最高のバンドTシャツ
ベス・ロスキリー(2017年3月23日)
クラシックからモダンなデザインまで、ベス・ロスキリーが、現在市場にある最高のバンド・マーチャンダイズについて語る
音楽愛好家のワードローブにあるべきものといえば、バンドTシャツはスタイルだけでなく、趣味の表現でもある。従って、私はいま世間にある最高のデザインについて個人的に最高のものについて話したいと思う。
まずクラシックから始めよう。NIRVANA、THE RAMONES、THE ROLLING STONES、THE SMITHS、PINK FLOYD、ボウイ、JOY DIVISION、RUN D.M.C.だ。どれも(入手可能化によって)地元のH&M、プリマークあるいはアーバン・アウトフィッターズで選べるような象徴的なTシャツを出している。たぶんこれまでにこの手のシャツを千回以上見ているかも知れないが、いつでもかっこいい。音楽コミュニティーの中では、背後にある音楽のことを大して知らずに、デザインのためだけにシャツを買う人が多くなるので、バンド・シャツを売るお洒落な衣料品店を批判しているという問題があった。この批判は、美的な外観の重要性、そしてデザインを有名なものにしたそのスキルとオリジナリティーを貶めるものであるとここで言っておきたい。ここで私がまとめているバンドのシャツはどれも、それにふさわしく、デザインだけで並ぶものがないのだ。
ただし、あなたがこうしたバンドの大ファンで、メインストリームに投げ込まれるのに嫌気が差しているのであれば、私はヴィンテージをお勧めする。値段は法外になるだろうが、歴史的な一品に金を払っているのだ。この1982年のROLLING STONESのヴィンテージ・シャツを見て欲しい。あるいは、この1992年のNIRVANAはどうだろう? 通常の範囲から抜け出して、この明るいRAMONESのシャツのようなあまり知られていないデザインを見つけることができる。ヴィンテージに向かう利点は、よりルーズなカットを見つけるのが簡単で、グランジーなスタイルを保ち、ちょっとした痛みがあれば、'96年生まれでも、まるで80年代からパーティーしているように見える点だ。
エッツィーは、様々な勘定のスヌープと1995年のプレイボーイ誌のインタビューからの引用をフィーチャーした、この美しいスヌープ・ドッグのシャツのような様々なヴィンテージ服を見つける格好の場所。もう少し起伏のあるのがお好みなら、この絞り染めのGRATEFUL DEADのシャツがあって、サイケデリアとロックがほどよく混ざっている。この薄くなったジョン・レノンのシャツは、よりカワイク、ピンキーなスタイルにはぴったりで、このSKINNY PUPPYの「Meek Baby」シャツは、これまでで最もクールで、最も不気味なデザインになってる。
ロック・バンドは、いつもバンド・シャツについて最も有力なプレイヤーだった。このJUDAS PRIESTの「Screaming for Vengence」シャツを見て欲しい。スタイリッシュなロボット風の鷲をフィーチャーしていて、あまりにクールなので、'80年代に作られたデザイン画今でも2010年代になってもGAPのデザインにインスピレーションを与えている。細かな、頭について離れないようなアートワークを持つこの「Killers」シャツのような、IRON MAIDENシャツや、GUNS N' ROSESロゴの素晴らしい美の象徴的な性質を否定するのは難しい。こうしたシャツのスタイルは、大胆で、ダフで、ダークな、彼らの音楽のスタイルにぴったりと合っている。これをちょっと混ぜ合わせると、BABYMETALのフォックス・マスクTシャツは、メタルのスカルとホーンと可愛いシグネチャーのキツネ(フォックス)サインとマスクを組み合わせた美しいグラフィック・コラージュとなっている。このAVENGED SEVENFOLDの「Bottoms Up」シャツも同じような構成となっているが、バンドを酒を飲むスケルトンの集団として描いており、周りの飾り枠もあって、タトゥーにもぴったりのデザインになっている。このTHE SISTER OF MERCYのシンプルだがどこか不気味なデザインも、私のロックのお気に入りの一つだ。
QUEENS OF THE STONE AGEは、この「The Lost Art」シャツのようにアールヌーボーのスタイルでデザインしたシャツが多く、星や曲線をなす布の間で手を伸ばす女性の天使をフィーチャーしている。THE STONE ROSESもアートの強い影響を受けており、ジャクソン・ポロック風のドリップ画と組み合わせた一連のシャツを生み出した。この「I Want to Be Adored」シャツを見て欲しい。ROYAL BLOODは、この「Little Monster」ティーのようなシングルやアルバムのアートワークの非現実的なイラストをフィーチャーした、素晴らしいシャツのコレクションを備えている。
CATFISH AND THE BOTTLEMENも、アリゲーターが自分の尻尾を噛んでいる「The Ride」のデザインで同じようなトレンドに従っている。このイメージは、その多くのアルバムが書かれたAlligator Loungeに対するトリビュートだが、また暗喩的な解釈の可能性を開く興味深いデザインでもある。もう少しコミック風のものだと、ベックには、この可愛い、裸の男が怪しく見えて、同じように裸の馬に乗っている、「Sell Your Car」という名前のアマチュア風のイラストがある。
自分たちのアルバム、「Goo」のアートワークをフィーチャーしたSONIC YOUTHのTシャツも、違った種類のコミックの影響を示している。このデザインは、有名なBLACK FLAGのロゴのデザイナーである、アーティストのレイモンド・ペティボンによるもので、ムアーズ殺人事件の二人の目撃者、モリーン・ヒンドリーとデビッド・スミスのパパラッチ写真に基づいている。書かれているテキストとこのコンテクストを組み合わせることで、このシャツは最初にこのスタイリッシュなポップアート・イラストを見て感じたよりも、少しばかり病的な感じになる。
DISCLOSUREにも印象的なシャツがある。この「Caracal」のTシャツは、アルバム・アートワークを線画で簡素化した、強力でミニマリスト的なものとなっており、彼らの「The Face」のマーチャンダイズに使用されたデザインにマッチしている。どちらのトップスも目を惹くが、デザインの配置から、私はこうしたシャツを着た女性たちは「私の目玉はこっちよ」とう表現を使うことは考え直した方がいいかも知れない。
DJシャドウの「The Mountain Will Fall」シャツもアルバム・デザインを利用している。これがアルバムの背景とマッチするように、傾むいた青のシャツの方が良かったとは思うが(なぜシャツのデザインはカラーを嫌うのかしら?)、山の下に落ちているシルエットの王様は強いメッセージであり、カラーの斑点が狂ったような銀河のバイブを加えている。このシャツは、QUEENS OF THE STONE AGEの「Near Death」Tシャツを思い出させるが、より強力で、エッジーで、より政治的なデザインとなっている。
ODD FUTUREは、「Jaster Fireworks Cardinal Red Tee」や「Punctured OF Logo」シャツのようなカラフルでグラフィックで、変わったシャツのデザインと共にソックスやショーツを含む、様々なスタイリッシュなアパレルを揃えている。私は、バンドやアーティストの名前や顔を侮辱することなくバンドやアーティストに対する明確なつながりを持ち、音楽に基づくマーチャンダイズであることを知らない人に対してもクールでトレンディーに見える、この種のデザインが大好きだ。
ドーナッツのレタリングからシンプソンズのキャラクターのパクリまで、このNECK DEEPのTシャツは、そのシングル"Kali Ma"の歌詞、「It’s all fun and games until someone gets fucked up」に囲まれた、ひどく目を回したミルハウスをフィーチャーしている。私はインク風の絞り染めのパターンと背中のディテールのあるシャツが大好き。どのアングルから見ても素敵に見えるし、並べば他の人にも娯楽を提供する。
OF MONSTERS AND MENの2015年ワールド・ツアー・シャツは、ぱっと見にはバンドのものだと分かりにくいけど、それでも良いシャツになってる。アートワークは、TAME IMPALAやFOALSのようなバンドに対する作品を含む、数多くの素晴らしいアルバム・アートワークを作り上げてきた、グラフィック・デザイナーのレイフ・ポドハイスキーによるものだ。この黒と白のプリントは抽象的で、地理的で、自然な性質を持ち、プレーンな白の上にテクスチャーした「オートミール」色のシャツという選択ととてもうまく合っているし、典型的なイラスト的デザインからは際立っている。
BIFFY CLYROも、このフォトモンタージュ・シャツで変わったスタイルを選んでいる。このバンドは様々なアパレルを提供しているが、このシャツはユニークな構成とヴィンテージな画像の選択で、私には際立っている。文字のごちゃごちゃしたスタイルとコラージュの使用によって、その音楽のオルタナというジャンルを反映した手作り感を生み出している。これのようなアルバムやシングルのデザインから独立した、芸術的なシャツのデザインを生み出したことに感心する。これは実際に着ることができる良いマーチャンダイズに対する関心を示しているからだ。
でも、全力でいって、シャツの上のバンドのイメージ、名前あるいは曲名をふっとばすなら、THE 1975ほど素晴らしくやってのける者がいるだろうか? このバンドは、自分たちをインディー・スタイルのアイコンにしたそのイメージ、特にマット・ヒーリーのそれに基づいて、うまく自分たちをブランド化している。彼らの「Love Me」Tシャツは、バンドの青、黄色、そしてオレンジのイメージのポップと対照的なパステル・ピンクの配色で際立っている。テキストは繊細に写真の協会となっており、露骨なブランディングを減らしながら、シャツが誰を表しているのかを明らかにしている。
最後に、見栄えのするシャツを作っているのはバンドやアーティストだけじゃない。レコード会社もだ! 私のお気に入りとしては、このHospital Recordsのスネイク・ティーがある。意識的かどうか分からないけど、8ビットの蛇のゲームを思い出させる、このレコード会社のロゴをパターン化したものとなっているし、このWarp Recordsの角張ったプリントやこっちの素敵なSpearhead Recordsの、輝くような笑顔のキャラクターはどれだけ冷たい心も溶かせるかも知れない。
▼元記事
The Best Band T-Shirts
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