2016年7月1日金曜日

[Le Temps] BABYMETAL

BABYMETAL

ジョナ・ピュルベ(2016年6月9日)

[訳注:フランス語はあまり得意でないので間違いがあったらごめんなさい]




ビニールのチュチュ、空手家の腕振り、日本のグループ、BABYMETALの三人のゴシック女子学生たちは、ロンドンからニューヨークまで世界を征服した。もちろん、数百万ビューを超えるユーチューブのビデオも忘れることはできない。

うねりを上げるギターに包まれた、バブルガムのような三人の女子高校生の声。可愛い顔とバロック風の服装をした、日本のグループ、BABYMETALのゴシック・チアリーダーたちは、ヘビーなロックと典型的なJポップを組み合わせ、グローバルになり続けている。ロンドン(ウェンブリー・アリーナ)からニューヨーク(タイムズ・スクエア・シアター)まで、ヴォーグ、ローリング・ストーン、そしてユーチューブの数千万のビューを通じて、三人のロリータ・バンドは、新しい「メイド・イン・ジャパン」の現象となっている。そのセカンド・アルバム、「Metal Resistance」は4月にリリースされた。

ヒットガール(大ヒット映画、「キック・アス」の思春期前の少女)とGOGO(「キル・ビル」のサドマゾ的な女子学生)、そしてナウシカ(宮崎駿の恐れ知らずのプリンセス)の中間を行くBABYMETALは、先を考えない、恥知らずの若者の夢想に合っている。注意深く創り上げられたファンタジー、「モアメタル」菊地、「ユイメタル」水野、そして「スゥメタル」中元(平均年齢は17歳に満たない)からのすべてが、Jポップ事務所の業界標準に従って作られているように思える。ビニールのチュチュ、空手家の腕振りなど、3人のアイドルは2010年にグループが結成される前はメタルを聞いたことがなかった。

興味深いことに、このギミック感があったとしても、METALLICA、SLYAER、あるいはBRING ME THE HORIZONのようなビッグ・ネームはBABYMETALを認めている。結局の所、「リング」、「バトル・ロワイヤル」、あるいは「オーディション」以来、悪夢の中の白い夜と黒い髪の色をした少女たちが、ポップの亡霊列車の中に入ってきたのだ。

たぶん、西欧の大衆にとっての魅力は、三人の十代の女の子たちが、ゼロから創り上げた自分たちのキャラクターに溶け込ませた信じられないような純粋さにもあるのかも知れない。これは多くのスターに共通の現象だが、ここでは文化の違いによって見えるようになっている。私はファンのグループが仮装やファッション、それに一つのジェスチャーでアイデンティティーを確立する、東京のコスプレ誕生の地、原宿のことを考える。また、日本のBABYMETAL世代にとっては普通になっているユーチューブのようなニコニコ動画のことも考える。ここはボーカロイドの文化を広めた場所でもあり、これはソフトウェアで合成されたサウンドを借りて匿名のかたちで作曲された曲の数々で、その影響はこのトリオの美学における演奏の中にも見出すことができる。ピカチュウのヘルメットやマンガの衣装など、ニコニコでは物理的およびデジタルのカムフラージュがごく普通なため、顔出しをすることは「キモイ!」と考えられている。ニコニコを反映して、BABYMETALのミュージシャンたちは皆フードをかぶって演奏している。「Metal Resistance」? 仮面を掲げよ!

▼元記事
Babymetal


15 件のコメント:

  1. 顔出しするのがキモいのじゃなくて、個人情報特定されるのが嫌なだけなんだが

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  2. 翻訳ありがとうございます。
    日本のサブカル好きなフランス人が書いた文章ですね。

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  3. 管理人さん、フランス語もいけちゃうのか……
    翻訳ありがとうございます!

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  4. 管理人さんかっこいいっす。。
    読者のためベビメタのため自分のために邁進するその姿は尊敬に値します。
    いつも本当にありがとうございます。

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  5. ライブ行かないで自宅でネット観察するとこんな感じにみえるのかな。BMについて言ってるようでBMのことじゃなさそうだし。BMはライブがよくて人気でたバンドでもあるのに。

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  6. ふ〜ん。
    こういう見方をする人もいるのかw

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  7. 流石芸術の総本山おフランスの芸術評だけありシニカルかつ主観で語っており、真に芸術をこよなく愛し探求し続ける求道者の視点が非常に良く表れた記事だ。
    審美眼を研ぎ澄ませた兵にとってツベやニコ動のライブ動画や視聴回数だの、デロやチケ、グッズの販売実績だの、大御所のお墨付きやズッ友写真なんてものは参考程度の目眩ましであって芸術的評価には値しないのだ。

    ベビメタの究極的な望みは商業的な成功ではなく音楽という芸術での成功である。
    故にベビメタ・ヲタはここに記された言葉の意味を反芻して誇大妄想から解脱すべきなのだ。
    俗物に溺れるファンベースでは早々にベビメタを支えきれなくなると自覚するがいい。

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    1. ベビメタの究極的な望みなんてお前が決める事じゃない
      的外れだし、何より文章が長い。簡潔にまとめられるように勉強し直せ

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  8. 「コープス・ペイント」はいいとしても、「フード」まで「仮面」と断ずるのは短絡的すぎる。
    三人は「ペルソナ」を演じているかもしれないが、「仮面」ではないと思う。

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  9. 翻訳有難うございます。

    これはBABYMETALの音楽性についてほとんど言及しておらず、音楽評論ではないですね。
    BABYMETALに詳しくない編集者が、なんとなく日本のサブカルが好きな人に仕事を依頼して書かせちゃった感じの内容。この手のBABYMETAL論は、少し前には国内外を問わずちょくちょく見かけたから、なんだか懐かしすら感じます。

    BABYMETALと日本のサブカルを絡める事自体は切り口として面白いとは思いますが、よほどサブカルに造詣が深いライターが書かないとダメですね。この文書も、安っぽい知識のひけらかしとライター自身の妄想で書いた駄文、という印象です。

    BABYMETALのファンじゃなくても、そう思うんじゃないでしょうか。

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    1. 読んでてサブカルに造詣深いと思ったけど。日本人が書いた文章ならもっと掘り進めてほしいけど。
      これが安っぽい知識のひけらかしとライター自身の妄想で駄文だったら、
      これまでの音楽評論も駄文だろ。求めすぎじゃね?
      単純に外国人はこういう視点からも見てくるんだなーくらいでいいと思うけど。
      t

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    2. 求めすぎに同意。はたして私たちの洋楽論が相手読者の批評に耐えられる
      だろうか。相互理解を少しずつ深める以外にないと思う。
      日本のサブカルからハマるのも多いだろうが、そこを超えた欧米のファンが
      増えつつあることに言及してほしかったが、これも贅沢だろうか。

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    3. 音楽に限ったことじゃないけど一昔前は、日本のことを何でもかんでもサムライスピリットやフジヤマゲイシャ、ニンジャに絡めてテキトーに論じる、自称日本通の物書きがたくさんいた。最近はサムライ、ニンジャが原宿、オタクに置き換わっている感じ。
      外国人が日本のことをちょっと詳しく書くだけで、なんでも有り難がる日本人がいるけど、なんだかなぁ。典型的な「出羽守」型の文章なんだけどね。

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  10. 価値観は人それぞれだね。取り上げてくれるだけでもありがたく思うか、
    生意気にテキトーに取り上げるんじゃねーよって思うか。
    ベビメタの世界浸透は前者だけどね。名前を使ってくれるだけでもありがたい。
    ちょっと前にベビメタアンチのメタル原理主義者が屁理屈使ってアンチしてたけど、屈野郎って面倒臭いよね。頭の硬い頑固じじいみたい。

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  11. あー、オタクの人が書いたなと思ったわw

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