2016年6月30日木曜日

[Rock Freaks] BABYMETAL: Metal Resistance(レビュー)

BABYMETAL: Metal Resistance(レビュー)

PP(2016年6月19日)




BABYMETALの背後にあるコンセプトはばからしいものだ。日本人の十代の女学生三人が、DRAGONFORCEが嫉妬するようなテクニカルなパワー・メタルのリフの上で、自分の母語でハイピッチの女の子らしいトーンで歌っており、その上には相当のJポップからの影響が埋め込まれている。日本ではカワイイ・メタルと呼ばれている。実際にこんなものがうまく行くはずがないよね。これも間違いだ。2014年のデビュー・アルバム、「Babymetal」で日本を席巻したものは、セカンド・アルバム、「Metal Resistance」を通じて、欧州でもものすごい勢いで名声を得ているところだ。このアルバムは、メタルがどうあるべきか、そしてどのように響くことができるかについてのあらゆる予見に取り組み、これをひっくり返している。昔ながらのメタルヘッドは、このアルバムによって、まとめて墓場行きだ。

だから、BABYMETALを紙の上でできるだけ説明してみよう。オープニング・ソングの"Road of Resistance"は基本的に、バンドを簡潔にまとめたようなナンバーだ。'90年代のビデオ・ゲームからの何かのように響く狂ったようなテクニカル・パワー・メタルのリフ、他のパッセージでのこれと対照をなすものすごくダウンチューニングしたリフ、そして三人の女学生がその上のサウンドスケープに自分の居場所を探して戦っており、時々バッキング・バンド(神バンド)からの対照的なグロウルが登場する。これまで聴いたことのないようなものにも響くが、同時にとても楽しく、何年もの間聴いた中で一番のものとなっている。バンドは明日がないかのようにシュレッドし、女の子たちは一回で、日本文化と西欧のポップ・メロディーの架け橋を完璧に捕らえている。このような曲は、くせになるほどキャッチーだ。混沌とした"Karate"や"あわだまフィーバー"の忘れられないコーラス・メロディーを聴いてみると良い。曲がヘビーであろうとポップであろうと、BABYMETALは超キャッチーなヴォーカル・メロディーと、同じようにキャッチーな歪んだ、メタリックな演奏を一体化する曲を書くコツを示している。

これ以上おかしくはなれないと思ったところで、"META メタ太郎"が登場する。これは基本的にはBABYMETALによるAMON AMARTHのカバーだ。曲がコーラスの間、ハッピーなテーマの中国の軍隊行進曲になる、ノルウェイの吠え声ではなく、日本人のティーンエイジャーが歌うバイキング・メタルがどういう風に響くだろうと考えたことがあれば、これがそれだ。続く"シンコペーション"は、ダイナミックなリードと高速のドラミングを持つ狂ったようなテクニカル・メタルコア・チューンで、その後は再びJポップ・ボーカルが支配する。これはあまりに行きすぎなので、真面目に取ることが難しい。だが結局、BABYMETALが何なのかというところからスタートするのなら、からかい半分にアプローチしない限り、それは間違っている。

これはギミックだろうか? その通りだ? 新規さは薄れたろうか? 多分おそらくそうなるはずからはほど遠い。この理由は、BABYMETALの作曲の腕前が、THE BUNNY THE BEAR、WOLF-FACE、あるいはVAN CANTOといった基本的なギミック・バンドを上回っているからだ。曲は良く書かれており、記憶に残り、何よりも、「Metal Resistance」を通じて良く考え抜かれており、まるでALESTORMのパイレーツ・メタルやGWARのモンスター・ロックのように、BABYMETALはサウンド的にもルックス的にも長続きするように思える。このサウンドスケープの上で吹っ飛ばされてくれ。

▼元記事
Babymetal Metal Resistance



4 件のコメント:

  1. 何故日本版なんだろう

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  2. しかもシンコペーションで聞くのを止めている

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  3. デンマークのオンラインマガジンなんだが、やけに中途半端な〆で原文にearMusicと書いてるのに日本版を聴いてる謎。キツネが書いてるのか?

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  4. アルバムのメインディッシュの批評は?
    前菜でごちそうさまでしたか?

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