2017年7月1日土曜日

[ももち] ももち引退でいろいろ考えた(独自記事)

[ももち] ももち引退でいろいろ考えた(独自記事)

(2017年7月1日)




昨日は、仕事でフィル・マンザネラ(元ROXY MUSIC、801)のライヴを見に行ったのだが、奇しくも、ももちの引退ライヴ、「嗣永桃子引退ライブ ♡ありがとう おとももち♡」と重なってしまった。帰宅したのは10時過ぎで、それからtwitterのタイムラインを見ていたら、YouTubeでこれを見た。

ももち 最後の姿


これで何か決壊してしまった。今朝も仕事があったので、早寝しようと12時過ぎに寝たのだが、ずっとももちの夢を見ていて、何度も目を覚まし、結局、4時頃には起きてしまい、そのあとは仕事の準備をしながら、ずっとももちのビデオやタイムラインを眺めていた。(本人はいやがっているが)嗣永プロという名に恥じず、15年間を全力で駆け抜けたももち。自分はもともとののたん(辻希美)からモー娘。にはまったものの、結婚後はアイドルに対する関心は薄れていたのだが、めちゃイケの「AKB以外だらけの大運動会」の映像を見て、一気にももちにはまった。さらに今度はBABYMETALにもはまり、そちらの映像を見たり、曲を聞いたり、ついにはここで翻訳をするようになって、ももちばかり追いかけることもできなくなったけれど、たまにYouTubeやDaily Motionでその活躍ぶりは楽しんでいた。昨年、ももちの引退が発表されたあとも、何となく日常運転みたいな感じだったので、正直自分がここまでももちが好きなんだという自覚は昨晩までなかった。

振り返れば、ももちをリアルで見たのは、池袋のサンシャインでBerryz工房がイベントをやったときに、たまたま通りがかって見た一度だけで、その時はもうももちのことは知っていたし、僕のような三階にいたファンや見物人に対しても一人手を振っていたことと、その時のこぼれるような笑顔はいまでも覚えている。

上のビデオで階段を上がったももちは、一瞬向こうを向いたまま息を吐く。それからこちらを向いて、自分の目にファンのみんなを焼き付けるように目を潤ませながら左右を見て、それから手を挙げて、舞台から下がっていく。その顔が隠れる寸前のももちの表情は、まるで世界選手権で優勝したときの伊藤みどりや浅田真央を見たときの表情と同じだった。すべてを完璧にやり遂げた者だけに許される至高の美。「一番かわいかった」と書いている人が多かったけれど、僕は「ありえないほど美しかった」と思うし、その表情を見るたびに、目尻に熱いものがこみ上げてくる。最後に、腕だけが見え、ファンの愛を受け止めるために立ってきたという小指が折りたたまれ、こぶしが握られ、そして姿がすべて見えなくなる。アイドルももちの終わり、そして嗣永桃子の新しい人生への旅立ちが手の表情だけで語られたのだと思う。これほど完璧なアイドルの引退、いやこれほど完璧なアイドル人生というのは、もしかしたらキャンディーズ以来かも知れないし、あるいはそもそも、これほど完璧なもの自体なかったのかも知れない。

誰かが書いていたが、「常に黒髪、カラーコンタクトなし、太ったりやせたりなし、礼儀正しく、人の悪口を決して言わず、スキャンダルなし、愚痴をこぼさず、常にファンを大切にした」のがももちだという。考えてみると、ベビーメタルにも同じことがいえると思う。(太ったりやせたりは今は成長期だから仕方ない。)ももちが去り、いま最も完璧なアイドルこそがBABYMETALなのだろう。ちなみにももちもきちんとお辞儀をするときには90度で、BABYMETAL同様に本当に美しい。

閑話休題。今日、仕事を終えてから散歩しながら、ずっと自分は何でこんなにももちロスになったんだろうと考えてみた。ロスと言うよりも、この感情は、遠い昔、学生時代に失恋した時に似ている。そして気付いたのは、自分がいつも才能がある人が大好きだったということだ。そういえば、学生時代は才能を愛でているうちに、それが恋に変わったことが多かったのだった。(といってもすべて惨敗に終わった。あくまで、その時の感情がほぼ同等ということだ。)自分はたぶん、ももちの才能(やり遂げられること自体が天才だと思う)をこの目では、もう見ることができないことが悲しいのだろう。それはスポーツ選手の引退に似ているが、ももちはもう解説者とかシニア大会としても見ることもできない。Berryz工房でもBuono!でも見ることはできない。もう、ももちが成長していく姿を見ることができない。それがとてもしんどいのだと思う。

またこうも思う。自分はこれまでの人生でももちが15年でやり遂げたことすらやり遂げてはいない。そのことが何とも情けないし、また自分の不才が悲しくもある。「人に見える苦労は苦労ではない」と誰かがいっていたが、イチローにせよ、浅田真央にせよ、ももちにせよ、BABYMETALにせよ、才能だけでなく、ものすごい努力を見えないところで重ねていて、それがステージやリンクといった場所で花開く。それに比べると、本当に自分はなにもしていないし、してこなかったと思うのだ。だから残された歳月で、もう少しだけ何かやってみようかと思う。

いつか、どこかでももちと話してみたいものだなあ。

ありがとう ももち。僕もがんばるよ。




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