2016年5月20日金曜日

[Brisbane Times] レビュー:ヘビー・ロックとハード・ロックの板挟みで(BABYMETAL、ロブ・ゾンビ、BLACK TUSK)

レビュー:ヘビー・ロックとハード・ロックの板挟みで(BABYMETAL、ロブ・ゾンビ、BLACK TUSK)

ティム・バイロン(2016年5月20日)




BABYMETAL:Metal Resistance
星4.5

ロブ・ゾンビ:ELECTRIC WARLOCK ACID WITCH SATANIC ORGY DISPENSER
星3.5

BLACK TUSK:PILLARS OF ASH
星3.5

ヘビー・メタルは、あまりに長く存在してきたので、確かに古ぼけてきていた。ファースト・アルバムを46年前にリリースしたBLACK SABBATHは最近オーストラリアをツアーし、たぶんシニアタウンに引っ越す前に別れを告げた。BLACK SABBATH以来の歳月を通じて、メタルを作るよい方法の多くは、たっぷりと議論しすぎてだめになってしまった。

最近、その多くはかつての栄光を作り直している常連か、デス・メタルの最も純粋な反復を見出そうという深遠さを増すばかりの試みとなっているように感じられる。それでもDISTURBEDの本物のヒットシングル、"The Sounds of Silence"のものすごい最近のメタル・スタイルのカバーは、多くの人々が今でもメタルのアドレナリン・ラッシュを望んでいることを示している。ハードコア・パンクからサイケデリアやJポップまで、他のジャンルとメタルのハイブリッドは、どんどん一般的になっている。

だからJポップ・スタイルの日本の少女グループ・ボーカルをメタルのバッキング・バンドと組み合わせ、カワイイ・メタルと名付けられたスタイルの日本のグループ、BABYMETALにとって、2016年は完璧な時だ。この変わったバンドは、メタルあるいはJポップのカルト的なファンダムを超えたところまで到達している。BABYMETALはオーストラリアのアルバム・チャートでDISTURBEDと共にトップ10入りした。この組み合わせのまったくの厚かましさは、メタルの正当主義に対して、完璧にマニキュアした中指を立てるグループとして理解された。

結局のところ、メタルの連中は音楽を「ブルータル」として満足げに表現することが好きであり、Jポップは存在する一番ブルータルでないジャンルの一つなのだ。西側の耳には、Jポップは甘さ、若さ、誇張された女性らしさ、そして不快なほどしつこいポップ・メロディーを提供しているように響く。BABYMETALは、Jポップを出し惜しみしない。キャッチーなメロディーがあり、カワイイ十代の女の子たちが甘く歌っている。ステレオタイプなメタルヘッドが嫌うようにプログラムされているもののすべてだ。

でもBABYMETALはメタルも出し惜しみしない。彼女たちを支える神バンドは、心配性の親をパニックに陥らせるような激しいリフを提供する。「Metal Resistance」でメタルよりもポップに響く唯一の曲は"No Rain, No Rainbow"で、これはBABYMETAL版の'80年代のグラム・メタル・パワー・バラードだ。それ以外は、バンドは傑出した激しいドラミングと、無調のギター・リフに対するディストーション・ペダルの自由な使用を伴って、ためらうことがない。

その結果は非常に効果的だ。優れた芸術は光と影がすべてだという者もいる。これが本当だとすれば、BABYMETALはJポップの甘さの超新星とメタルのブルータルさのブラック・ホールの間の激しい戦いのように聞こえる。BABYMETALのボーカルのキャンディクラッシュであれ、メタルのバッキングによるテストステロンによるハイであれ、すべてがアドレナリン・ラッシュだ。

例えば、"Karate"はBABYMETALがテイラー・スウィフトとそのBAD BLOOD軍団に対して、わたしたちがぼこぼこにしてやると宣言しているように聞こえる。対照的に"GJ!"は、小悪魔な日本人の女の子たちが、黙示録の激戦の間に、墓の上で縄跳びをして遊んでいるような奇妙な響きがある。クッキーモンスターのような声を出そうとしている長髪の男以上に、小悪魔のような日本人の女の子たちには、確かに何かしら不気味なところがある。

ロブ・ゾンビがフェイスブックにBABYMETALと一緒に写った写真をポストしたときに、コメントでBABYMETALの音楽について不満をもらした退屈なメタル野郎を「あの子たちはお前よりハードにロックする」としかりつけた。たしかにくだらないホラー映画から逃れてきたように見えるメタル野郎の中で、ゾンビは一番楽しんでいるように見える。これはその音楽のわざとらしさからくるものだ。先行シングルの"Well, Everybody's F___in' in a UFO"の偽のヒルビリー・メロディーとリズムはSLAYERの"Reign in Blood"よりも1990年代のノベルティ・バンド、REDNEXの"Cotton Eye Joe"のように響く。ゾンビのインダストリアル・メタルにはサイケデリアとキッチーなアメリカーナ、それに歌詞のロックに対する執着が詰まっている。ゾンビは、ZZ TOPとぜひコラボレーションしたいというような印象を与える。

(以下略)

▼元記事
http://www.brisbanetimes.com.au/entertainment/music/between-a-heavy-rock-and-a-babymetal-hard-place-20160504-golrgq


2 件のコメント:

  1. >この組み合わせのまったくの厚かましさは、
    >メタルの正当主義に対して、
    >完璧にマニキュアした中指を立てる

    >クッキーモンスターのような声を出そうとしている長髪の男以上に、
    >小悪魔のような日本人の女の子たちには、
    >確かに何かしら不気味なところがある

    虫も殺さない3人娘なんすけどねぇ、コワクナイヨー。
    ちょっと歌声と踊りに魔力があるだけで…

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  2. そうそう、ちょっとお財布のひもがゆるくなる魔法を使うだけです

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