2016年7月18日月曜日

[Asia Pacific Arts] (可能な限り最高のかたちで)BABYMETAL、サンフランシスコを撃破

(可能な限り最高のかたちで)BABYMETAL、サンフランシスコを撃破

日本のメタル・アイドル・バンドが、そのものすごくユニークなポップ・アイドル=ヘビー・メタル・ハイブリッド音楽で、観客をしびれさせる




マイ・グイェン(2016年7月16日)

ポップ・ロックと日本のアイドル・ポップ音楽とヘビー・メタルの融合は完全に別物だ。まさに真逆と思われる二つのジャンルの音楽を組み合わせることにBABYMETALが成功したことは、摩訶不思議だが、うれしい驚きとなった。BABYMETALの三人のメンバーは、髪の毛を縛り、ふんわりしたチュチュのドレスを着たカワイイ十代の女の子たちだが、ステージでは、その強力でクリアなポップ・ボーカルを強烈なヘビー・メタルと組み合わせ、魅了された観客を活気づける、ものすごいエネルギーを生み出す。三度目のワールド・ツアー、「レジェンド—メタル・レジスタンス」を行っているBABYMETALは、北米のレグを延長し、初めてサンフランシスコを訪れた。

ムードを盛り上げるためのドラマティックなナレーションに続いて、女の子たちは"Babymetal Death"で堂々とステージに登場した。曲は頭に取り憑くようなグレゴリアン・チャント風のメロディーで始まり、すぐに強烈なドラミングと激しくかき鳴らされるギターへと移る。あんなにカワイイ女の子たちがステージで、メタル音楽に合わせて真面目でダークな表情を浮かべ、切れ味の鋭い動きと、難しいポーズを取っているのを見ていると違和感があるが、このショックを抜けると、夢中にならずにはいられない。(ショーのあとで少し訊いてみると)唯一の失望は、曲を伝説の磔のシーケンスと共にやらなかったことだそうだ。疑いもなく、観客は絶対的にBABYMETALを崇拝している。

他のアジアのポップ・バンドが米国で演奏する場合と異なり、会場はメタル・ファンですし詰め状態であり、いつでも夢中になれるようになっていた。ピットでは、すぐにモッシュが始まり、ハイ・エネルギーの音楽に合わせて、激しくカラダをぶつけ合っていた。女の子たちは、カルト風の観客を完全に支配しており、熱狂的な観客は、リード・ボーカリストのスゥメタルの命令に熱心に従っていた。ジャンプしろ? OK。もっと大きなサークルでモッシュしろ? もちろんです、スゥメタル閣下。

BABYMETALの三人組がショーをリードして前面に立っていたが、然るべきときには、やはりショーを激しく楽しめるものとする鍵となっていた4人編成のバンド、神バンドも認めなくてはならない。このバンドはクラシックなヘビー・メタルのメーキャップをし、顔は白塗りで、目のまわりを黒くしていたので、まるで白い死神のように見えた。バンドは印象的でエネルギッシュな演奏を行い、舌を突き出しながら、自分の楽器をかき鳴らしていた。

4月にセカンド・フルレンスの「Metal Resistance」をリリースしたばかりで、コンサートは"ギミチョコ!!"や"Karate"のようなホットな曲を含む、バンドの全ディスコグラフィーから選曲していた。グループの音楽は二つの非常に異なったジャンルの融合なので、コンサートはよりポップな側のナンバーからメタル寄りのナンバーの間を行ったり来たりしていた。BABYMETALの魅力と強みは、この大きく違った音楽の世界を一つに結び、その音楽の多芸さからより幅広い観客にアピールできる点にある。

メタルは外見やサウンドがこうあるべきだという非常に明確なイメージがあり、激しい、攻撃性、圧倒的、そしてすごいといった言葉が浮かぶ。ショーを一度見た上で、BABYMETALはこのすべて、あるいはそれ以上のものを届けるのは明らかだ。予想外にクセになる音楽のハイブリッドで効果的に観客を混乱させ、魅了して、決まり事を破壊する十代の女の子たちのグループ以上に最高のものはない、そしてすべてにカワイイがついてくる。

▼元記事
BABYMETAL Destroys San Francisco (in the Best Way Possible)


4 件のコメント:

  1. なんか最近の海外記事はいいのが多いな。
    あれだけの規制のなかで、ワクワクする文章。
    是非日本のライターも見習ってほしい。
    あ、翻訳がいいのかもw

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  2. >熱狂的な観客は、リード・ボーカリストのスゥメタルの命令に熱心に従っていた。ジャンプしろ? OK。もっと大きなサークルでモッシュしろ? もちろんです、スゥメタル閣下。

    やはりそう感じさせるカリスマ性が、スーさんにはあるんだなぁ

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  3. >>そしてすべてにカワイイがついてくる。

    これを最後に持って来るあたり
    これを受け入れられるか否かが
    ベビメタを楽しめるか否かの最大の分岐点なんだろうな
    三人はもとより小神の仮の姿や、
    ガチでコスプレした大神、
    仮の姿の青神は向こうには少年に見えるんじゃないかな、
    最近じゃKOBAですらキャラ扱いだし

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    1. そう考えると神バンドって、
      日本のビジュアル系の象徴でもありそうだな。

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