なミックスに対して完全な自由があるのですか?
A:僕たちにとっては、これが当たり前なんだ。僕の意見を言おう。たとえば、DEICIDEのようなブラック・メタルを聴いているとして、演奏部分を考えなければ、歌詞は悪魔主義、反キリストといったテーマだと分かるだろう。日本人がこれを聴くと、曲の楽しさは認識するけど、歌詞は分からないんだ! 明らかにこの言語の壁は以前ほどすごくはないが、何十年にも渡って、日本語じゃない歌詞を訳すことに熱意がなかったんだよ。だから、この理由から、あるジャンルから音楽的な要素を取り出して、別のジャンルのものをくっつけると新しい曲ができるんだ! これにアニメの強力な伝統を加えれば、その非常に音楽的なコンテンツとポップなサウンドによって、そういう音楽が生まれるんだよ!
▼元記事
Musicisti dal mondo: tra Marty Fiedman e Babymetal
▼Redditのスレ
accordo.it - Musicisti dal mondo: tra Marty Fiedman e Babymetal (maybe a kind italian kitsune can translate this? Seems to be an interview with Yuya Maeta)
いつもありがとうございます。些事ですがシンバルメーカーSABIANは「セイビアン」か、そのままSABIANでよろしいかと存じます。
返信削除いまは、ソナーをエンドースしていて、今年はサビアンもだね。
いつもありがとうございます!
返信削除日本ではなぜジャンルの垣根がないかの前田理論が聞けて面白かったです。
『楽譜はくれなくて、MP3を聴いて自分のパートを覚えるんだ。』
↑大変だ〜
ところで『いろいろな場所で演奏し、オークションを受けた。』のところは、『オーディション』の間違いですか?
翻訳ありがとうございます。
返信削除こう言うバンド側のインタビューは、違う一面が知れて興味深く面白いです。
(小神様が、それ程ジャズ、フュージョン通って来なかったとか)
個人的に前田さんは、「Jazzy、HR寄りなのかな〜?」と思っていたのですが、>専門は「とても高速のヘビー・メタル」なんだ。ってコメントがちょっと意外でした。
神バンドのインタビューを読むことは、やっぱり楽しいです。
返信削除ありがとうございます。
ベビメタの「音楽」にハマって聞いているような人間だから、神バンドメンバーの音楽的背景とか、曲へのアプローチとか考察って聞いてて楽しいんだけど、規制がかかっているのか、なかなかそう言う機会が無くて残念だよね
削除小神さんのインタビューも削除されたというし、このインタビューはそうなりませんように
3人のプライベートに関しては興味が無いので、露出やインタビュー等は別にこのままでいいと思ってる人間だけど、「バンド」を標榜して活動するなら、バンド等の音楽的アプローチやテクニカルなところについてはもうちょっと情報出して欲しいなあ
前田さんの珍しいインタビュー!ありがとうございます。
返信削除興味深かったです。
仮バンド頑張ってね
そうなんだよなー日本のほとんどのメタルファンは歌詞より曲で気に入ってヴォーカルの声も音の一つとして聞いてて歌詞の訳が気になる人いないよね。後で知って笑ってしまう事も多々あるw
返信削除death!death!death!death!
返信削除を海外の人が聞いてどう思うんだろうって読んでる最中思ったw
まさかのbe動詞だからな
敬体文に使われる
~メーキャップはしないでリハーサルをするんだ。白塗りに髪の毛がひっつくのがすごくいやなんだよ(笑)~
返信削除こ、これは問題発言じゃないのか?大丈夫か?ww