2016年4月21日木曜日

[The Daily Dot] BABYMETALインタビュー

日本の摩訶不思議なメタル・センセーション、BABYMETALの背後にいる十代のアイドルをご紹介します

レイ・ボッタ(2016年4月21日)




瀟洒なウエスト・ハリウッドのホテルの地下にある録音スタジオに礼儀正しく座っていても、BABYMETALのフロントを担当する十代の三人組は、おそろいの黒と赤の衣装を着て、いろいろな感覚に襲われているようだった。ふわふわしたスカートに沿ったスパイクや鋲、そして蝶型のリボンの付いたコスチュームはまさに、BABYMETALの様々な矛盾を表している。

BABYMETALは、基本的には中元すず香(スゥメタル)、水野由結(ユイメタル)、そして菊地最愛(モアメタル)からなる。こうした名前は知らないかもしれないが、2014年の、人を振り向かせ、期待をくじくブレイクアウト・ヒット、"ギミチョコ!!"のYouTubeビデオはまず見たことがあるだろう。これは4,700万回以上再生されてきた。

ビデオが最初にアメリカでブレイクした時に、人々は、このバンドのメタルコア、バブルガムJポップ、そしてタイトな振り付けというショッキングな組み合わせをどう理解していいのかよく分からなかった。これは本物だろうか? 怪しい日本のセンセーションなのか、それともバイラルな悪ふざけ? 2年後、新譜と来たるべき米国ツアーと共に、BABYMETALはようやくこうした質問に答えようとしている。あるいは、少なくともよちよち歩きをしている。

「この新しいアルバム、「Metal Resistance」で、BABYMETALは大きく成長しました」と、ツアー・マネージャーの通訳の下、スゥメタルは日本語で応えた。「前は赤いスカートをはいていましたが、いまシャツは真っ黒です。これがどのようにBABYMETALが成熟しているのかを示しています」

衣装は別にして、BABYMETALは実際にはずいぶん長い道を歩んできた。バンドは、数多くある「アイドル」(日本のポップ音楽のロール・モデルである若いスター)のあらかじめパッケージングされたグループの一つで、一度に10人から12人の十代の少女たちをフィーチャーした、さくら学院の分家として、2010年に結成された。そのどこかで、たまたまCANNIBAL CORPSEのCDに忍び込み、16歳から17歳の少女たちがとにかく歌い続けているような感じだった。もともと、音声トラックに合わせてギターやドラムスをあてぶりしている人々が三人のバックを務めていたが、いまでは神バンドとして知られる実際のメタル・バンドが一緒に演奏している。

だとしたら、BABYMETALに加入する前は、女の子たちの誰もメタル音楽を良く知らなかったのは驚くべきことではない。

「とにかくメタルはこわかったんです」とユイメタルは説明する。「でもBABYMETAL、そしていろいろな種類の音楽に触れたおかげで、私たちはメタルが大好きになりました」

特に一つの経験が中心的な役割を果たした。「私たちは(2013年に)サマーソニック(毎年行われる日本の音楽フェス)でMETALLICAさんとはじめて会ったんです。そのときはじめて、メタル・バンドを直接見たんです」とモアメタルは言う。「おかげで、どれだけメタルがパワフルで、どれだけ人々を動かせるのかを理解しました。METALLICAさんは、大きくて、ものすごい影響とインスピレーションを与えてくれます。いつかBABYMETALもMETALLICAさんのようになりたいんです」

この時点で、バンドは単なる一発屋ではないことは明らかだ。2015年の"メギツネ"も2,500万ビューを達成した。

「最初のビデオがYouTubeにアップロードされたときに、日本の外の人々が関心を持ってくれていることに気付きました」とユイメタルは言う。「そこでBABYMETALが広く知られつつあることが分かったんです。人々が音楽や踊りの動きをまねようとしていましたから。YouTubeは、誰もが集まって、おたがいにやりとりしたり、BABYMETALに対する愛情を分かち合う場所です」

BABYMETALは先日、ザ・レイト・ショー・ウィズ・ステーヴン・コルベアではじめてアメリカのテレビに出演し(この経験について、「すごく神経質になりました」とモアメタルは語っている)、5月4日から始まる、初めてのヘッドライナー米国ツアーでフォローアップする。バンドは、特に2014年のレディー・ガガのArtRaveツアーの一部として、以前も米国に登場してはいるが、ニューヨークとロサンジェルス以外の都市を訪れるのは今回がはじめてとなる。BABYMETALは、百聞は一見にしかずのスペクタクルなので、このことは重要だ。

YouTubeが、一過性だとすれば、BABYMETALのショーは、光とサウンドの大騒ぎである。最近のウェンブリー・アリーナの公演では、三人はきらきらしたローブを着て、巨大な輝く三角形に乗り、観客やステージの上に浮かび、後には炎が天井まで上がる中で踊った。アメリカの会場はアリーナよりも小規模で、バンドはアメリカ・ツアーの具体的な内容は明かしていない。(「フォックス・ゴッドのみぞ知る、です」とユイメタルは、霊感を得るために三人が呼びかけるキツネの神を参照しながら言った。)

「BABYMETALには音だけでは分からない多くのものがあります」とスゥメタルは説明する。「ビジュアルはサウンドを補い、コスチュームがサウンドを補います。サウンドは既にあらゆるものをミックスしていて、圧倒的かもしれませんが、コンサートに来れば、全体のパッケージを見ることができます。BABYMETALが何なのか、BABYMETALが何を目指しているのかを見つけることができる唯一の場所、ショーにきていただかなければなりません」

ツアーは、「Metal Resistance」からの新曲をフィーチャーし、その多くはライブではじめて演奏される。その中には、バンド初の英語による歌、"The One"が含まれる。

「この曲の制作は簡単ではありませんでした」と、スゥメタルは良く知らない言語で自分の境界を広げることになった録音プロセスについて話している。「でもあの曲を歌うことができ、お客さんが理解してくれることで、誰もがメッセージを理解してくれるように思います。"The One"は、BABYMETALの音楽を通じて、みんなが一つになることです。皆さんが本当に分かってくれたように思えました」

BABYMETALは、アメリカのファンが、ツアーでこの曲、そしてBABYMETAL体験のすべてを受け入れてくれることを望んでいる。「アメリカでは人々が何かを大好きになると、本当に大好きになってくれて、そのことを見せてくれます」とスゥメタルは言う。「アメリカのファンは、愉しみ方を良く知っています」

「楽しみ」は、ヘビー・メタルを表現するとき、普通は最初に頭に浮かぶ言葉ではないが、BABYMETALはラベルや伝統を明らかに気にしていない。実際、バンドはジャンルを超えることを目指している。

「私たちはいつもオンリーワンになることを目指しています」と、モアメタルは言う。「そしてできればいつか、BABYMETALという新しいジャンルを作れるようになりたいのです」

さあ、これがメタルだ。

▼元記事
http://www.dailydot.com/entertainment/babymetal-tour-interview/


3 件のコメント:

  1. ウェンブリーと横アリを混同してたりシカゴやフェスを無視してたり、なんか色々と間違ってるけれども、アメリカの一般の認識なんてこんなもの。寧ろちゃんとインタビューしてて好意的な記事でした。あと1か月したら全然変わってくるだろうなあ。それを見るのが楽しみだ

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  2. >レイトショーではじめてアメリカのテレビに出演し
    >「すごく神経質になりました」とモアメタルは語っている

    マジか、SUにいつものにらめっこ仕掛けて満面スマイルだったのに。
    あれは自分の精神安定のためでもあるのかな。

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    1. MOAの緊張したは、インタビューでの決まり文句。ステージに出るとスイッチが入って緊張しないと言ってた。ソニスのような舞台でも冷静にトラブル対応出来るほどの心臓の持ち主。ソニスでもメギツネで変顔してたし。レイトショーぐらいでびびるわけない。

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