2016年5月12日木曜日

[Noisey] キム・ケリー、BABYMETALインタビュー(その1)

[長い記事なので3度に分けて訳し終わった順番にアップします]

私がいかに心配をやめてBABYMETALを愛することを学んだか

キム・ケリー(2016年5月11日)




BABYMETALの世界に足を踏み入れると、どれだけすべてが超現実的かを理解する。スゥメタル、モアメタル、そしてユイメタルは私の反対側に座って、メタリック・シルバーと黒のステージ衣装は輝き、そのキラキラした、好奇心に満ちた目はコール(アイシャドー)が引かれている。小さな体は大きな赤いカウチの端に乗っかり、手はきゅっと結ばれ、ブラッドレッドのチュチュがエレガントにひだになっている。自己紹介が終わり、通訳の準備ができると、私は認められた質問のリストを尋ね始めた。表向きは通訳の仕事を楽にするためということで、事前に質問を送ることを求められていた(ただし、背景に関する2〜3の質問はカットするようにと言われた。BABYMETALはキャラクターを決して壊さないのだ)。通常は、決してそういうことはしないが、言語の壁がこれを特別なケースにしたし、私はインタビュー自体がどう進むのかに関心があったので、喜んで多少の譲歩をした。話していると、女の子たちはとてもかわいくて、熱心で、とても注意深かった。私がそれぞれの質問をするたびに、3つの小さな顔は、私の顔をじっと見ていて、自分たちの間で誰がそれに答えるのかを決めると、回答が系統立って述べられ、通訳を通じて伝えられた。

その間ずっと、6人ほどの大人たち—マネージャー、メーキャップ・アーティスト、そしてバンドのプロデューサー、たまにインタビューに答えるが、今回は話すことが認められなかったコバメタル—が後ろで、でしゃばることなく、しかしだいたいにおいて小声で話していた。でも女の子たちは、自分たちの周囲の動きにはまったく動じずに、目の前の仕事に集中していた。BABYMETALプロジェクトの一部となると—彼らの神話によれば、フォックス・ゴッドの命により—同意した日から身を置いた大きな機械の逃れることのできない日常だった。短い出会いの間、3人は幸せそうだった。目はキラキラと輝き、自分たちの間でクスクスと笑うために話を止め、通訳との信頼関係は明らかに愛情に満ち、心地よさそうなものだった。正直なところ、3人はすっかり私を魅了してしまった。私は気まずく、陳腐な出会いを予想して来たのだが、質問の中にはこれまで千回もやっただろうものがあったことが分かったにもかかわらず、それでも本気で答えているように見せた。最後には、私は彼女たちの側にしっかりと立っていた。BabymetalHiveではないにせよ、3人を守る程度には。このことは2016年にツイッターが雄弁に語っている。

日本のポップ・メタルの一大現象であるBABYMETALの背後にいる、3人の早熟な十代の女の子たちをインタビューすることは、私の10年以上のキャリアの中で、最も変わった経験の一つだった。一つには、彼女たちは通常私が取り組んでいる種類のバンド(人気こそ高まっているが、エクストリム・メタルはあれほどビッグではない)と違って、驚くほど人気がある。日本で大人気なばかりではなく、最近の北米ツアーの大多数の公演をソールドアウトし、最新アルバム、「Metal Resistance」でビルボート・チャートを虐殺して、アメリカも征服した。BABYMETALのゴスペルをあまねく広めるために自らを捧げ、女の子たちに対する熱烈な愛情と支持は、集団崇拝という意味ではBeyhiveに匹敵する数百万のファンに崇拝されている。およそ1ヶ月ほど前に、BABYMETALの女の子たちと一緒の写真をツイートした時に、あのファンダムのレベルを味わった。今日まで、BABYMETALファンのアカウントでリツイートやお気に入りを重ね続けている。ファンの中には、はじめて彼女たちの演奏を見たあとの、私のとても熱が入っていたとはいえないレビューを覚えている者もいて、そういった連中はいまだに怒っているか、バンドに対する私の見方が軟化したことを喜んでいるかのどちらかだった。

BABYMETALの熱狂的なJポップ・ミーツ・スラッシー・ニュー・メタルのハイブリッドが、どれだけ鋼鉄の門をこじ開けてきたのかという事実を考えに入れるまでは、BABYMETALのファンによる、自分たちのアイドルに対する愛情の強烈さは驚くべきもので、時には狼狽するほどだ。だからこそ、同時にBABYMETALはあれほど憎まれているのだ。彼女たちの音楽をはじめて聞いた時には耐えられなかった。ブレイクアウト・シングル、"ギミチョコ!!"は、ブラストビートやブルース・ベースのリフになれた耳には不快だったし、彼女たちを珍しがる記事が次々と出てきた時のメディアのへつらうような反応がさらに私をうんざりさせた。ただライブを見てみると、彼女たちのスキルに対して新たな敬意を得るようになった。もちろん、彼女たちのショーの派手で壮大なライブ・ショーは否定できなかった—動く目玉がある人間なら誰もできないだろう—が、本当に彼女たちの魅力を理解するには、実際にバンドに会わなければならなかった。

また自分たちを悩ませる者たちはあたかもメタルの実験とジャンル・マッシュの長い歴史をまったく知らないといった体で、その存在そのものを乱されているように思える男性支配の業界で、BABYMETAL—三人の若い、働き者の、才能のある、欧州人でない女性たち—が、スタジアムを満杯にし、山ほどのマーチャンダイズを売っているからといって、別に害はない。私は転向したといえば十分だろう。今の時点で、ここで私は腰を下ろしてBABYMETALのアルバムを聴いているわけではないが、それでも傍観者として私は彼女たちを応援している。

上に述べたように、私たちは通訳を通して話したので、以下のQ&Aは、少しばかりかみ合わないところがあるが、それでも何度か彼女たちのキャラクターを破って、本当のBABYMETALを出させることができてうれしかった。スタジアムと才気と熱のこもったすぐに分かるIRON MAIDENに対する愛情がちりばめられた大冒険をしている3人の若い女の子たちだ。はじめて出会った後で書きながら、BABYMETALにはそのままでいてほしい。そのままでいて。

▼元記事
How I Learned to Stop Worrying and Love Babymetal

▼関連記事
[Noisey] キム・ケリー、BABYMETALインタビュー(その2)
[Noisey] キム・ケリー、BABYMETALインタビュー(その3)


16 件のコメント:

  1. ありがとうございます
    これをとても楽しみにしてました!

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  2. キョウトウミライヘンMETAL2016年5月12日 7:50

    翻訳おつかれさまです。

    インタビュー映像を見たくなるような素敵な書き出しですね。

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  3. 翻訳お疲れ様です。これまでのところBMの音楽性より彼女たちのミュージシャンシップに惹かれている感じですねw 2回以降も楽しみにしています!

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  4. ほかの翻訳ブログさんで、ケリーのツイートのやり取りを見て以来、とても興味深く感じていたけど、やはりもっとこの人のバックボーンが知りたくなるような記事だ。日本のマスコミの低レベルで的外れで害悪でしかない記事に比べ、この人の記事を読めることは幸せですらある。

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  5. ケリー氏の記事は公正で的確なので読んでて気持ちいいですね。
    最初に読んだときも、べつにディスってるとは思いませんでした。批判的でしたがまっとうな音楽評論でした。
    その記事で「ユイモアのダンスは何一つ揃ってない」と書いていました。
    その時はエッっと思った。私はピッタリ揃ってると思い込んでいたからです。
    でも、よくよく見るとまったく揃ってなかったのです。
    それは揃えられないというのではなく、揃わせるつもりがないダンスだと感じました。
    二人の基本的な動きが違うのです。ターンひとつとっても、合理的な動きのユイ、派手なオーバーアクションのモア、
    これでは揃うはずがありません。おそらくMIKIKO氏は個性を尊重するダンスを意図していたのでしょう。
    それなのに揃っているなどど、見当違いの賞賛をしていたのです。
    アメリカの音楽評論のレベルの高さを思い知らされました。

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  6. 翻訳ありがとうございます。あまりの長文に自力翻訳を諦めてました。

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  7. 迅速かつ優れた翻訳をありがとうございます。

    「また自分たちを悩ませる者たちはあたかも...」の部分はちょっとわかりづらかったので、原文を読むと、下記のような感じの意味かなと思いました:
    ---
    また、若くて勤勉で、才能のある有色人種の三人が、スタジアムを満杯にし、関連グッズを大量にさばいたところで、この業界が傷つく訳ではないーーーこの男性優位の業界は彼女たちの登場に撹乱させられてるようだが、批判者達はあたかも、メタルの長い歴史の中でどれほど様々な実験やジャンルの融合が行われてきたをまるで判っていないかのようだ。
    ---

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    1. ありがとう。
      そして、ここの運営者さんもありがとう。
      英語は見るのも嫌なんだ。
      でも、この人の記事は読みたかった。以前のが面白かったから。

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  8. 素早い翻訳ありがとうございます。
    昨夜からweb翻訳に通して原文と見比べながら本文の長大さに打ちのめされていたからですw

    しかしやはりキムケリー女史によるインタビューはBABYMETALファンにとっての異文化邂逅、そこでなにが起きているかを伝えてくれている意味でのエポックでした。
    最初から最後まで涙無くして読めませんでしたね。
    男性優位ジャンルへの乾坤一擲だという視点は最初のNY公演の時ビルボードのブログで先見性のある女性記者が熱く評価していましたが、キムケリー女史を含めてそういう欧米の意識ある女性たちの支持を取り付けるという意味では、こんな力強い味方もありません。
    BABYMETALの3人は音楽以上の意味合いを欧米に持ち込んで戦っている、それが国内ツアーやアジアツアーとは異なる醍醐味になっていることを実感させる優れたインタビューでした。
    ありがとうございます。

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  9. この最後の一文が好きです。私もそう思っているから。
    「BABYMETALにはそのままでいてほしい。そのままでいて。」
    -- You do you, Babymetal. You do you.


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  10. 素晴らしい翻訳ありがとうございます。
    最後の一文「Babymetal. You do you」は、2014年にキム・ケリーが書いた批判的なライブレビューの繰り返しです。その時は文脈上「好きにしな」というニュアンスだったと思います。同じ文言を使ってベビメタへの敬意を表しているところに、ケリー氏の力量を感じます。




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  11. 「好きにしな、BABYMETAL」

    今回の評論にも、この言葉が似合いそうです。
    どこか気骨がある方ですね。

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  12. 辛口のキム・ケリー姉さんが
    まさかの我が軍側に・・・
    チョット感動してしまった

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  13. こんなに素晴らしい評論とインタビュー、それと同じく素晴らしい翻訳なのにコメント伸びませんね。いつまでチョコなんかの話題で盛り上がるつもりなんだろう。古参も新規もヘイターも、ぜひ皆に見てもらいたい。

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  14. ラギッドメタル2016年5月14日 22:23

    翻訳ありがとうございます!ようやくゆっくりと読めました。
    ケリーさんの前回の記事もその時読みましたが彼女の言い回しや表現が、俺も嫌いじゃなかったんですよね。メタルへの愛情とBABYMETALへの戸惑い、その中で彼女たちを気遣う母性みないな感情があったような。
    そんな彼女の中にこれだけの愛情ある変化をもたらす3人ってやっぱり普通じゃない気が。人と接する上で大切な「何か」を持ってる気がする(インタビューだけじゃなくステージパフォーマンスにおいても)。
    ケリーさんの「BABYMETALにはそのままでいてほしい。そのままでいて。」の言葉はファンメイトの殆どの人が想ってることを言葉にしてくれて嬉しく感じました。

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  15. この記事のタイトルって「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb」のもじりだね。BABYMETALは水爆クラスってことか。
    いろいろ含みのあるタイトルになってるね。

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