メタルの次の大きなトレンドは何か?
ビンス・ニールスティン(2016年10月20日)
ヘア・メタル。ニュー・メタル。メタルコア。デスコア。ジェント。
すべてが、事実上の「流行の」メタル・サブジャンルとして脚光を浴びた瞬間がある。
そしておかしなことが起こった……現状維持だ。
メタルのトレンドのライフサイクルは次のように進む。地下から湧き出てきて、ビッグになり、レコード・レーベルの契約ラッシュが続き、ものすごい金を稼ぐ。すべてのトレンドがそうであるように、それぞれが時間と共に消え去る。最初に示したすべては確かにまだ力強く、新しいバンドが今でも成功を収め、昔のバンドは以前よりもビッグだ――でも次の、あるいは現在の大ブームとしての時は去った。もう革新を行ってはいない。
ああ、もちろんメタル・サブジャンルの多くは、過去数年の間にそれなりの成功を収めてきた。
ちょっとの間、ヴェスト・メタルが次にビッグになるかも知れないように思えた。オカルト崇拝で、デニムを着て、レトロなテーマで、SABBATHからインスパイアされた、ドゥーム=ストーナー・バンドが人気の盛り上がりを体験した。このシーンは急激に増殖し、全国の注目を集め、レーベルがバンドとサインしようと殺到した。それだけだ。そして数年後、小さなクラブ・サーキット以上の成功を収めたのはこうしたバンドの内の一つだけだった。GHOSTだ。PALLBEARERは認めるかも知れないが、連中はGHOSTのレベルの名声は獲得していない。
リスラッシュがあり、質の高いバンドが過剰なほど生み出されたが、群れから突出することができたバンドはほとんどなく、シーンはすぐに最初からあるべき状態に戻った。やはりレトロにインスパイアされたニッチだった。それから、2008年のものすごいペイガン=フォーク・メタルの爆発があった。ハーディ・ガーディ奏者のいる「くせのある」バンドと契約するために襲いかかったすべてのレーベルは、すぐにこれはブームよりもバブルであることに気付いた。アピールは非常に限られていたのだ。NAILSやTRAP THEM のようなエントゥームドコアは、活況を浴びた瞬間はあり、そうなり続けてはいるが、どれもSAINT VITUSの先まで進むことはなかった。
ブラック・メタル・シーンは栄えている。デス・メタル・シーンもそうだ。いずれも多くの区別が付くサブ・サブジャンルに分かれ、その中のアーティストは、以前は六弦(あるいは七弦、あるいは八弦)、ブラスト・ビート、そしてグロウル・ボーカルで可能だと考えられたものの境界を広げている。だがこうしたシーン、そしてのその中のバンドは、大衆に届くことも、現在演奏している200〜300人規模の会場を超えて成長することも、俺たちがそれを望み、あるいは期待することもなさそうだ。連中は今の場所で満足しているし、ファンとして俺たちもそうだ。あの音楽はいずれにせよ、より幅広いオーディエンスに受け入れられるにはあまりにエクストリームだ。可能性のある唯一の例外は、アトモスフェリック・デス・メタル・シーンで、FALLUJAR、RIVERS OF NIHIL、そしてBLACK CROWN INITIATEは多少の注目を集めている。だがここでも、BETWEEN THE BURIED AND MEやTHE FACELESSが(新しい影響を加えてはいるが)連中より前にやっていたことの論理的な延長線上にあるようにしか思えない。(FALLUJARは近づいているが)どのバンドも、あれほど人気があるわけではないし、バンド3つではシーンにならない。
従って、メタルの次の大きなトレンドは何だろうか? もう探求することができるサブジャンルは残っておらず、より幅広いオーディエンスにアピールすることをいまだに期待しながら歪んだギターでやれることはすべてやり尽くしてしまったというだけのことだろうか?
現在、より幅広い人気を経験している、上記のシーンとは一切関わりのないより新しいバンドをいくつか見てみよう。まず懐古、劇場性、そしてAプラスの作曲があらゆる音楽ファンの心の琴線に触れるGHOSTがいる。DEAFHHEAVENは、ブラック・メタルのスクリプトを普通の見かけの連中にもできることを証明して、これをひっくり返してみせた。ある意味、反 GHOSTであり、突然1,500人クラスの会場でヘッドライナーを務めるようになった。BABYMETALは、通常の(そして才能のある)メタル・バンドの前に、振り付けされたダンス・ルーティンを伴った三人の日本人の十代の少女たちを置くことで、同様に「メタル」であると考えられるものに反抗して見せた。PALLBEARERは、DEAFHEAVENがブラック・メタルに対して行ったことを、ドゥームに対して行い、万人むけのアプローチをこのジャンルに持ち込み、GHOST同様に、素晴らしい作曲能力と組み合わせた。TRIBULATIONは、ブラック・メタルをグラム化することでセクシーにした。俺たちはSTEEL PANTHERにさえ、ちょっとした愛情を示すことができるだろう。連中は、'80年代のヘア・メタルを諷刺し――これを打ち破り、高い評価を得るところまで持っていくという素晴らしい仕事をやった。GOJIRAにも、彼らは10年以上世界中をツアーし、20年近く活動しているにもかかわらず、最近ようやく、より幅広い成功を得るようになったことからマリガンを認めよう。
俺が述べたバンドがお互いに共通するものはなんだろうか? 1) どれもジャンルを一から作り直しているわけではない、2) #1(たとえば、GOJIRA)で例外を認めるとしても、どれもが既存のシーンの一部ではなく、まったく独立した存在である。彼らはすべて非常に才能がある――そして俺は上のすべてのファンだ――が、すべて本質的には既存の単数または複数のメタルのスタイルを取り上げ、新しい形式に再パッケージしているか、あるいは独立した唯一無二の存在になっている。
だからどうだというのだ? 真のオリジナリティーはもうクールではないのか? メタルのプロフィールが消えてしまったか、どれかが流行するにはサブジャンルの間であまりに薄く広がりすぎたのか?
俺たちは、メタルの歴史的な要素が無限数の順列へと再編され、新しいと呼ばれる、ポスト何ちゃらの時代へ入ろうとしているのか? いわばメタルのブリコラージュか? それとも、単に考えが浮かばないだけか?
次に何が来るのかのヒントが得られたと思うなら下で発言してくれ。それから「Go」を押して、200ドルをゲットして、メタル専攻の誰かに銀行で雇ってもらってくれ。
▼元記事
What’s the Next Big Trend in Metal?
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