2016年5月5日木曜日

[Billboard] 昔、BABYMETALのメンバーはメタルがこわかったと認める

昔、BABYMETALのメンバーはメタルがこわかったと認める

クリスタ・タイタス(2016年5月4日)




バンド名を冠したアルバムが2014年に米国でリリースされ、"ギミチョコ!!"が現在では4,800万を超えるビュー数を記録しているYouTubeのスマッシュヒットとなったBABYMETALほど、メタル・シーンを揺るがしたバンドはほとんどいない。この日本のバンドは物議を醸したが、これは三人の十代の女の子がグループのフロントを務めているからではなく、BABYMETALの美学が染み渡った、恥じることないポップの影響と優美さによるものだ。シンガーのスゥメタル、ユイメタル、そしてモアメタルが身につけている同じ赤と黒の衣装から、注意深く組み合わされた振り付け、そしてフォックス・ゴッド(バンドを創造した聖なる存在、ウィンク、ウィンク)に召されてバンドに加わるまではメタルのファンでなかったと率直に認めていることに至るまで、BABYMETALは、音楽が商業的な影響を受けているように見えては絶対にならないという、メタルのタブー的なメンタリティーを無邪気に踏みつけにしてしまった。

(神バンドという素晴らしいライブ・バンドがバックを務めている)この三人組が成功を収めている理由は、もともとはメタルを聴いていなかった三人の女の子たちが、それでも喜んでこのジャンルを受け入れ、そのサウンドに対して何かフレッシュなものを持ち込んだことを、ヘッドバンガーたちが評価しているからだ。このバンドはまた、メタルに対して、歓迎すべきメインストリームの関心も集めている。レディー・ガガは2014年のツアーの間、いくつかのショーでBABYMETALを前座に使ったし、4月1日にアメリカでRED Associated Labelsから発売されたセカンド・アルバム、「Metal Resistance」をプロモーションするために、4月5日にザ・レイト・ショー・ウィズ・ステーヴン・コルベアで演奏を行っている。このアルバムは、53年ぶりにビルボード200のトップ40にチャートインした日本のアルバムとなった(12,000枚を売り39位に初登場)。"Karate"のビデオはヒットとなり、現在までに1,000万YouTubeビューを超えており、グループ初の英詞曲、"The One"のビデオは、Billboard.comで独占初公開された。

BABYMETALは今夜(5月4日)、ニューヨークのプレイステーション・シアターのソールドアウトしたショーでワールド・ツアーを開始し、この夏を通じて、ヘッドライナー・ショーとフェスティバルを交えて演奏する。この中には6月にパリで行われるダウンロードや9月の東京ドームでの凱旋公演が含まれる。通訳を通して、スゥメタル、ユイメタル、そしてモアメタルはREDのニューヨーク事務所で、「Metal Resistance」、自分たちが本物のメタルバンドではないという意見についてどう思うか、そしてショーの観客がどのような人たちであるかについて話した。

Q:音楽と歌詞について、このアルバムとバンド名を冠した前作との一番大きな違いは何ですか?

ユイメタル:ファースト・アルバムと比べて、セカンド・アルバムでは、これまで以上に新しい、いろんな種類の音楽のジャンルに挑戦したので、私たちはとてもワクワクしています。それから、歌詞は以前よりもポジティブなものになっています。ファンに伝えたいメッセージがたくさんあります。それから完全に英語の歌をやりました。この新譜では、音楽や内容の振り幅がとても大きいので、前よりも、もっと多くの人たちに私たちの音楽を手にとって、楽しんでもらいたいです。

Q:アルバム・タイトルの「Metal Resistance」の由来は?

スゥメタル:「Metal Resistance」は、私たちにとっては新しい言葉ではありません。もうしばらくになります。この言葉をこれまでのツアーでも何度も使ってきました。これは自分たちがBABYMETALとしてやっていることを表しています。それは自分たちに何ができるのかについての新しい、いろいろな可能性を追求することです。それから私たちはいつも、みんなを一つにしたいと思っていますので、それが自分たちのメタル・レジスタンスでもあります。だから、セカンド・メタル・アルバムのタイトルにこの言葉を選びました。私たちが今どこにいるのかを示しているからです。

Q:このアルバムのために広めるようフォックス・ゴッドから特別なお告げはありましたか?

スゥメタル:フォックス・ゴッドから直接聞いたことはありません。フォックス・ゴッドに会ったことはないんです。このアルバムで伝えたいメッセージは、みんなを一つにすることです。(4月2日に)ロンドンのウェンブリー・アリーナで演奏したところで、たくさんの人たちがいて、最後にみんなが一つになったので、やり遂げられたと思っています。みんなが一つになったので、たぶんフォックス・ゴッドはこれを続けて、私たちの音楽を世界中に広め、みんなを一つにして、まだ私たちのことを知らない人たちに届くようにしたいと望んでいるのだと感じています。

Q:"Karate"のビデオの背景にあるコンセプトは?

モアメタル:空手は日本で生まれた武道の一つなので、自分たちの音楽を通じて、日本の文化を代表していることをとても誇りに思っています。これは、海外のより多くの皆さんに空手について知ってもらう方法なんです。曲自体については、たとえば、音楽ビデオでは、いろいろな空手の動きを振り付けでやっていますし、歌詞は、どんな困難に耐えなければならなくても、決して諦めず、常に前進することについて歌っています。

Q:振り付けは歌詞が言っていることの部分を表現しているのですか? BABYMETALはとても揃った動きをしますが、これはメタルにはとても新鮮ですね。

ユイメタル:ええ、もちろん、私たちの歌詞は日本語なので、ダンスの動きと共に、音楽を通じて伝えたいメッセージを表現できることが大切です。また、言語の壁を超える方法でもあります。同時に、ダンスの動きを含めることで、アピールも大きくなるし、BABYMETALらしくなるので楽しいです。それがBABYMETALそのものだからです。

Q:ポップの要素を取り入れたことで、正当なメタルではないと考える人もいます。このような意見についてはどう思いますか?

スゥメタル:もちろん、BABYMETALがやっていることに賛成でない人がいるのは知っています。でも、私たちは自分たちがやりたいことをやれる立場にいます。それに、自分たちはこのような意見や、私たちがやっていることに賛成しない人たちがいることは良いことだと思います。メタルはメタルで、メタルはこうでなければならないと信じている純粋主義者のような人がいます。でも、そのことは自分たちにとって良いフィードバックであり、BABYMETALとして自分たちがやることに対して考慮するべき、良いインプットなのです。同時に、自分たちに対して正直であることが大切です。BABYMETALはいつも、自分たちのやることについてオンリーワンでありたいと思っています。私たちは自分たちがやっていることを楽しんでいますし、それを楽しんでくれている人たちがいるのも知っています。そして私たちがやっていることを楽しんでくれているひとがいるだけで、十分なんです。

Q:このバンドのメンバーになりたいと考えたのは?

モアメタル:BABYMETALのメンバーになりたかったというのは正確ではありません。BABYMETALはフォックス・ゴッドに選ばれたんです。(三人笑う。)

Q:確かにそうですね。

フォックス・ゴッドにこうするようにと選ばれたので、私たちは大切にするべきとても具体的な役割があり、いまの目標はメタル・レジスタンスを広めること、そしてBABYMETALとしてやっていることを広めることなので、私たちは選ばれたことを幸せに思います。

Q:ショーのお客さんの年齢は? 男子と女子どちらが多い、それとも半々?

ユイメタル:私たちのファンは、本当にいろいろな人たちがいます。本当に小さな子供から、もっと年が上の人たち、ティーン、女の子、男の子。これという決まったファンベースや世代がいるわけではなりません。メタル音楽が好きな人たちがいます。メタルヘッドのように見えます。同時に、私たちのようにドレスアップしたり、コスプレしたりしている人や、ポップスが好きな人もいます。あらゆる違ったタイプの人たちのところにずっと届いていたいです。

Q:ショーに女性が来て、ルックスとか振り付けを真似していますが、それ自体がロール・モデルというポジションになっています。ファンにとってロール・モデルであることをどう感じていますか?

モアメタル:まず、私たちがファンや、私たちのような女の子たちにとってのロール・モデルと思われていると聞いて嬉しいです。でも一つ大切なことがあって、それは私たちよりも若い子たちに届きたいということです。大切なのは、私たちがBABYMETALになる前は、メタルのことを知らなかったことです。実際、メタルがこわかったんです。でもBABYMETALのメンバーになり、BABYMETALとして経験を積むに従って、自分たちにとって新しい何かをとても好きになることを学びました。だから、これまでメタルや私たちがやっているような音楽を聴いたことがない皆さんが、私たちの音楽を聴くようになって、私たちがやっている種類の音楽に入っていくための踏み台になることを期待しています。特に私たちのような年齢の人たちや、それよりも若い子供たちが。ですから、ロール・モデルとなっていることを、とても名誉に思います。

[訳注] インタビュー部分は三人称で書かれていますが、分かりやすいように会話調にしてあります。またこれは速報版なので、ビルボード・ジャパンに正式に翻訳が出た時点でこの記事は消しますのでご理解下さい。

▼元記事
http://www.billboard.com/articles/columns/rock/7356870/babymetal-afraid-metal-resistance-interview



3 件のコメント:

  1. >私たちがやっている種類の音楽に入っていくための踏み台になることを期待しています。
    これを聞けばエリートも許せるんじゃないだろうか?無理か。

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  2. 全体として良いインタビューですね。

    特に最後辺りの質問の答えなどは号泣ものです。
    まさに守護者。素晴らしい。

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  3. 強い意志を持てる様になった3人。
    明確に答えてる。
    ライブも期待を裏切らないーそれが全ての意思表示に感じます。

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