ライブ・レビュー:RED HOT CHILI PEPPERSとBABYMETAL(SSEハイドロ、グラスゴー)
評価:4/5
超カワイイ日本のメタラーによるものすごい前座を伴う、ファンク・ロックのベテランによるタイトでヒットで一杯のセット
ヘンリー・ノースモア(2016年12月9日)
RED HOT CHILI PEPPERSは、自分たちの英国ツアーに、前座としてカワイイ・メタルのスーパースター、BABYMETALを雇い、そのユーモアのセンスが健在であることを示した。彼女たちの超カワイイJポップと激しいヘビー・メタルのミックスは、理屈の上では摩訶不思議で、ライブではさらにわけが分からない。幽霊のような衣装をまとった神バンドは、引き裂くようなブラスト・ビートとスラッシュ・ギターを放ち、三人の女子学生たちがさえずるような日本語を歌いながら、振り付けされたチアリーダーのようなダンス・ルーチンを踊る。ステージの中間では衣装替えさえして、仮面と着物で戻ってくる時間もあった。
これは不思議にも素晴らしいマンガのゴス・スタイルと重厚なリフのごたまぜだ。二つの相対するスタイルがぶつかり合って、輝かしい新しいハイブリッドを創り出す、楽しい矛盾だ。セットをバイラルなメガヒット、"ギミチョコ!!"で終え、これは本当に愛らしく、魅力的だった。
今年のT in the Park Redでの平凡なショー以降、RED HOT CHILI PEPPERSは多くの証明をしてみせる必要があった。今夜はとにかく違って聞こえた。おなじみのインストによるイントロは、間違いなく骨の髄までレッチリだった。分厚いベース、痙攣するようなファンクと突風のようなリフ、伸ばした輪ゴムのようにタイトだった。アンソニー・キーディスは、"Can't Stop"に命が吹き込まれると、ステージで躍動した。筋骨隆々の塊のようなフリーは、現在の音楽界において、いまだ最も印象的なベーシストの一人であり、早く、自由で、パワフルなグルーブを持っている(だからこそトム・ヨーク、ジョニー・キャッシュ、パティ・スミス、そしてトム・ウェイツが長年に渡って、様々なプロジェクトで彼の才能を求めてきたのだ)。キーディスは巧みに"Me & My Friends"のオルタナ・ロックのエネルギーの爆発を、そのより繊細で、より感情的な"The Zephyr Song"や"Californication"のようなマテリアルへと切り替える。チャド・スミスは、ドラム・キットの背後の獣であり、(2010年に正式に加入した)新顔のジョッシュ・クリングホファーは、ラインナップの仲で地位を確立し、ステージを引き裂き、たやすくジョン・フルシアンテのソロとスタイルに取り組み、独自のフラリッシュとギター・リックを加えた。
観客の頭上につるされて、複雑なリズム・パターンで動く、何百もの照明が天井から降りてくる、独創的な照明器具があった。これによって、Hydroのようなばかでかい環境でも、没入できる体験が創り出された。
レッチリのショーは、いらだたしい体験だ。フェアプレーとしてレッチリは、毎晩セットリストを変えるけれども、あまり知られていないアルバム曲のために、絶対的な観客のお気に入りをしばいば外す。だが今夜、グラスゴーは、ラッキーなことに、レア曲、新曲、それにツアー・クラシックのバランスがほぼ完璧だった。フリーとクリングホファーが一緒になってベースとギターのジャムを行い、次第にスピードと力強さを増して、美しい"Californication"の演奏へと進んでいくという素晴らしく心地よい瞬間があった。スティーヴィー・ワンダーの"Higher Ground"のパンチの効いたカバーが"Under the Bridge"、それから"By the Way"に続いていけば、文句の言いようがない。
12月8日(木)、グラスゴー、SSE Hydroで鑑賞
セットリスト(RED HOT CHILI PEPPERS):
Intro Jam
Can't Stop
Dani California
The Zephyr Song
Dark Necessities
Wet Sand
Me & My Friends
Go Robot
Californication
Sick Love
Don't Forget Me
Watching the Wheels (John Lennon cover)
The Getaway
Higher Ground (Stevie Wonder cover)
Under the Bridge
By the Way
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Goodbye Angels
Give It Away
▼元記事
Live review: Red Hot Chili Peppers and Babymetal (SSE Hydro, Glasgow)
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