2018年5月20日日曜日

[Honey's Anime] BABYMETALコンサート・レビュー:闇と光が一つとなる場所

[Honey's Anime] BABYMETALコンサート・レビュー:闇と光が一つとなる場所

メイ(2018年5月18日)






「闇と光が一つとなる場所」

イベント:BABYMETALワールドツアー2018
日付:2018年5月15日(火)
場所:アトランタ、ザ・タバーナクル

はじめに:Metal Resistance Ep VII

火曜日の午後4時だというのに、既にBABYMETALを期待して、センテニアル・オリンピック・パーク地区には既に長い行列ができていた。年長のメタルヘッドからコスプレした少年少女まで、多彩な観客は、このツアーで紹介された新しい伝説についての会話に夢中になっていた。衣装に関して、バンドが通常選んでいる色である黒や赤を着ている者が多かった。アメリカ・ツアーにはユイメタルが参加できないと発表されており、中にはそれが約束されていた「The Chosen Seven」の登場の関係があるのかと考えていた。インスタグラム上の謎めいた画像や、ダークサイドからの7人のメタルの存在についてのビデオによって、フォックス・ゴッドが何を企んでいるのか分かる者はいなかった。

手荷物検査と接触検査によってセキュリティは厳しかったが、ドアが開くと、行列は素早く進んだ。マーチャンダイズの行列はすぐに長くなったが、タバーナクルにはバーが8カ所くらいあるので、ドリンクはそんなに待たなくても良かった。一番低い階で、バーにはさまれて、いろいろなシャツ、キーチェイン、帽子などからなるマーチャンダイズ売り場があった。喫煙所も、厚い垂れ幕で区切られてすぐ外にあった。一つ上の階に進むと、メイン・フロアがある。その上はソファのあるVIPメンバーのための階で、さらにその上には、通常の劇場スタイルの椅子があるバルコニー席があり、各階にバーがある。

会場の収容人数は2,600人だが、コンサートはソールドアウトとなっており、すし詰めで多くはショーが始まる前でさえバルコニーに移されていた。メタル・ファンは言うことを聞かないことで知られているが、ショーの全世代という性格を重んじて、観客は概して礼儀正しかった。中には飲んでいる者もいたが、騒いではいなかったし、多くのより背の高いファンが、背の低いファンにステージ近くの場所を譲っていた。メンバーの1/3を欠き、オンラインで囁かれていた新しい預言もあって、どのようなショーをBABYMETALが行うのかを見るべく、誰もが興奮していた。

僕はここにロックしにきたんだけど、小さな女の子たちはどこに行ったの?

もうそんなに小さくないわよ! スゥメタルとモアメタルは二人とも才能あるシンガー兼ダンサーで、音楽はとてもパワフルなの!

公演:メタルの魂を見よ!

9時10分頃に、「Metal Resistance Ep VII」サーガを紹介するために使われてきたものに似たヴィデオが上映され始めた。入り口のイメージ、堂々とした魂、そしてこの世のものとは思えないかたちで混ざり合っていく闇と光が、観客をとりこにした。ヴィデオを通じた低い声の語りは、お互いがなくして光と影は存在できず、The Chosen Sevenと呼ばれる七つのメタルの魂は、フォックス・ゴッドによってダークサイドから降臨するように命じられたと説明した。その声は、このような魂は必ずしも同じ次元に存在するとは限らないし、いつ、どこで、あるいはどのように彼らが姿を現すのか観客が知ることはできないと告げた。たぶん、答えよりもより多くの疑問を残して、ヴィデオは終わり、音楽が始まった。

カーテンが落ちると、観客拍手喝采で爆発した。フォックス・サインが掲げられて、フォックス・ゴッドの使徒たちを迎えた。黒衣と堂々とした尖った帽子、それに黒のマスクをした、四人のメイジのような姿をした女の子たちが、印象的な杖を振っていた。"IN THE NAME OF"が終わると、照明が落ちた。それほど動いているわけではないのに、彼女たちの動きはとてもパワフルで魅力的だったので、誰もがショーの残りに熱い期待を抱いた。照明が戻ると、これまでとは少し違った衣装を着て、モアメタルが二人のバックアップ・ダンサーと共に後ろ側に、スゥメタルが前面に立った。観客は、2018年ツアーを祝うためにリリースされた新曲、"Distortion"を聞いて熱狂した。誰もが「ウォウ、ウォウ、ウォウ、ウォウ」に合わせてシンガロングし、多くが腕を掲げるかヘッドバンギングしていた。

彼女たちはセット・リストを続けていったが、エネルギーを失うことはなかった。どの曲も印象的で、ペースの速い振り付けがあり、スゥメタルとモアメタルの持久力に圧倒される。白塗りの神バンドはいつも通りパワフルな演奏だった。コードで撃たれ、音楽と共に鼓動が高まるように感じられた。スゥメタルの甘いが支配力のある声と対照的なデス声は、誰もが予想していた不協和だ。

観客が加わって歌ったり、一緒に叫んだりできるやさしいパートが多いので、"メギツネ"は特に歓迎された。血も凍るようなスクリームとヘビーなベースを伴った、そのミステリアスでメロディックなヴォーカルによって、"メギツネ"は観客を台熱狂させ、ずっと生まれそうだったモッシュピットが遂に開いた。(日本のキツネの霊を参照し、最も不気味で、魅力的なかたちで日本の民謡、さくらのメロディーを再構成しているため)より多くの日本的なサウンドと歌詞のインスピレーションを持つこの曲は、観客を確かに共鳴させた。ここでもフォックス・サインが激しく中に掲げられた。

終幕に向かって、BABYMETALはあれほどの精力的なダンスとノンストップの歌唱の後で、もちろん必要となる短い休みを取ったが、それは観客が力を入れ直す上でも良い瞬間だった。感情的にも肉体的にも疲れた私たちは、BABYMETALが戻ってくるのを辛抱強く待っていた。彼女たちは"Road of Resistance"と共にステージに戻り、スゥメタル、モアメタル、そしてバックアップ・ダンサーが、日食の太陽という"Distortion"の白黒の背景と共に、旗のルーティンを行った。それから曲のヘビーなパートに進み、観客はエネルギーの第二波として、ジャンプしたり、お互いにぶつかり合ったりした。BABYMETALはこの晩を、"The One"のパワフルな演奏で終え、誰もがまた一つになった。英語の歌詞がみんなに届き、基本的に英語を話す観客に対して、より強い一体感を生み出した。最初は静かな始まりで、観客に対して催眠術にかけるような効果があったが、ヘビーなギターが入ってくると、観客は多くの完成やスクリームでこれに応えた。照明が付き、ショーが終わると、1時間ほどという比較的短いコンサートの長さにもかかわらず、誰もが疲れていたが、楽しんでいた。

ワオ! 音楽はヴォーカルが可愛いからといって変わることはないんだ。

歌詞は平均的な攻撃的メタルとは違うかもしれないけど、彼女たちは本当にメタル・バンドよ! そしてスクリームの仕方が分かってる!

おわりに:対立物の世界がユニークなバランスを創り出す

ゆっくりとした、揃った杖や旗の動きであれ、高速のジャンプや腕の動きであれ、BABYMETALは観客をその意のままにした。彼女たちは観客に語りかけなかった。その代わりに、その言葉を聞きたいと必死になっている普通の人々に対して、その知恵を分け与える女性の高僧のように見えた。まだ若いが、彼女たちは観客の注目を動かし、素晴らしい公演を行った。彼女たちのパワーと強力さは誰も否定できないし、観客は多様だったが、誰もが良い気分で家路についた。

照明とビジュアルを通じて、神バンドの屍体のようなメーキャップ、女の子たちのコスチューム、そして絡まり合う闇と光まで、別の存在の次元からきた何かを見せられているように感じられた。よりパワフルな感覚のための濃い赤、強烈さのための白のストロボ・ライトに照らされ、フロアに広がるスモークによって、BABYMETALの音楽の周りにスピリチュアルな雰囲気が加えられていた。

特別な瞬間の一つは、昔からのとても良く知られた曲、"ギミチョコ!!"を演奏した時だった。昔からのファンも、新しいファンも、耳に響くヘビー・メタル・ミュージックと共に、かわいくてシンプルな歌詞は慣れ親しんでいて、ワクワクしていた。スゥメタルとモアメタルはコンサートの間、あまりお互いに近寄っていなかったが、二人の振り付けはお互いに反応していて、とてもかわいらしかった。子供らしい姿から、ものすごく堂々とした存在にまでなれるのかには驚かされるが、BABYMETALがライブで見るべき、楽しくて信じられないバンドとなっているのは、この二つの顔によるのだ。

モッシュでとても疲れたけれど、それだけの価値はあった!

私が抑えていた感情が、今夜みんなと一緒に解放されたように感じる!

セットリスト

1. In the Name Of
2. Distortion
3. Elevator Girl
4. Tattoo
5. GJ!
6. 紅月
7. メギツネ
8. ギミチョコ!!
9. KARATE
10. Road of Resistance
11. THE ONE

▼元記事
BABYMETAL Concert Review: Where Dark and Light are One







5 件のコメント:

  1. 吉田メトゥー2018年5月20日 16:53

    新制ベビメタに対して否定的な外人さんのレビューも翻訳してほしい
    僕は結ちゃんの代わりのメンバーを入れて今まで通りの形式のベビメタのほうがいいわ

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  2. オーシャン2018年5月20日 17:23

    あるなら是非読みたいから探してみれば?

    否定的なヒトはそもそもライブに行く必要がない。君のように粘着質にまとわりつくには、「好き」以上の執着がないと。つまりそれほどまでに無視できない存在なんだね。

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  3. 長文翻訳ありがとうございます。
    読みたかったので助かりました。

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  4. 二人のルックスについて
    きちんと言及してますね。
    見てて幸せになるもんな。
    ゆいちゃん…

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