2016年5月23日月曜日

[Heavy Blog Is Heavy] BABYMETALシカゴ・ライブ・レビュー

シカゴのハウス・オブ・ブルースにおけるBABYMETALとの夕べ(2016年5月13日)

カイル・ガッド(2015年5月17日)




期待というのは面白いものだ。昨年、ほとんどほぼ同じ日に、俺はシカゴのハウス・オブ・ブルースでBABYMETALがステージに立つのを見ることができた。これは2015年5月14日のことだった。

あまり楽しめなかった。

何よりも、俺は非難と憤慨で一杯だった。観客は基本的に俺が「オタク」と考えるような連中で一杯だった。俺の意見では、スーパーファンであるという理由で俺の怒りに値するひどいスーパーファンどもだ。チームは、北アメリカ、そして世界中の場所で好ましい効果を得ていたが、日本でオタクであるということは、まず自分から好んですることではなく、ほぼいつも軽蔑される。

脇道に逸れたようだから、最初の話に戻ろう。期待というのは面白いものだ。

1年後、最近の「Metal Resistance」のリリースにより2枚のアルバムを経て、また別のBABYMETALのショーに行くことになり、前年の体験からの感情は捨てて、楽しもうとした。確かに、満杯のハウス・オブ・ブルースは楽しむには難しい場所だ。平均より大きい会場に1,000人の観客? どこに立とうが地獄のように暑く、いつも体に近すぎるところに何人かいる。でも素晴らしいショーでこういったことのすべてが消え去るように思われ、今年のBABYMETALの演奏は、その言葉にふさわしいものだった。

このショーと昨年のショーの構造はかなり似ていた。最愛のスターウォーズ風の長いナレーションによるイントロに続いて、"Babymetal Death"の悪意ある演奏が始まるが、関係者にははっきりとした違いがあった。つまり、観客、バンド、そして主に俺自身だ。問題というのが自然と解決することができるというのは何かおかしなことだ。昨年のBABYMETALの演奏と同じ連中がかなりいたと思うんだが、新しく、たぶん「より本物の」ファンもたどり着いていたようだ。小ちゃな女神のトリオとしてこのバンドを崇拝する代わりに、音楽を本当に楽しむ連中だ。概して、俺の立場はこれだ。BABYMETALの音楽が好きで、ほとんど毎日、皮肉なしで楽しんでいる。だからこそ俺はあそこにいたし、同じ理由でBABYMETALのライブを見続けるんだ。

俺は躊躇なく、ここにいる多くの連中が俺と同じように感じていると言える。なぜなら、信じられないほどへつらう代わりに、単純にショーを楽しむことに集中していたからだ。ちょっとばかり興奮しすぎている、道に迷ったような奴とかコスプレをしている何人かといったのもいたが、今回は(ありがたいことに)少なかったように思えた。

でも何よりも、BABYMETAL自身に関わっている連中、特にスゥメタル、モアメタルとユイメタルが一番成長していたのかも知れない。メタルのプロダクションやマネージメントに関して、信じられないレベルのコントロールがなされているという感じが、日本からのバンドにはつきまとう。俺が聞いた話だと、海外の演奏は、とても束縛されていると理解をせざるを得ない。でも今回のパフォーマンスからは、はっきりと分かるレベルでの本質的な成長が醸し出されていた。

振り付けは予想通りとてもかっこよかったが、女の子たちは微笑み、手を振り、シカゴへの愛情を表現し、シンガロングを促し、適当なタイミングで観客に音楽に合わせ体を動かさせることで、観客と言葉を通じてやりとりして見せた。このことはショーの終わりで一度だけ観客に手を伸ばした、完全に振り付けされた昨年のパフォーマンスとははっきりと対照を描いていた。女の子たちは今回、俺たちのために厳密に演じていたのではない。女の子たちはライブをやっていた。

これはハウス・オブ・ブルースでの昨年のパフォーマンスについての一番大きな不満だった。女の子たちがステージに上がるたびに、ショーはまるで事前に録画されたパフォーマンスのように感じられた。真のショーマンシップの例は、神バンドがインストゥルメンタルのブレイクの間に支配した時だけだった。俺は今回はこれが当てはまらなかったことをとても嬉しく思う。そして昨年のショーを繰り返さなかったことも信じられないほど重要で、さもなければこれが俺が最後に生で見るBABYMETALとなっていたかも知れない。

それから、ショーマンシップが信じられないほどいろいろあった。振り付けられていようがいまいが、それは重要ではない。BABYMETALは自然に感じられた。"メギツネ"の間、スゥメタルはさりげなく、しかし勝ち誇ったように、ショーの間手にしていたキツネのお面を投げた。さらに重要なのは"ギミチョコ!!"の間に、モアメタルとユイメタルが大きすぎる人気のチョコバーの絵をかかげたことだ。この間、スゥメタルは有名なこの曲のコーラスを繰り返し、観客にシンガロングするよう励ました。そう、これは曲の中でバンドがやるべき種類の「ネタ」だが、決してわざとらしくは感じられなかった。とてもリアルで、とても魅力的で、このいずれもがBABYMETALのライブ演奏で本当に必要とされていたものだ。そしてここでBABYMETALは絶対的だった。

最初に述べたように、期待というのは面白いものだ。俺の大きな部分は、昨年の演奏の再現を予想していた。だから見に行ったんだが、俺はもう一度失望することで、BABYMETALをライブで二度と見に行かなくていいようにしようと思っていた。でも俺の中には小さな希望の光もあって、ありがたいことに、その光が勝ったんだ。

メタル・レジスタンス・万歳、BABYMETALよ永遠なれ。

▼元記事
http://www.heavyblogisheavy.com/2016/05/17/an-evening-with-babymetal-at-the-house-of-blues-chicago-may-13th-2016/


18 件のコメント:

  1. C&Rってやはり大事なんだね
    チョコネタが好意的に受け取られていてよかった

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  2. 端から見てると、これどうなの?やろけど、もしライブで体験したら俺も全力で楽しむ自信あるわ。
    ギンミーギンミー!!

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  3. 一番変わったのはこのレビュアーの偏見が取り除かれてきたってことじゃないのかな。
    前回と今回でそんなに差があったんだろうか。
    今回は気に入っていただけたようだけど、ちょっと違和感のあるレビューですね。
    C&Rとチョコ小道具についての意見はなかなか面白いですね
    こんな感じで見られてるのね

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  4. ベビメタまとめや掲示板かいわいで
    二言目には「ドルオタがw」罵倒する
    自称メイトがけっこう多いね、
    みいんな The ONE になる道程は遠い。

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  5. 素直にベビメタ大好きでいいじゃん。
    もう、照れ屋さんなんだからぁ~Ψ(`∀´)Ψ

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  6. >二言目には「ドルオタがw」罵倒する自称メイトがけっこう多い

    メイトとは限らないよ。
    ファンを装って内部対立させるアンチ工作の方が効果があるからね。
    わざわざあちこち有名ブログまで赴いて、本質的に記事の内容とは異なる話題に広げ
    さも中立であるかのように書き込んだりとか。

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  7. そのC&Rも客の居ないリハで全く同じことやってて、このレビュワーの言う事前に録画されたパフォーマンスから逸脱していないんだけど
    見ている人がライブ感を感じられたならそれでいいか

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  8. 2ndで先入観が抜けたんだろなあ
    この人がYMYと言い始めるまで時間の問題だね

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  9. 別にこれは個人の意見だから実際ライブにいた全員にアンケートでも採らないとC&Rの賛否は分からないよ。ライブ常連のツイでこのチョコのは嫌いだっていう意見もあったし。

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  10. [昨年のパフォーマンスについての一番大きな不満だった。女の子たちがステージに上がるたびに、ショーはまるで事前に録画されたパフォーマンスのように感じられた。]
    これ去年の日本ツアーでもすっごく感じた! C&Rは大事だよ満足感がちがう
    もうライブDVDでいいや って思ってたけどまたライブ行きたくなった

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  11. 筆者カイルの偏見に満ちたライブレポートだな。アイドルファンは「ヲタク」で「軽蔑」に値しメタルファンは「本物」だという選良意識に侵されている。
    3姫のアイドル性やキャッチーな歌詞に目もくれず、曲と神バンドのテクだけ楽しむ?そんなのBABYMETALファンじゃない。

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  12. >素直にベビメタ大好きでいいじゃん.....

    俺もそう思った。この人は去年からベビメタが好きで好きでたまらないのに、何かしらそれを自分自身の中で正当化(納得)できる理由をC&Rに求めたんだと思う。これで大きな声でベビメタ好きだ、って言えるw

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  13. >3姫のアイドル性やキャッチーな歌詞に目もくれず、曲と神バンドのテクだけ楽しむ?そんなのBABYMETALファンじゃない

    まあ、あなたの考えも偏見に満ちてるわな

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  14. まぁ米国は、ほかの地域よりもこういうのが好きそうではある。

    でも、サーフを好き過ぎなのは・・・。

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  15. やっぱりライブの楽しさは、単に生で演奏を聴くだけじゃなくて、ステージと客席が一体となることだよね。
    ただそれにはある種の制御が必要。それをこの小娘たちは臆することなく、堂々とやっている。そして大の大人たちを笑いながら従わせている。
    日本人でもここまでやれるんだって、本当に誇らしくなったね。

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  16. 今年のライブ映像を見ていると去年までと比べて確かに変化していると思う。
    良い意味で余裕が出てきたというか、自我が出始めたというか。
    去年までは完璧に演じる事に重きを置いている感じ。

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  17. ベビメタは最新ライブがベストライブ、ライブごとに限界を超えるってことですね。

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  18. ドルヲタが嫌われるのはKOBAがメタルレジスタンス第一章で「アイドル活動の完結」って言ってるのに、いまだにアイドルだって言い張るからだろW KOBAやアミューズの戦略に逆行した発言が嫌われてるんだっての。可愛いも結構だが、音楽聴いてくれよ。

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