2016年12月30日金曜日

[Babymetal Newswire] 東京ドーム、Red Nightレビュー(メキシコのファン編)(過去記事)

オーストラリア、日本&メキシコのファンによるBABYMETAL、東京ドームの"Red Night & Black Night"レビュー

さて、東京ドームの雨の中での入場にも慣れたところで、俺たちは到着までに時間を掛け、自分たちの席に落ち着いて、だがBLACK NIGHTが始まるほんの数分前に到着した。今回、俺たちのグループは、シートの配置の関係で2つのグループに分かれたが、おかげでずっとステージに近い席(実際にはモッシュ・シートの4列目)を得られたことで報われた。これは何が起こるのかを目撃するには完璧な場所だ。




"Babymetal DEATH"が始まると、観客は全開となり、女の子たちがLegend 1997の悪名高いエンディングを思わせる十字架にかけられてフロアから出てくると、スタジアムはその叫び声で揺れた。より「メタルな」赤と黒の衣装に戻り、女の子たちは、前日よりもずっとアクティブで、エキサイティングなショーへと進み、"あわだまフィーバー"から"ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト"というコンボに進んだが、"ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト"はメキシコのショーで省かれ、俺が見たショーでは二度と演奏しなかった曲なので、まるで期限を大きく過ぎた借金が帰ってきたような気分で、完全に我を忘れてしまったことを認めなければならない。面白い瞬間は、"META メタ太郎"が始まったあとに起こった。観客のチャントのリズムを定めたのは俺たちのような海外からのファンで、このほんの瞬間に日本のファンが加わり、これを何度も聞き、これに合わせて俺たち自身のシンガロングへと展開していった。

次に来たのは「見せびらかし」のコンボで、爆発的な"Sis. Anger"で始まり、長らく失われていた"Mischiefs of the Metal Gods"が続いたが、今回はスゥメタルの"紅月"の深みのあるパフォーマンスへのプレリュードとなっていた。最初のショックは、BLACK BABYMETALがまたステージに上がり、予想外で、おそらくは最後となる"おねだり大作戦" をやった時で、どの小さな動きと曲のチャントをいまだに覚えている、熱狂した観客が元気に加わった。それでも不十分であるかのように、スゥメタルが再びステージに登場し、3年ぶりに"No Rain No Rainbow"を歌うと、このショックは絶対的な驚愕になった。今回、観客はスゥの感動的な演奏に完全に取り込まれてすぐに沈黙し、多くの人々が泣いているのが見えた。

このショーの最後の部分は、バンドの最もパワフルで、観客を引っ張る曲、4曲で構成されていた。"ド・キ・ド・キ☆モーニング"(常識がなんといおうと、"NRNR"で尻すぼみになることはなかった)から"メギツネ"に進むと、観客はもっとそれと分かるBABYMETALの観客に変身し、もはやこれは大規模なイベントではなく、BABYMETALの初期の小規模で、ほとんど親しみやすいショーであるように、人々はダンスを真似し、アイドル風のスタイルで元気に歌っていた。だがこれはすぐに変化した。延長された「ヘドバン」コールのブリッジを通して、"ヘドバンギャー"では、スタジアム全体のファンが、大規模なカルト風に、果てしなく頭を下げ、ヘッドバンギングをしたのだ。この出来事に動かされ、観客はウォール・オブ・デスの代わりにスクリームに加わった。大フィナーレの"イジメ、ダメ、ゼッタイ"が始まったのだ。ジャンプ一つミスらず、叫び一つ抑えることなく、曲の終わりに向かって、「We are BABYMETAL」のコールが繰り返され続ける中、観客は熱狂の渦へと爆発した。自分たちの目の前の素晴らしいレスポンスに完全に圧倒されて、女の子たちは花道から花道へと、ステージ中を動き回り、できるだけ観客に近づこうとしていた。ユイの表情は、ほとんど泣きそうであり、スゥメタルは大きな笑顔と、いま自分の目に映るものすべてに対して自分が女王であるかのように、知っているわよといった感じのすました表情で観客を見続けた。バンドが花道に出てきて、その間に女の子たちが、エレベーターに乗ってステージの上に上がり、巨大なゴングを鳴らしてショーを終えた、あるいは(意見はそこまで割れないと思うが)、史上最高のBABYMETALのショーの最後だ。

ショーのあとに大きな発表はなく、素早く、効率的に観客はほとんど数学的な順番で、部分ごとに、数分の間に、スタジアムから離れた。だが、この秩序は、ショーのあとの街全体の雰囲気でひっくり返された。俺たちがどこへ行こうと、どの電車に乗ろうと、どのバーに行こうと、どのストリートを歩こうと、いつも熱心なBABYMETALのファンが、知らない仲間が通り過ぎるたびに、キツネを掲げたのだ。縮めれば、この夜の街は、この世のものではないようなもの、BABYMETALが約束してくれた世界、その音楽によって結びついた世界、誰が、どこでも俺たちは疑いもなくTHE ONEであると理解して、君に加わる場所となった。

ショーに続いて、俺は「次に彼女たちはなにができるんだろう? 東京ドームのあとに何が続ける? ここから行ける場所がない!といったかたちでファンの間に不安があることに気付いた。たぶん、ようやくBABYMETALは本当に未知の領域に踏み込んでいるのだろう。このような現象は前にはなかったし、また起こるには少し時間がかかるだろう。あの晩のあと、俺に分かっているのは、もはやBABYMETALが道を切り開き、俺たちが付いていくということではないということだ。俺たち、俺たちと彼らが、(コバメタルやプレスやファンが信じようが信じまいが)共生しながら道を創り上げるのだ。あの夜から、THE ONEは俺たち全員にまったく新しい意味を持つようになったのかも知れない。そして俺たちを何が待っているのか、俺は待ちきれないのだ。

▼元記事
Fans from Australia, Japan & Mexico review BABYMETAL "Red Night & Black Night" at Tokyo Dome


2 件のコメント:

  1. >まるで期限を大きく過ぎた借金が帰ってきたような気分で、
    面白い表現!!
    メモしといて、いつか使おうっとw
    いつもありがとうございます!

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  2. > もはやBABYMETALが道を切り開き、
    > 俺たちが付いていくということではないということだ。
    > 俺たち、俺たちと彼らが、共生しながら道を創り上げるのだ。
    > あの夜から、THE ONEは
    > 俺たち全員にまったく新しい意味を持つようになったのかも知れない。

    なんかカッコイイ(笑)。

    ということで素晴らしい訳をどうもありがとうございました。
    来年もよろしくお願いします。

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