「Metal Resistance」レビュー
ビクトリア・アンダーソン
オタク。これはスーパーギークやナード的な日本人が完全に採用している言葉だ。コスプレ、マンガ、ミニチュア、映画、音楽などにすっかり浸ることだ。これは一過的な嗜好ではなく、ライフスタイルを意味する。BABYMETALの登場は、メタルヘッドにとってのオタクだろう。海外で、カワイイ声でまったくジャンルの違うメタル音楽に合わせて歌う、スーパーカワイイお人形さんのような服を着たティーンエイジャーというアイデアは、理解しがたいものだ。世界では多くが、音楽というものが中にきっちりとおさまる厳格な箱にこだわっている。オタク。BABYMETALはロックの食い倒れで、倒れるまでロックするんだ。
それがBABYMETALの魅力で、ジャンルをブレンドした音楽を提供して、臆面もなく素晴らしい時を過ごしている。日本では新しいものではない。でも、純粋に楽しみ、生き生きとした時間を過ごすために音楽を楽しむことになれていない人にとっては、口がぽかんとなるものだ。「Metal Resistance」(earMusic)はBABYMETALのセカンド・スタジオ・アルバムだ。「Metal Resistance」は、度肝を抜かれるほどクセになり、楽しい。その背景は、ヘビー・メタル、プログレ・メタル、スピード・メタル、そしてバイキング・メタルのリフの嵐の上に、明るい「女の子らしい」ボーカルが重ねられたブレンドだ。ヘイトしたいだけヘイトすればいい。でもこのニュー・アルバムは米国のビルボード200アルバム・チャートで39位に初登場している。BABYMETALは、米国だけで「Metal Resistance」のCDを12,240枚売った。日本のバンドは1963年以来、初登場でトップ40入りしたことはなかった。
「Metal Resistance」は強力な"Road of Resistance"で始まる。おびただしい泣きのギターと激しいドラミングの嵐だ。これは欧州かスカンジナビアのジャーマン・メタルかバイキング・メタル・バンドに期待するような曲だ。"Karate"は、メタルとJポップの間を行き来する。これは引き込まれるようなヘッドバンギングなリフと、甘いポップなバースがある。"あわだまフィーバー"は、私たちの間のTVゲーム・ジャンキー向けだ。高速で、少しだけ病んでる。その間ずっと、中元すず香、水野由結、そして菊地最愛の甘美な声が陽気に歌う。"Tales of the Destinies"にはELP的な感覚がある。ギター・ソロは'70年代そのままだし、2016年のアルバムを本当に聴いているのか再確認しなければならなかった。ハーマン・リとサム・トットマンのバカテクであごが外れそうになった。このギター・デュオは圧倒的だ。BABYMETALの「Metal Resistance」は、同時に辛口と甘口である音楽を気にしない、心の開かれた音楽愛好家向けである。
8.0点/10点
▼元記事
http://www.ghostcultmag.com/album-reviewbabymetal-metal-resistance-earmusic/
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