2016年4月5日火曜日

[Caliber TV] 「Metal Resistance」レビュー

アルバム:BABYMETAL—「Metal Resistance」

マイクル・バード(2016年4月4日)




逃れようがない。BABYMETALは馬鹿げている。激しいメタルの上で、ポップなフックを歌う日本人の十代の少女3人のギミックに基づく作り物のバンドであり、このアプローチのどれだけ多くの要素が、ありふれた生粋のメタルヘッドにとってのひどい嫌われ者となったのかということもあって、ヘビー・メタル・シーンにおけるその大成功は当惑を呼び起こしてきた。BABYMETALの西欧における成功は、まず"Gimme Chocolate!!"(それがBABYMETALだという狂気を体験するには良い出発点だ)のビデオがバイラルになったところから始まったが、つぎはぎのようなデビュー・アルバムにもかかわらず、バンドは本当に足場を築いた。たぶん、これはBABYMETALがおそろしいほど違っていたので、自分自身を無敵にできたからだろう。結局、ファースト・アルバムと比較できるものは存在しなかったのだ。これまでは。

「Metal Resistance」は遡って考えると、いかに前作のキャンディ・クラッシュJポップと子供用ブラ・メタルがどれだけひどく一緒に投げ込まれていたのかを示しており、ほとんどあらゆる意味で前作を上回っている。一つには、BABYMETALが、疾風の如く、その名前の後半を、すべて大文字で受けるに値するものになったことだ。その演奏の多くはパワーメタルのゴルゴンゾーラな領域から採られているが、実に冷静に制作され、熱意を込めて示されるので、IRON MAIDEN、HELLOWEEN、そしてZPサート時代のDRAGONFORCEの最良の部分を輝かしいものとしていた狂気に基づく、このジャンルにとって栄光の未来に向けた超モダンな後押しという結果になった。“Road to Resistance”は、DRAGONFORCEのギタリストをフィーチャーしており、より光輝にターボチャージされ、弾き倒されているので、"Heroes of Our Time"以降にDRAGONFORCEがやった何よりも良いものとなっている。「Metal Resistance」はBABYMETALのファーストと同じくらい馬鹿げているが、ファーストでは飽きが来るようなシチューに投げ込まれていた折衷的なさまざまなアイデアが、ここでは半田付けされているので、きちんと機能している。

"Awadama Fever"のドラムンベース・イントロが、大胆な疾走へのペースを定め、これがパークウェイ・ドライブのこちら側の最も充実したブレイクダウンの一つへと変わっていく。それ以外の場所の神話的なヘヴィネスとパンテラ張りのグルーヴが好みに合うほどの仰々しさに欠けるなら、"Meta Taro"がある。そのコーラスは、ギターリフで装甲した架空の国の国家のように響く。スゥメタルはたぶんその国の女王だろう。スゥメタルは、このアルバムでリード・ヴォーカリストとしての独自性を確立し、必要に応じて二人の同胞によって力強く支えられる。「Metal Resistance」でJポップが登場するときには、そのクリエーターの文化的な背景としてごく自然な結果であるように感じられる。全体が、間違いなく等式のヘビーな側に重心を置くようになったが、その元になったメタルの基礎がはるかにしっかりしたものとなったので、より目立つようになった特異性のおかげで、BABYMETALは成長した。

ようやくポットが吹きこぼれ始めるのは、アルバムの最後の四分の一で、グループはより情熱的な内容を試そうとする。アルバムの残りの部分のペースをそぎ取られ、アルバムはもたつく。これは三人のヴォーカリストが、誠実さよりも陽気さの方が得意だからだ。英詞を取り入れたこと、特に"The One"では、無理が感じられる。最も仰々しいプログレ・メタル・ナンバー、"Tales of the Destinies"は5秒の音楽ホールのピアノ演奏だ。"From Dusk Till Dawn"は、BABYMETALが包括的なパワー・バラードをやれることを証明しており、類似の曲ではできないことができているのは、中核となるメロディーに力を入れており、それ自体を楽しいSFエレクトロニクスに包み込んでいるからだ。バンドは若々しいエネルギーを無謀な音楽的な自由奔放さと組み合わせた時に光り輝く。いずれかの要素を失うと、残りがばたついてしまう。

BABYMETALは、インターネット上の一時的な流行として記憶される以上の持久力を正当化してみせる手段として「Metal Resistance」のような優れたアルバムを本当に必要としていた。これは本物のメタル・バンドであるという示唆に重要性を加えるものであり、そのように受け取られるべきだ。しばしば子供らしい歌詞を乗り越え(一曲はバブルガムの不思議に対する頌詩のようだ)、君が女学生が歌うだろうと思う通りに女子学生によって歌われているという事実がハードルになる者もいるとしても、このアルバムは輝かしくばかげていて、素晴らしくメタルの過去と外部からの影響を改ざんする能力に敬意を表するものであり、完全にユニークだ。今回は、良い形で。

評価:8.2(素晴らしい)

▼元記事
http://calibertv.net/reviews/album-babymetal-metal-resistance/


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