オハイオのメタル・ミュージシャンや歴史家によれば、メタルは当地でも世界中でも成長している
ゲイリー・ブロック(2016年8月11日)
コロンバス発:7月18日に偶像的なヘビー・メタル・シンガー、JUDAS PRIESTのロブ・ハルフォードがステージに立ち、新しい波である日本のヘビー・メタル・バンド、BABYMETALと共演したとき、伝統に浸かったこのジャンルのファンの多くが驚いた。
だが、ボウリング・グリーン州立大学の文化分類学者で、ポップ文化の教授であるジェレミー・ウォーラチ博士は、この共演にはまったく驚かなかったという。
ヘビー・メタル・ミュージックは米国で人気が高まっているばかりではなく、世界中でのアピールが大きくなっていると博士は言う。そしてこの国際的な成長と共に、ヘビー・メタル・ミュージックの定義にも変化が見られる。
この「新旧の」音楽の歴史的な組み合わせで、ジーニア出身のウィルミントンのクリス・エリオットも、ワシントン・コート・ハウスの音楽ブロガー、ジョナサン・ウィリアムズもやはり驚かなかった。
コロンバスのオルタナティブ・プレス・ミュージック・アワード・ショーのステージで、ハルフォードとBABYMETALのリード・シンガー、中元すず香は、象徴的なJUDAS PRIESTの曲、"Painkiller"さらに続いて"Breaking the Law"を歌った。この驚愕の13分の演奏は、満員のショッテンスタイン・センターでスタンディング・オベーションを受けた。
この組み合わせは、メタルの成長するアピール、そして成長する国際色を十分納得させるものとなった。
事実、イエロー・スプリングスのゴアグラインド・メタル・ミュージシャンであるディラン・テイラー・レーマンは、自分が最も訴えかけるものと感じるのはメタル・ミュージックのこの国際的な成長そのものであると述べている。
メタルの様々な変化
エリオットは、メタル・バンド、OMINEのリード・ギタリストだ。エリオットによれば、過去数年の間にヘビー・メタルがものすごく再燃するのを見てきたという。「メタルをまったく新しい方向に運んでいる複数のバンドが存在している。メタル・シーンはずっと大きくなりつつある」
ジーニア高校の卒業生であるエリオットは、デイトン・メトロポリタン・エリアは、米国内で14番目に人気のあるメタル・シーンとして評価されてきたという。メタル・ミュージックは、常に業界の支柱であり続けてきたが、いまは成長と変化のただ中にある。「俺は多くの新しい安堵が出てくるのを見てきた。いまはとてもエキサイティングな時代だ」
エリオットの4人編成のバンドは、自身がギター、デイトン出身のティム・ハスティーがボーカル、センタービルのコール・ボハノンがベース、そしてジーニアのコリー・ホールがドラムスを担当している。
彼のバンドは、結成してから1年半ほどになる。そのジャンルはデス・メタル、パワー・メタル寄りのバンドだ。ほとんど毎週末にオハイオなどの州で演奏を行い、CANNIBAL CORPOSEのような全国的なメタル・バンドの前座を務めている。
「全国的なステージではまったく話が違う」とエリオットは言う。
彼は、TRILLIUM、DYING FETUS、ALL THAT REMAINS、DREAM THEATER、MEGADETH、それにSLAYERのようなバンドを「もちろん」聴いている。
音楽のための音楽
メタルの商業的な成功や成長は、ORCHIOPEXYというデイトン出身のメタル・バンドのメンバーであるレーマンの興味を引くものではない。
国際的なメタルの成長についてたずねられ、レーマンは「メタルの国際的な側面は、生まれた時から存在していたと考える。80年代前半〜中頃にこれが始まってから、エクストリームな形態が進化するようになってから、世界中のバンドがテープを交換することで広がっていった。ペンパルを増やして、友人にテープを送ってもらうんだ。だからインターネット以前に、この巨大なアンダーグラウンドのネットワークが生まれた。お互いに人々がテープをダビングしていたんだ」
レーマンによれば、これで多くの主要な、伝説のバンドが活動を始めた。「お互いにテープを夢中でミックスしているティーンエイジャーだった。だからこの種の音楽が好きなんだよ。これは独自の言葉で自己完結しているコミュニティーなんだ。このゴアグラインド・メタルをリリースしているレーベルはあるけれども、その外側にいるのが好きなんだ。それ自体のために、この音楽をトレードして、シェアする。完全にアングラだ」
レーマンは、世界中を旅して人と会うのが好きだという。「俺は実際フィンランド、インドネシア、日本、スロベニアにペンパルがいて、そこから音楽を送ってもらうんだ。これはとても素晴らしいと思う」
人々はこの音楽シーンの部分にただ気付いていないだけだという。「金を稼ぐのは悪いことじゃないが、ロック・スタートして自分を取り扱ってもらう必要があると感じた時点で、そこから親しみが奪われてしまう。ビジネスのように取り扱うと気が抜ける。これは主に、企業によって腐敗していない最後のコミュニケーションの防衛拠点なんだと思う」
国際的なメタルは、アメリカのメタル・ミュージックに影響を与えただろうか? 「もちろんだ、特徴のあるエリア、国、それに都市でさえも、人々にアピールする特徴のあるメタルの扱い方を持っている。グラインド・コアは、英国のバーミンガムで、NAPALM DEATHというバンドが80年代前半に始めて、世界中のファンに受け入れられ、そこから広がっていったんだ」とレーマンは言う。
コロンビアでは、コロンビアのバンドだとすぐに分かるようなとても具体的な種類のデス・メタルを演奏しているという。あるサウンドが国の特徴となりうるのだとレーマンは指摘する。
メタルの未来は? 「より幅広いアピールがあり、より人気を得ていくバンドは、俺の興味の対象ではない。俺が好きな種類の音楽はいずれにせよ人気を得ることがないと思う。俺にとって、決まり事の外側でより多くのバンドが演奏することを決めた方がクールだ」
敬意とカネの色
アメリカの音楽形態として、メタルは人気やレコード・セールスに関してそれにふさわしい信用を得てきただろうか?
「音楽業界におけるこの種の収縮や縮小の中で、(音楽業界の幹部は)メタルが好きな連中はまだレコードを買うことに気付いている。かつてのようにののしられたり、忘れ去られたりはしない。メタルヘッドは、以前は持っていなかった市場価値を持っている。その上で、ヘビー・メタルは伝統的に、批評家のお気に入りではなかったんだ」とウォーラッチは語る。
だが変わったのは、メタル・ファンが成長したことだ。「成長しても聴くのをやめない連中の数、そしてメタルに戻ってくる連中の数は驚くべきものがある。20代後半に一度休みを取ったんだが、30代後半になってまた戻ってきた」
ウォーラッチは、自分がマス・メディアで見た最も明確なメタルの擁護は、ポップ・マターズというブログでのアトランティック・マンスリーのライターのような連中、自分と同じような年齢の連中が書いたものだという。
「30代後半になって、誰もがメタルを捨てていた1980年代前半のように、誰もが無視する若造ではなくなっていた。当時はヒステリーや反悪魔主義者のモラル・パニックがあった。私たちの声は当時耳に届かなかった。ブログもインターネットもなかったからね」とウォーラッチは言う。
「だが2000年代後半に、私たちはロック評論家に、ジャーナリストに、そして教授になったんだ」
でもメタルはいまだに、それほどの敬意を集めているわけではない。ウォーラッチは、メタルが非常にネガティブに見られている数多くの会議、音楽学者、音楽評論家の会議にいろいろ出てきたが、連中は侮蔑の目でメタルを見ている。
だがメタル・ファンは購買力を持っている。
「メタルヘッドは読むんだ、たくさん読む。連中はリテラシーがある。つまり、メタルの本は売れる。メタルのレコードは売れる。人々は「まだレコードを買っているのか? まだ本を読んでいるのか?」と言うだろう。私は人々がそういうのがもういやでたまらないんだ」とウォーラッチは指摘する。
「人々は本を買っている。メタルヘッドが好きだという理由で、この音楽に対して高い関心が払われている。私たちに人々が関心を払うのが好きだ」
▼元記事
Ohio metal musicians, historian say genre growing here, worldwide
アメリカの田舎の畑でスイカを食いながら種が多い少ないと言っているような話。
返信削除>>だがキツネ達は購買力を持っている。
返信削除「キツネは読むんだ、たくさん読む。連中はリテラシーがある。つまり、ベビメタの本は売れる。ベビメタのレコードは売れる。ベビメタのDVD/BDは売れる。ベビメタのTeeは凄い売れる。ベビメタのグッズはどんなに高くたって売れるんだ。」