2017年2月7日火曜日

[The Sushi Times] CDレビュー:BABYMETAL日本オリジナル・リリース

CDレビュー:BABYMETAL日本オリジナル・リリース

ケビン(2017年1月30日)




[オランダ語からの重訳です]

俺たちはBABYMETALについて何が語れるだろうか。レディー・ガガが三人のお嬢さんとバッキング・バンドをツアーに連れて行ってから、BABYMETALはオルターナティヴ界隈だけでなく、一般的に知られる名前になった。おかげで、日本のロックやメタルのシリアスな愛好家は、BABYMETALのJポップとメタル・リフを組み合わせるというスタイルに苦虫をかみつぶしている。

基本的に、BABYMETALはメディア会社、アミューズのアイドル・グループだ。アミューズがかしこくも行ったことは、いずれもガール・グループのさくら学院のメンバーだった、中元すず香(スゥメタル)、水野由結(ユイメタル)、菊地最愛(モアメタル)に、多くの日本や韓国のグループのようなダンスポップやR&Bアレンジを与えなかったことだ。その代わりに、アミューズは、エレクトロニクスのエッジのある、よりヘビーなメタルコアのパッケージを選んだ。BABYMETALはJポップ・シーンにも、市場のよりヘビーな音楽の愛好家に対してもアピールするような類い希なる機会が得られることになった。

ここでは意図的に「アレンジ」を選んでいる。なぜならば、ヘビーなギターがないものとして考えれば、最近再発されたデビュー・アルバム、「BABYMETAL」に収録されているのは標準的なJポップ・ソングだからだ。"いいね!"は短いメタルコア・ブレイクダウンとディストーションをかけたギターを持つエレクトロ・ポップ・ソングだし、"ド・キ・ド・キ☆モーニング"は、さくら学院のアルバムに別アレンジで登場している。

制作チームが、こうした様々な影響から、自分たちが何が必要としているのかよく分かっていないように思える場合もある。特に"ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト"と"Catch Me If You Can"は問題がある。どちらの曲も、あれやこれやとジャンプするので混沌としている。プロデューサーが気付かないうちに、ダブステップやブレイクビートのトラックにはメタル・リフやデス声が入ってきて、危なっかしい。

時にはスタイルの組み合わせがうまく行くこともある。LINKIN PARKのような"おねだり大作戦"では、ポップ、エレクトロニクス、そしてメタルの要素が完璧なバランスを保っており、アルバムのハイライトの一つとなっている。"ヘドバンギャー"はそのタイトルにもかかわらず、純粋なポップ・ソングにした方が良かったろうが、非常に良く作曲されており、最も美しく歌われている曲だ。

かくして、BABYMETAL最大の長所に到る。中元すず香だ。明らかにアイドルのジャンルに属する、気に障るアニメ風のボーカルにもかかわらず、18歳になるシンガーは、メロディーを生み出すことができる完璧な能力を持つ。結果として、"メギツネ"、""イジメ、ダメ、ゼッタイ"、そして強力な"紅月"のような、より「メインストリーム」なロック・アンド・メタル・ナンバーが特に成功を収めている。あとの2曲は、ALDIOUSのようなバンドのアルバムに含まれていても違和感はないだろう。

最終的に「BABYMETAL」は、二つかそれ以上の顔を持つアルバムだ。もちろんこのバンドはギミックだし、スマートなプロデューサーやマーケッターが考え出したものであることが明らかに出てくるところもあるが、だからといって音楽的な技能が含まれていないということにはならない。グラン・ツーリズモの作曲家である嘉生大樹、MAD CAPSULE MARKETSのベーシストの上田剛、そしてベーシスト兼ギタリストのLeda(FAR EAST DIZAIN、元DELUHI、GALNERYUS)がアルバムに貢献しており、大きな注目に値する音を提供している。たぶん、時にはやり過ぎかも知れない。曲の中には、ギターやエレクトロニクスを入れないままの方が良かったものもある。

この再発には、BABYMETALのワールド・ツアーの映像を編集した"ギミチョコ!!"のミュージック・ビデオのボーナスDVDが含まれている。この曲のボーカルのミックスはかなりソフトだ。それから、この「BABYMETAL」の再発は見た目が美しい。ディスクは銀色のロゴ付きのミニゲートフォールド・ジャケットに入っている。もちろんセールス上のテクニックなのだが、それでも美しい。

結論として、BABYMETALの成功によって、中元が器用さではなく、力を活かせるようなプロデューサーに出会えることを期待したい。"紅月"のように、アルバム全体のサウンドは彼女に与えられているものだ。

▼元記事
CD Review: BABYMETAL Japanese Original Release


23 件のコメント:

  1. ドライな客観性を重視するあまり批判的になるパターンは良く見るが
    そういった記事の中でも、特にLiveを見た記者なら殆どの場合
    Su-METALというVoの素晴らしさには言及するんだよな。

    BABYMETALは色々な良い要素が複合的に合わさった良いバンドだが
    その全てはVoありきで、むしろ周囲はVoの優秀さに見合った仕事が出来てない。
    みたいなね。で、これには正直自分も同意。

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  2. う~ん、できるだけ客観的に分析しながら、ここまでずれた評は初めてみた。

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  3. 曲を分解してみたくなる気持ちはわからなくはないけど‥なんか、作り手を馬鹿にしてるように感じる。

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  4. >あとの2曲は、ALDIOUSのようなバンドのアルバムに含まれていても違和感はないだろう。
    「あとの2曲」ってヘドバンギャーと悪夢の輪舞曲だよな?!
    いやいや、ヘドバンとロンドがALDIOUSみたいな嬢メタルバンドの
    アルバムにあったら違和感ありまくりだろw
    そもそもALDIOUSのあの全然声量無いフラフラピッチのお姐ちゃんVOでは
    2曲ともまともに歌いこなせないよ。楽器隊もそこそこ演奏テクがあって
    VOほど酷くはないが それでも神バンの様な緻密な演奏力は到底無理だね
    まぁALDIOUSとか引き合いに出す時点で 
    この記事の評者はBM楽曲のクオリティーをまるで理解できてないのは確か

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    1. そうゆう主観的な考えを持ち出しちゃイカンよ。
      筆者が言ってるのは演奏力や歌唱力の話では無く、楽曲の話をしてるわけですよ。

      ベビメタの曲はパワーメタル、メロスピからの影響が強い。
      同じ日本のバンドで言うとXJapanなんかもパワーメタル系の音楽でありベビメタと共通点は多い。
      でも演奏技術はベビメタよりかなり劣る。
      じゃあ例えば、ベビメタのAmoreがXにあったら違和感ある?無いでしょ、だって楽曲の共通点は多いのだから。
      つまりパフォーマンスでちゃんと再現出来るかどうかは別の話。
      ヘドバンギャーなんてJRock丸出しの曲なんだから日本のガールズバンドとの共通点は多い。だから違和感なんてないよ。

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    2. ふつう、「楽曲+再現=音楽」なんだよね。それは置いておいて、「違和感のある・なし」は完全に主観の話だから、「匿名2017年2月7日 23:02」氏の話も主観だよね。

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  5. いや、楽曲だけの評価で言うならベビメタも良曲揃いとは到底言えないよ。
    Suのパワー無かったら凡作止まりの曲の方が多い。特に2ndはね。

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  6. チーム・ベビメタが、このライターの意見を重んじる方向で参考にしたとしたら、ベビメタ・プロジェクトは100%大失敗するだろうねぇ。

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  7. この知ったか評論が、翻訳されてるって本人が気付いたらと想像すると笑ってしまう。
    アニメ風のボーカルてw

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  8. 音楽ライターってピンキリだけど、自分たちは何も生み出さないくせに創作者の足を引っ張る人が多い。つくづくゲスな商売。

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  9. 曲の中には、ギターやエレクトロニクスを入れないままの方が良かったものもある。
    とか、なんのこっちゃ。トンチンカンな言葉が満載。
    SUのボーカルをほめたい気持ちは良しとしても、BABYMETALの評論としては落第DEATH。

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  10. ずっと1stが好きだったのけど最近2ndの良さに気が付いて今は病みつきに。良曲揃いで大好きな作品。全曲好き。2ndとは趣向の異なる1stの呪縛から抜けられない人は2nd楽しめないのかも?

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  11. 違和感があるのは確かだけど、その人の評論に正解とかなんとかっていうのはなんか違うような。

    つまんないことを言うようだけど、自分(たち)と違う見方をしているからこそ興味深いし、その背景にある感じ方や考え方を知ろうとすることが自分を深めるんじゃないかと思う。

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    1. そうだね。だからこそ、このコメント欄にあるひとつひとつの多様な意見も興味深いし、その背景にある感じ方や考え方を知ろうとすることが自分を深めるんじゃないかと思う。

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    2. あなたの言うことは完全に正しい。つまらんこと言って悪かったわ。反省した

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    3. 的確でありながら視点が異なる言葉ならば興味深いけれど、明らかに的を外してしまっている言葉の意味を考えても深まることはないよ。

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    4. 自分を深めることが出来る人というのは、あくまで自身の取り組み方から由来するものであって、他者の意見がどうであろうと、そこから学ぶことのできる賢明な人なんだと思う。

      一方、他人の意見を選別して「あっちは興味深い。こっちは考えても深まることはない」という思考の人は、その人の感性の限界がその程度であり、自分を深めようとする取り組みの一部を自ら放棄してるとも言える。つまり、そのような人は自立しているように見えるが、実は他者に影響されやすい他者依存ともいえる。

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    5. 自分を深めようとする取り組みの一部を自ら放棄してる、というのはある意味その通りだね。無駄に深める必要がないからね。詭弁を弄してみても、人の意見を選別しているのはお互い様だしね。自分が発している言葉の意味をよく考えることが先決だね。

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    6. お互い様ではないのに「お互い様だしね」と印象づけることを「詭弁」と呼びます。

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    7. ハハハ、ただ意地で反論したいだけなんだね。人の意見もよく考えないと賢明な人にはなれないぞ。君の言葉だろう。
      君はよっぽどこの評論が好きだったんだね。ごめんよ。
      しかし、そんなにムキにならねばならないほどの評論とは到底思えないんだがな。
      まあいい、好き好きだからな。君が今後も大切に読み続けてあげてくれよ。
      俺は無理だ。アホらしいからこれ以上は付き合えないよ。バイバイ。

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    8. オレは反省した人なんだが、その後フォローしてくれた人ありがとう。

      オレが思うに、的外れな評論(とわれわれが感じるもの)は持っている情報量と宗教観まで含んだ文化の違いとその人の頭の良い悪いなどによるんだと思う。

      日本人同士なら情報量や文化はほとんど変わらないから的外れな評論にそれほど意味がないというのもわかる。

      相手が外国人なら日本に関して限られた情報しか持ってないだろうし、偏っていたり間違ってたりするんだろう。

      その偏りや誤りとか文化の違いが文章に滲み出てくるのが面白いとオレは思う。この評論からでもオランダ(?)で日本がどのように知られているのかが読み取れて面白いと思うよ。

      逆に言えば、完璧な分析だったら、この人スゲーな、で終わる。

      まあそれも好き好きだから分析の完璧さにしか興味なくても全然構わないけれども。

      オレは理系じゃないけど、実験して、思うような結果が出なかったから単なる失敗、っていう姿勢と同じものを感じたんだよね。失敗からでも学べることはあるんじゃないの?と。
      最初に言いたかったのはそういうことだ。

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  12. 寿司タイムズかぁ
    うーむ

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  13. すず香がこのグループの心臓なのはそのとおり
    水と油の可愛い(アイドル)とカッコいい(ロック)が分離せず適度に融合できるのもどちらの特性も備えてるすず香がいるから
    歌うまい、声質もいい、スタイルもいい、どんなステージでも支配できる、ついでに可愛い
    これだけ広く才能が揃ってる子はまず見つからない

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