レビュー:BABYMETAL、フィルモア、2016年5月10日
レオン・ホンツ(2016年5月13日)
フィルモア・シルバー・スプリングのぎっしりと詰まった、満席の観客は、スピーカーから聞こえる、低い、天上のようなドローンの上で、ワイルドに歓声を上げていた。「呪怨4」のセットから出てきた場違いなエキストラのようなミュージシャンたちが楽器を手にし、ドローンの上に音をかぶせ、歓声はさらにどんどん大きくなっていった。袖で待っていたのは、観客全員を吹っ飛ばそうと構えている十代の日本人の女の子3人だ。
スゥメタル、ユイメタル、モアメタル(本名ではない)がようやくステージに上がると、観客はカタルシスのような金属製の狂喜へと爆発した。どのような尊敬すべきメタル・バンドにも欠かせないエネルギーと達人ぶりを示す才能のバンドをバックに、女の子たちは観客をとらえて放さない。
ステージで跳ね回りながら、パワフルで、元気いっぱいのボーカルを披露し、BABYMETALはバンドのザクザクとしたシュレッドする演奏に、甘い熱狂を重ねていき、観客は、叫び、ジャンプし、ぶつかり、モッシュして、最後はあふれんばかりの肉体の渦から逃れざるを得なくなった。BABYMETALは人にうつる力を持っていてストラスブールがうらやむような即興の団体による振り付けをやらせたり、部屋一杯のアメリカ人が、まるで自分たちが日本語を話しているような気分にさせてしまったりする。
バンドに対してどのような賞賛はありあまるほどでも、ショーの質を本当の意味で決める唯一の基準は観客の反応だ。最高のバンドは観客を一つにし、以前はばらばらだった人たちを、会場のドアの外では抑制されていたかたちで表現する自由を与えられた、共通の感情を持つ人々へと変える。BABYMETALの場合、ギミックとか偽物といった概念は、バンドが魅力的で断固とした演奏を始めた瞬間に消えてしまう。
BABYMETALは、ものすごいショーを行い、バンドの神話の一部であるキツネさまのように、観客は気分が高揚し、うっとりし、完全に誘惑されてしまう。火曜の夜に、DMVで最もワイルドで(もっともオタクな)子たちと押し合って、私はBABYMETALの監督の下でフィルモアをつかんだものすごいエネルギーに巻き込まれざるを得なかった。それはものすごく楽しい一時だった。
▼元記事
http://dcmusicdownload.com/2016/05/13/review-babymetal-the-fillmore-5-10-16/
ショーの質を本当の意味で決める唯一の基準は観客の反応だ
返信削除ホントその通り