2016年10月31日月曜日

[Eclectic Arts] BABYMETALシアトル公演レビュー(後半) (過去記事)

「Metal Resistance」がシアトルにやってきた―BABYMETALギグ・レビュー! 2016年7月12日、ワシントン州シアトルShowbox SoDo

マーク・スギヤマ(2016年7月17日)



およそ2時間後、会場の従業員が、クラブのメイン・ドアにつながるスペースをオープンにしておくために分けられていたクラブの北側の端のVIP列の背後に、最初の一般入場の列の連中を移動させた。俺たちはラウンジの入り口(21歳以上)へ行くのか、それとも最初に入ったVIPの後から入るのかについて混乱があった。最終的に、俺たちはラウンジの入り口から入ることが分かった。21歳未満はエスコートされて、一番街の先のもう一つの一般入場の列の適当な場所へ連れて行かれた。俺は前にもラウンジの入り口を通ったことがあったので、まったく問題はないように思えた。だが、俺の前にいた8人くらいの連中が、完全にラウンジのドアを閉めてしまった。一部は日本から旅してきた連中を含め、何が起こっているのか分からず、質問やパニックが俺たちの列でも起こり始めた。俺にも分からなかったよ!

何か大事になる場合、会場スタッフの戦略が発表された。俺たちはVIP列の後からすぐに進み、それから俺たちの後に2番目の一般入場の列が続くのだ。完全にフェアな解決案だ! 俺はShowbox SoDoのスタッフを褒めなければならない。この混乱の中で、彼らは数多くの厳しい質問や混乱した質問、そして自分たちが列の自分の位置を失うのではないかという多くの狼狽してにらみつけている人々に対して非常に礼儀正しかった。また処理を早めるために、到着と同時に21歳以上のリストバンドを手渡していた。素晴らしい。

午後8時を少し過ぎたところで、ドアが開き、VIPがまず入場し、チケット売り場から俺のゲスト・リスト・チケットを受け取り(ちゃんとあったよ、フォックス・ゴッド、ありがとう、アーロン、ありがとう!)、中に入った。VIPは、マーチャンダイズのテーブルに並んでおり、俺はステージの真っ正面に移動した。俺は右手側(モアメタル側)の、柵から一人はさんだところにいた。心の中でクールだと考えた。あとはイベントが始まるまで1時間待つだけだ!

俺は、マーチャンダイズのテーブルで、3種類のTシャツ、フーディー、帽子、リストバンド、それに「Metal Resistance」のアナログがちらりと見えた。ショーの後でだめもとで何が残っているのかを見てみよう。

午後9時が迫ってくると、クラブは満杯だったが、まだ外には列ができているのは明らかだった。そっちの列に捕まっている友人がいたし、自分たちが外にいるので、バンドは演奏をまだ始めていないか考えているはずだ。始めていなかった。だからバンドの演奏開始が遅れたんだろう。クラブの外のファンを入れるために。

俺が待っている場所で、客は時計を見ていた。午後9時15分が過ぎた、午後9時半が過ぎた。それから照明が落ちて、観客の歓声が完璧な雰囲気を創り上げた。

「エピソードIV」のナレーションがPAから鳴り響くと、観客はできるだけステージに近づこうと前に押してきた。神バンドがまず登場し、観客に手振りをしてから、ステージの奥手の自分たちのポジションについた。

"BABYMETAL DEATH"のオープニングの緊張感へと、スゥメタル、ユイメタル、モアメタルがステージの左側から登場して、オープニング曲の自分の立ち位置に立った。おなじみの振り付けに入ると、熱心な観客は自分たちの手とボーカルのジェスチャーを真似したが、これはBABYMETALのショーではいつも通りだ。

ピットは俺の背後で始まり、ショーを通じてその規模は異なり、俺の背中を人が押してきた。クラウドサーフィンが認められていたので、会場のスタッフは柵越しに人々を助けるためにコンサートを通して忙しかった。また最前列の観客に冷たい水のボトルを渡していたが、これはShadowbox SoDoの粋な計らいだった。ありがたかった!

ステージから人一人挟んだだけだったので、最初の数曲、女の子たちが歌い踊るのを見ていると、とにかくすごかった。このうち、セットの最後に持ってくるのではなく、カジュアルなファンにとっておそらくバンドの一番有名な曲、"ギミチョコ!!"がこの夜の2曲目だった。ビデオでもおなじみのシグネチャーの振り付けは、あのヘビーなギター・リフと共に、ステージであまりに正確に再現されたので、観客は大満足だった!

セットには、デビュー・アルバムの「BABYMETAL」とセカンド・アルバムの「Metal Resistance」の曲が混ざり合っていた。"あわだまフィーバー"と"Catch Me If You Can"が次で、神バンドがイントロとソロを曲の前に演奏した。一言言わせてもらいたいのだが、メタル・ファンなら誰でも神バンドを楽しむはずだ。日本のトップ・メタル・ミュージシャンたちであり、バンドはタイト、ヘビーかつ見ても聴いても楽しい。ギタリストの幹大と孝佳は、最高のシュレッドを披露していた。ドラマーの秀樹は、山のようなツーバスと共にドラムスを叩きまくった。ところで6弦のベーシスト、BOHは、コープス・ペイントした頭の後ろに、「USA」という文字を書いていた。

続いて、新譜から"Amore"と"Sis. Anger"が演奏された。スゥメタルは、この夜を通じて素晴らしかった。ああ、彼女は歌っていた。ユイメタルとモアメタルもやはり歌っていた、あるいはクレジット通り「叫んで」いた。全体としてはところどころにバッキング・トラック(キーボード、グロウル・ヴォーカル、バックグラウンド・ハーモニーなどのイフェクト)が使われていたが、これは最近はごく普通のことだ。卓のサウンドマンがバッキング・サウンドがトリガーしたり、ドラマーがラップトップのようなものからやったりするやつだ。彼女たちが歌っているという事実だけで、通常のガイド・ボーカルのポップ・アーティストとは別ものにしている。

それから、特にあの衣装を着て、熱い照明の下ですべての歌と踊っていたため、公演を通じて女の子たちは目で見えるほど汗をかいていた彼女たちは自分たちのかたちで、どのメタル・ギグでも見られるように、思い切り楽しんでいた。

次にステージで取り上げられたのが、"META メタ太郎"、"メギツネ"、そして"Karate"だ。"Karate"は新譜からの最初の公式ビデオになったが、ライブで本当に素晴らしく響く! ここでも音楽ビデオからの振り付けがステージで披露された。俺が本当に見たいのは何か分かるか? 俺はBABYMETALのファンがビデオからの振り付けのパートを、ショーでみんな一緒にやるのを見るのが好きなんだ。フロア全体が、"ギミチョコ!!"のオープニングのパートでのけぞったり、"Karate"の冒頭で拳を掲げたり。考えてみてくれ。俺はうまく合わせられない方なので、曲の振り付けを全部やることはできなかったが、一部ならできたんだ—たぶん。話が逸れたようだ。

メイン・セットは、"Road of Resistance"と"THE ONE (English Verision)"のワンツー・パンチで終わった。女の子たちは、神バンドと一緒にステージを降りた。ものすごい歓声とチャントのあとで、神バンドが戻ってきた。

この夜のアンコールとして"イジメ、ダメ、ゼッタイ"が始まり、このヘビー・チューンが、Showbox DoDoを揺るがし、BABYMETALはすべてを惜しみなく与えた。ステージからお約束の「See you!」のあとで、スゥメタルとユイメタル、そしてモアメタルはステージを去り、神バンドがすぐに続いた。

照明がつき、前方のファンの多くは、ショーによって最も良い形で疲れ果て、すべてを自分の中で実感しながら、そこにただ立っていた。俺もショーの他のみんなのように汗まみれだった。服はからだの間違った場所にへばりついていたが、素晴らしいショーにとっては当然のことだ。

雑誌のレポーターとして、俺はこの夜遅れて到着し、会場の後ろか脇に立っていることもできたかも知れないが、それではこの種のショーを理解することはできない。分かってもらえるなら、君は中にいなければいけないのだ。俺はファンでもあることは認めるが、十分かどうかは疑わしい。俺がこの種のショーのピットにいたり、最前列で押し潰されるような日々は過去のものになった。だが、一部のショーでは、ファンの間にいて、集団的なエネルギーの一部として、前方でファンが経験しているものを経験する必要があるんだ。

何よりも、ワシントン州シアトルでは12曲聞けた。誰もがもっと多くの曲を聴きたいと思うが、失望して会場を去った者はいないと思う。ハードコアなファンは満足していた。様子見の連中は、もう様子見をしてはいなかった。この宇宙全体を通じて、BABYMETALという力をフォックス・ゴッドが指図する中、自分たちがTHE ONEの一員であることを確信していたのだ!

諸君、このショーは、並外れたものだ。このバンドは「エピソードIV」を終えるために日本で壮観なギグを行う前に、わずかな米国でのショーしか残していない。「エピソードV」がどのようなものになるのかはフォックス・ゴッドしか知らない。だが、フォックス・ゴッドがまたアメリカにBABYMETALを連れ帰ってくれることを望もう。もっと大切なことは、ワシントン州シアトルにだ!

じゃあね!

▼関連記事
[Eclectic Arts] BABYMETALシアトル公演レビュー(前半) (過去記事)

▼元記事
The Metal Resistance Arrives In Seattle - Babymetal Gig Review! July 12, 2016 Showbox SoDo Seattle, WA


3 件のコメント:

  1. >ところで6弦のベーシスト、BOHは、コープス・ペイントした頭の後ろに、「USA」という文字を書いていた。

    ちょwBOHも演奏を褒めたれよw

    返信削除
  2. 臨場感がダイレクトに伝わる素晴らしい記事。
    雑誌レポーターの鏡!
    こんなレポーター、日本にも欲しい。欲しすぎる。

    返信削除
  3. いや~、熱い内容&翻訳!
    これはイイ(笑)!
    ほんとにベビメタライブの会場の空気をそのまま描写してる感じ。

    > ちょwBOHも演奏を褒めたれよw

    確かにw

    返信削除