Jリーグ、BABYMETALと英国
ファジャール・マルタ(2017年3月7日)
[インドネシア語からの重訳です]
1970年代の終わりに、日本がインドネシアにやってきた。日本がかつての植民地を訪れたのは、一つの目的の目的のためだった。メジャー・リーグ・サッカー(ガラタマ)があるインドネシア・サッカーを学ぶためだ。中心となるリベロ、ロニー・パッテイナサラニ率いるインドネシアのナショナル・チームはまた、4-0で日本を下している。
別に良い時代は去ったことを思い出すためではないが、これはどのようにゼロから国家が何かを作り上げられるのかを示している。日本は、インドネシアのような国から、厚かましくも、自分たちが発展させる必要があるものを作り上げるために学んだ。
私の目には、日本人にとって特別な事例が一つある。日本人は、「外国製だから」という親切な一言を付け加えることなく、外部から文化物を取り入れることを恥じない民族だということだ。それから自分達のやり方を詰め込んで、何か日本にとってユニークなものにする。
例えば? AKB48や姉妹グループのJKT48がそうだ。アイドル・グループと一体化した衣装は、実際にはフランスのメイドのコスチュームだ。曲のリズムもそうだ。渋谷系を参照してはいるが、よりその奥底にあるのはカワイイ要素であり、これにはセルジュ・ゲンスブールやフィル・スペクターのバロック・ポップを伴っている。
だから、Jロック、Jシューゲーズ(このジャンルを再解釈して、ニューゲーズのメッカの一つになっている)といった他のジャンルもそうだった。つい最近まではだが。そうBABYMETALだ。
自分たちの音楽をカワイイ・メタルと呼ぶこのトリオは、実際音楽の純粋主義者たちから軽蔑されてきた。だが、彼女たちはその質の高さで自分たちを証明してみせたことで、世界トップのメタル・バンドから評価(そして裏書き)されている。
後に、BABYMETALは、メタル音楽の本土を襲った。英国だ。彼女たちはそこからワールド・ツアーをスタートさせ、2016年には、ウェンブリーでコンサートを行っている。
英国は近代フットボールの誕生の地でもある。Jリーグは、そこからの新風に過ぎない。英国の企業、パーフォーム・グループが、Jリーグのデジタル放送権を20億ドル(10年間)買った。
パーフォーム・グループという名前にはなじみがないかも知れない。だが、Goal.comやOptaならどうだろう。そう、パーフォーム・グループは、デジタル・スポーツの世界で営業しているこの2つの親会社だ。Jリーグは、その子会社の一つで、ライブ・ストリーミングを専門としているDAZNを通じて楽しむことができる。
2016年7月20日に始まった協力関係により、日本全国で、Jリーグの3つのリーグを見ることができる。これは確かに重要なことで、隣国の中国は、中国スーパー・リーグを通じて、ものすごい勢いでサッカーが盛り上がっていることを視野に入れている。
例えば、2010年に、Jリーグのスタジアム観客数平均は、一試合当たり19,000人程度だった。2015年にはこの数字は下がり、一試合当たり18,000人を切っている。サッカーは桜の国で野球に続くスポーツだ。
中国に花形プレイヤーが移籍していることも別に驚くべきことではない。経済の再生と主席の野望を別にすれば、1990年代前半にJリーグが始まった時にも同じようなパターンがあった。ジーコやゲーリー・リネカーといった世界のトップ・プレイヤーが日本に移っている。これは世界的なスターの存在というだけでなく、日本のサッカーに良い影響を与える採用でもあった。
もし世界的なスターの採用だけを見れば、マリオ・ケンペスやロジェ・ミラはインドネシアでプレイしている。だが、その影響は大きくなかった。ケンペスはペリタ・ジャヤで監督としてのキャリアを試みようとさえしている。システムと関係者全員の熱意が、日本サッカーをアジアの強国の一つとしたのだ。
さらに、日本とそのクラブは、フットボールを商品化することが得意だ。「Tribe Football, Japanese Stadia Pilgrimage Episode 1」という独占ビデオを見れば、サッカーが、プロで一杯のエンターテインメントであることが分かるだろう。チェザーレ・ポレンギによれば、毎年、Jリーグのクラブの多くが、新しいキャッチフレーズを発表する。
パーフォーム・グループがJリーグの放映権を買った理由にはこのこともあるのだろう。日本人は、伝統的なサッカーとは違った得点システムさえ持っており、持続可能な競技を創り出すことができる。
最初にBABYMETALが登場した時、何千人というメタルヘッドが文句を言ったが、自身のジャンルの組み合わせの公式と意志の力によって、彼女たちは、様々な世界のフェスティバルで名を上げていった。BABYMETALは、たとえばケラング!の2016年ベスト・ライブ・アクト賞のような有名なメディアからの数多くの賞を受賞している。授賞式で、メタル・ゴッド、ロブ・ハルフォード(JUDAS PRIESTのボーカリスト)と共演する機会さえ与えられた。
音楽とサッカーを同等に扱うことはできない。前者は個人の主観的な好みに結びついているが、サッカーは計算可能な質、すなわち得点、ポイント、順位などによって判断されるエンターテインメントだ。英国の人々がまとまってプレミア・リーグを離れ、Jリーグを楽しむようになることはない。
私は、この協力によって、Jリーグが未来を「盗む」ことができるだろうと思う。ストリーミングによるビデオが伝統的なテレビ放送に取って代わるかも知れない。ネットフリックスがそのことを証明している。視聴者は、番組を選択して見る(TVあるいはデバイス)自由度を与えられた時に、関心を持つことが分かっている。
中国は、素晴らしいプレイヤーの移籍によって関心を集めたところだ。だが、その才能あるフットボール選手が欧州のクラブの関心を集めたり、ナショナル・チームとして大きく成果を上げていくかどうかは、見逃すわけにはいかない問題だ。(Jリーグの初開催以来)日本は短時間で1998年のワールド・カップにチームを送っている。
BABYMETALとJリーグを通じて、日本は英国を振り向かせることができた。私はこのことが他の連中に同じことを目指させるのではないかと心配している。たとえば、インドネシアでワールド・カップを開催させる? 野心的だが、ジョークにしか思えない! 「世界を目指す」インドネシア・ポップスの「ディーバ」や、観客の大多数が外国人労働者である隣国でコンサートを行うことを誇りに思うバンドのようなものだ。
▼元記事
J.League, Babymetal, dan Inggris
いつも、翻訳有難う御座います。大変興味深い記事でした。
返信削除一つ提案なのですが、翻訳元の記事の人物又は出版元の国籍をマークで結構ですので表記していただけたら有難いです。
お国毎の評価の比較や分布が容易に分かると思います。