2019年7月10日水曜日

[NOIZZE] ライヴ・レビュー:BABYMETAL、ロンドン02アカデミー・ブリクストン、2019年7月2日

[NOIZZE] ライヴ・レビュー:BABYMETAL、ロンドン02アカデミー・ブリクストン、2019年7月2日

ギャヴィン・K(2019年7月10日)






BABYMETALは、"ギミチョコ!!"で見事にインターネットで旋風を巻き起こした、アイドル音楽とヘビーメタルの組み合わせによって、メタル・シーンで爆発的な成長を遂げた。そのファースト・アルバムはものすごく、彼女たちはすぐにおなじみの名前になった。これはフォローするのが大変なバンドだったが、セカンド・アルバムの「Metal Resistance」は、見事な出来映えだった。元々はスゥメタル、モアメタル、ユイメタルという少女たちがフロントを務めていたこのバンドは、ユイメタルを失ったことで苦しんでいた。この決定は決して軽く行われたものではないが、彼女の健康上の問題とされている。高い水準で活動することで知られていただけに、このことでバンドの未来が疑問視されることになった。さらに、自分たちのラインナップを補充するか変更する必要があった。近年のツアーでは、バンドのフロントを務めるシンガー兼ダンサーは4人だったり、3人だったり、2人だけだったりした。公式には、スゥメタルとモアメタルで、コバメタルがバックステージで音楽を制作し、神バンドがライヴで音楽のフロントを務めていた。今回、新しいマテリアルが登場し、彼女たちの新譜が今年リリースされる。2019年10月11日だ。

大きな会場だが、BABYMETALが到達したほどには大きくはないロンドンの02アカデミー・ブリクストンは、期待感と不安の電気のような感じになっていた。彼女たちがどのように活動を続け、その高い標準を満たすのかということが、疑問として雰囲気の中に漂っていた。過去のショーで、BABYMETALはどのツアーでも物語の一部を語ってきた。今回、彼女たちはステージにどちらかというと急に登場した。パワフルな音楽を鳴らし、おなじみの足取りでステージの定位置に立つ。誰もが動かなくなり、周りを見回し、同じように驚いていた。彼女たちはいきなり始めるように思えた。演劇技法も、マルチメディアも、ダンスもなく?それは彼女たちの演奏の特徴となった特質だ。

三人のシンガー兼ダンサーは自然にはまっている。彼女たちは、自分たちがずっと一緒にやってきたように、流れるようにお互いと絡み合っていた。たぶん親しい友人の間に生まれるわくわく感はなかったかも知れないが、これはむしろ好発進となっていたかも知れない。始まりは音楽とダンスだけだったが、"メギツネ"は彼女たちの素晴らしデビュー・アルバムに収録されたおなじみのナンバーで、さらに「フォックス・ゴッド」というマスコットを押し出している個人的なトラックでもある。すぐに、壮大さが感じられた…抑制されてはいたが。パワフル過ぎ、テクニカルには不足だった。その途方もなさと驚くべきディスプレイ、ダンス、ビデオなどで知られるバンドにとって、いつもより比較的小さなステージによって、抑えられすぎているように感じた。にもかかわらず、彼女たちの声は、マイクの限界を越えているように思えた。

彼女たちは、"Elevator Girl"や"PA PA YA!!"のような新曲を押出、未知の領域へと頑張った。だがこのような新曲に慣れ親しんでいないことで、朝誰かをベッドから無理矢理起こそうとしているような、観客との苦闘が生じたように思えた。心は打ったが、努力が必要だった。"ギミチョコ!!"や"Karate Girl"(原文ママ)、"The One"といった「Metal Resistance」の強力なナンバーが演奏されると、観客には活気が生まれ、活力を得るには遅すぎると感じていた。だが、このようなヒット曲を一貫して次々と演奏することは、彼女たちの感情的な生の強さと観客との個人的な結び付きがついに勝利したことを意味する。ただ新しいマテリアルを通して待った後で少し遅すぎたように思えただけだ。

だからパワフルになると共に、終わりを迎えた。ビデオが10月の新譜、「Metal Galaxy」のリリースを予告した。これで終わり? これは実際のアルバム・ツアーというより新譜のプレビュー・ショーだったのか? すべてがあまりに早く進んだ。彼女たちは観客を楽しませ興奮させたが、素早い最後の一撃の前にそうなるのが遅すぎた。BABYMETALは以前と同じような多くの力、そもそも彼女たちをこれほどビッグなバンドにした力をいまだに持っているように思える。彼女たちのスターのような能力が、より小さなステージに閉じ込められ、その印象的な音楽で会場を圧倒した。新しいマテリアルは期待に応えるところが大きいし、たぶん吸収するのに時間が必要だろう。彼女たちにとっては難しい時期であり、これはたぶん実際のツアーではなくプリビューを意図するものだったのだろう。2019年10月11日の「Metal Galaxy」に期待しよう。

スコア:6/10


▼元記事
Live Review: Babymetal | O2 Academy Brixton, London | 02/07/2019







2 件のコメント:

  1. ああ、なんか彼女たちは
    「もっともっといろんなこと出来るし、やりたい」
    と訴えかけてるように感じるが、
    裏方がその成長に追い付いてないし、足枷になってるということか

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  2. 要するにこの人は「知ってる曲」じゃないと盛り上がれないし乗れない人なんだろう。
    だから、知らない新曲多用されると、どうノっていいかわかんなくて戸惑って取り残される感じがする。だから「アルバムのプレビューショーだ」って書いたんだよ。
    で、盛り上がってきた!って感じたら1時間程度でライブ終わっちゃうから、「え?これで終わり?」的な肩透かし感食ったんだと思われる。
    外人さんって、20年くらいやってるバンドにも昔の定番曲演奏することを求めるのが普通で、それやらないだけで全否定したりするから、そういうメンタルが強い人なんじゃないかな。
    しかもおまけに、一応日本でやってるアリーナステージのDVDか動画をチェックしたことあるんだろうね。アリーナライブのそういう演出がこの小さいステージにはなかったことも不満だった感じ。
    だから、自分が見たかった(期待していた)ステージとはちょっと違ってたってことでこの評価なんだと思われる。

    オレは基本的に聞いたことない曲でも乗れるタイプだからこういうステージでも問題ないけど、一緒に行く友達なんかには「よく知らない曲で乗れるよな」ってびっくりされるから、できない人には苦手なんだろう。
    ウェンブリーの時もそうだったけど、予習してない新曲メインで構成するのは確かにユーザーライクではないとは思う。でも、ベビメタって両脇の二人が乗り方を視覚的に先導してるからわかりやすい筈なんだけどね。
    だからフェスで初見相手でも盛り上がりやすいんだが。

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