BABYMETALの歌詞は、非常に分かりやすくストレートなものが多いが、"The One"や"META メタ太郎"も含め、英詞の部分については、必ずしもネイティブが書いた英語とは思えない部分もあり、その意味で、非常に感覚的、あるいは音の響き(あくまで日本人のではあるが)に基づいているものであるように思える。
"Fron Dusk Till Dawn"は、曲調自体もある意味アンビエント的であり、よって歌詞の内容も"イジメ、ダメ、ゼッタイ"や"ヘドバンギャー"のようなメッセージ性がストレートに伝わってくるものではない。冒頭、"Something's got to go"で始まるが、これは"in the air"とつながっており、たとえば「Grudge during the life and happiness after death. That's all and let me go in the air riding on a black cloud.」の訳文として、「生きての恨み死してのよろこび、これまでとて、黒雲に打ち乗って虚空にあがらせたまえり」といった用例がネットでも見つかる。この場合、主語がsomethingとなっているため、「虚空へと上がらなければならないものがある」くらいの意味だろうか。
次の行は"Pray your way in the air"となっており、用例としては宗教的なものが多いようだ。従って、ここでも虚空(空でも良い)がキーワードになっており、「虚空に祈りを馳せよ」くらいの意味になっている。次が「It got better」なのだが、唐突に過去形になるわけで、「より良くなった」のは何かがよく分からない。「Don't start slow, then」は(良くなったから)「ゆっくり始めるんじゃない」ということになっているが、どうも論理が続かない。そこに「何かが虚空へ上がらなければならない」がまた繰り返しで出てくる。
「Dream Sing...Climate the weather」、これはカンマがないけれども、それぞれが単語の羅列になっているのだろう。「夢見よ」、「歌え」、「気候」、「天気」と続き、「熱い」、「より寒い」と展開する。この温度に関する連想から「and warm memories」=「暖かい>心温まる思い出」という発想になっているようだ。「Get off my face」は、「get out of my face」と同じ意味で使われていると思われる。「どこかへ行け!」なので、思い出を拒んでいることになる。次の"more day after day"は、何に対してmoreなのかが良く分からないが、あるいは「暖かい思い出」が日を追うごとに増しているのだろうか? 「reaching to fate」は「運命へと届く」というのだが、続くのは「so instincts so faint」で、前のsoは接続副詞にしか読めず(instinctsは名詞)、あるいは「so instinctive」、「あまりに本能的」という意味か。「so faint」は「あまりに弱い」とか「あまりにか細い」ということになるのだろう。続いて今度は未来形となり「私は夢から目覚めるだろう」と続く。「to keep and relive」には目的語がないが、夢を保ち、また体験するということか。次の行は「人生は夢」としているが、「夢は終わるけど」(「while it's over」)、「dream's on a break」なので「夢は休んでいる(休憩中)となる。「Never ever」は「もう二度とない」というのはもう夢見ることはないということなのだろう。最後は「虚空で」となる。
こうして一行ずつ見てみると、基本的には連想ゲーム的な言葉遊びということで良いのではないかと思えるのだが、聴き手により印象は変わるだろうとも思う。
出典:Babymetal: From Dusk Till Dawn
ありがとうございます。自分は転々と海外をツアーで回って、疲れてホテルに帰ってみた夢の話かと思っておりました。
返信削除アルバムのあの位置はアナログで云うとA,B面の切り替えになる訳で、
返信削除よくああいうアンビエントっぽい曲をブリッジに置いたもんだよね。
RED NIGHTの客出しに流したのは秀逸だったと今でも思っています。
東山魁夷画伯の代表作の一つに「緑響く」と題された絵画がある。
返信削除長野県茅野市の御射鹿池(ミシャガイケ)で描かれた風景画なのだが、そのイメージを求めて北欧等世界中を旅した結果、御射鹿池が選ばれたそうだ。
そこには実在しない「白馬」が描き込まれている。氏が語った処によると「あの『白馬』が何であるかは見る人が自分で決めてください」という事だ。
FDTDの歌詞も同じなのでしょう。その歌詞の意味は聴く者がそれぞれで決める事なのでしょうね。
しかし、FDTDだけステージで未だ演じられていません。欧州版のみの収録ですから、日本で演じられる機会は無いでしょうね。と言っても、海外でも演じられる場面も想像できません。ステージで演じられる事は今後も無いのかも。
BMにもそんな曲が有っても良いのではないでしょうか。
べビメタの曲には「連想ゲーム的な言葉遊び」が多いと思っていたので
返信削除FDTDの様な英語の歌詞も同じなんだと聞いてうれしかったdeath!
公式は歌詞を謎のままにするつもりなんでしょうかね
返信削除いま歌詞サイトで表示されるものはDu Enkiさんのブログへのコメントのコピペですね
投稿者は
The Out of Japan edition doesn't have a lyric card, unfortunately.
I had to transcribe them myself, but it's not perfect and lots of words are hard to hear.
って前置きしてます
空耳レベルに間違っちまってるんで意味をとれないですね
冒頭Sonething云々の前に入っているSUのウィスパーは完全にオミットしてますし
曲のテーマぐらいわかるといいんですけど
公式に歌詞が発表されたの?と思ったら,独自研究だった。
返信削除ライブ演奏も含めて他のバージョンもないし,EU版に収録されたものが唯一のソース。比較して聞き取りを行って精度を上げることも難しいし,今「歌詞」として出回ってるものはあくまで独自研究レベルのソースと捉えるべきでは。
毎度どうMOAりがとうござYUIまSU。
返信削除含蓄あるご考察で大変勉強になります。
不明点がありながらも、思い切って上げて頂いたのは、大変有り難い。
こなれていない語の並びは、「カットアップ技法」みたいなもの、とでも考えれば良いのかも、DEATHね。
(小中千昭さんの『BABYMETAL試論』に、ウィリアム・バロウズの名前が出ており、それで改めて知りました。)
あまり解り易いのばっかりでも面白くない、敢えて謎めいた部分を残すのも一興、と。
その解り易さと解り難さのギャップも、BABYMETAL得意の「振り幅」の一つかと。
殊に、"in the air"を『虚空』とは、流石。そこはかとない風情を感じます。
そも音楽は発せられた刹那から虚空へ消え行くものDEATHし。
それと、全くの私見DEATHが、この曲は、最初から、所謂「客入れSE」ならぬ「客出しSE」とする為に、制作されたのでは?、と思うほど、終演後の雰囲気にピッタリな気がしています。言わずもがな昨年のTOKYO DOME公演の際が完全にそうでした。
元よりBABYMETALの曲は、セットリストのどの辺りに配置するか、最初から考えて作られてるとしか思えない曲、多いDEATHし。
そこで、終演後にも、他のアーティストの曲を流したりするよりは、自前のを、と。
BABYMETAL独自の世界観を満喫した後、その余韻に浸りつつ、次の機会を楽しみにする、
そのメタファーとしての「夕暮れから夜明けまで」又は「その日の終わりから次の日の始まりまで」なのでは?
などと想いを巡らせておりました。
SEE YOU!
カラスの鳴き声は何?
返信削除Palladum でFDTDを初披露してから、またこの歌詞が注目されてるようです。管理人さんの参照されてる元はMetroLyricsにあるものでしょうか?残念ながらここの歌詞は半分も参考になりません。冒頭、"Something's got to go"で始まるとありますが、本当にgot to go と聞こえますか?文法的にも意味不明だし、「t」の音はまったく発音してません。ガラゴーと略してるようにも聞こえない。
返信削除また中間のゆいもあのコーラスパートは面白いことにIDZの「痛み 感じて ずっと ひとり こころ 気づかないふり もう 逃げない」をそのまま引用してるので、「Pain feel Alone forever Heart Blind eye No more run away」(ずっとひとりは語順逆なのは文法的に仕方なし)
ですから、Hot colder とか書かれているのは見当違いも甚だしい。3人の振付のジェスチャーを見てもらえると納得するはずです。
といいながらも残りの部分に関しては謎だらけで解明は挫折しております。
初披露の衝撃以来、FDTDに関心が集まっている様はとてもエキサイティングです。
返信削除5月当時の印象を記していたおかげで、より考えが膨らみました。
pray your way in the air の件りから、
Pフロイドの虚空のスキャットを連想した方がありましたが、
MIKIKOさんの指向するシアトリカルな演出やKOBAの発言を併せると、
マニピュレーションを駆使して既成のメタル、いやROCKの枠をも越えつつある、
FDTDのパフォーマンスの果てに、私は今一人の歌姫を想起しています。
Dギルモアの秘蔵っ子として鮮烈に登場し、唯一無二の存在感を放った彼女。
BABYMETALのプログラムにあんな演劇的要素が加わり、
SUMETALがオペラのアリアの如きナンバーを観衆に叩き付ける。
もちろん夢想です……今はまだ、ねww