[Trinklebonker] トワイライト・ゾーンへ—BABYMETAL東京ドーム(2016)DVDレビュー(その2)
(2017年6月6日)
ではBlack Nightへ進もう。どうやったらRed Nightを超えられるんだ?と思った。そうだな、スターターとして"Babymetal Death"が始まる。ドラマが始まるにあたり、誰もが女の子たちがステージの最上部に登場すると思っていたし、実際そこに立っているように見えた。それから突然、花道のはずれに十字に架けられて登場するのだ。そしてBABYMETALそのものである狂乱が、BABYMETALにしかできないかたちで始まる。これは本質的に非常に儀式的であり、部族的だ。実際、メタルのファンであれば抗いようがないだろう。ここでは魔法が起こっているのだが、彼女たちはごくたやすいように見せてしまう。俺が彼女たちがやっていることは簡単からはほど遠いというのは信じてもらっていい。でも彼女たちはあまりに正確なので、世界で最も当たり前のことのように見えるのだ。ほとんどのバンドはこれほどのオープニングの後には15分の休憩が必要だろうが、BABYMETALは楽しい"あわだまフィーバー"、そして"ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト"(ここでも回転ステージで)でとにかくやばい。少しだけ軍隊っぽい(?)"META メタ太郎"は、その中核にDEEP PURPLEとNIGHTWISHの影(「In Rock」)があるが、とてもBABYMETALらしい。この晩の最初のシンガロングで、誰もがこの段階で微笑んでいる。すべてがハッピーでのんきなヘビーメタルのトワイライト・ゾーンに入ったような感じだ。それはここにしか存在しない。やがて思い出になる(俺のような年齢の人間には十年とか二十年は一瞬にして過ぎるので、俺は56歳の見方をする。)本当に貴重だ、本当に貴重なのだ。それからユイメタルとモアメタルが、METALLICAスタイルの"Sis.Anger"をやるが、ここでのパワーはものすごい。信じられないほどクールだ。神バンドがさらに輝きを見せ(パワフルなイントロで、ステージにオジーが出てくるかと思った!)、それからスゥメタルが戻ってきて"紅月"を歌った。ここでもちょっとNIGHTWISHぽく、スゥはそのままに女王となる。回転するステージ、ギターのインタープレイ、そして花火は激しくなる。ここにも武道館の影がある。セットには明らかに決まり事がある。次はBLACK BABYMETALによる"おねだり大作戦"だ。ステージ中で、とにかくユイメタルとモアメタル(彼女たちはサイド・プロジェクトを企んでいるんだろうか?)がカワイイ。これはとても好きだ。五感に心地よい。スゥが再登場して、花道の外れで"No Rain, No Rainbow"を歌うが、曲が終わる前にステージの最上部に上がる。神バンドが俺たちを楽しましているときには、エレベーターを使っていることが多いに違いないが、それでもこれはとても美しい。続いて"ド・キ・ド・キ☆モーニング"が演奏され、女の子たちはステージでやりたい放題だ。本当にハッピーで、子どもの頃に戻ったようになる。"メギツネ"もやはり初期の曲だが、構造はすっかり成熟している。(そしてBABYMETALにはいろいろと提供できるものがあった証でもある。)ここでは非常に雄大で、美しく構成されている(照明がすごい。)武道館のショーは超えるのが難しいと思っていたが、それでも彼女たちはそこに至り、ふさわしくなっている。だが曲はツアーを通じて進化し、ここでも長いシンガロングがあった。それから"ヘドバンギャー!"が登場し、これは同時にビッグで、とても儀式的で、感動的なものとなっている。スモークが多用されている。世界一のBABYMETAL。スゥは女王として迎えられる。俺たちはここで時間を遡る旅をしてきたことに気付き、すべては"イジメ、ダメ、ゼッタイ"で終わる。BABYMETALは東京ドームを征服した。この晩、BABYMETALは、長く、大変苦労して手にした挨拶を行い、本当に大きな愛情で迎えられたが、これは見ていて本当にうれしかった。スゥが長いお別れの間に転んだと聞いたが、これは編集されて外された(2014年の最初の武道館公演でユイメタルの転落がカットされたように。)みんなが微笑んでいて、別れの挨拶の時に、スゥがモアメタルをからかっているのが見えた。「We are BABYMETAL」が、ステージの最上部で最後に数回繰り返され、スゥが銅鑼を爆音で叩いてすべては終わった。視覚的には、BABYMETALは元気よく、また完璧な公演を終えた。BABYMETALには、メタル・レジスタンスの聖なるミッションのもと、メタルの宇宙の旅で新たな冒険が待っているというメッセージが、観客に対して残された。Only the Fox God knows。
最後に、「Live At Tokyo Dome」は大変革をもたらす存在だ。彼女たちは日本だけでなく、世界中でビッグになる資格がある。運があれば、彼女たちはジャンルで唯一の存在、究極のエンターテインメント・パッケージとしてQUEENのような存在になれるだろう。ここには長続きする力、数百万を魅了し、その過程で彼女たちにふさわしい幸福を与える力がある。メタル・ファン、そして俺たちの多くは男だが、いろいろなレベルでこれがとても気に入るだろう。俺たちは音楽、神バンド、すべてが好きだ。でも、俺たちは女の子たちも大好きなんだ。彼女たちのプロ意識、個性、そしてものすごいパフォーマンスが。まるで自分の家族のように大好きだというとき、俺は多くのファンに語りかけているのだと思う。彼女たちは君の妹や子供のようだ(これは年齢によって変わる。)彼女たちがうまくやっているのを見ると、君は幸せになる。そして誰かがトラブルを起こしたら、これまで見た中で一番の病院への近道なのだ。俺たちは一つだ。俺は誇張しすぎだろうか? そうは思わない。
BABYMETALは何十年かの間にメタルに起こった最高のものだ。世界は何か幸せが必要で、それがここにある。欧州とアメリカでBABYMETALを引き受けているレコード会社は、このリリースに対して全力を尽くさなければならない。これは彼女たちの「Made in Japan」(シャレではないが、これを1972年から1973年にDEEP PURPLEのキャリアを変えてしまったアルバムに例えるのが適当だと思う)。これはものすごい作品だ。
秋に来る、俺はとにかくそれを期待している。他のものはすべて言語道断だ。そして俺に何かできることがあるなら、いつでも、喜んでそうする用意がある。
(カル、サポートありがとう)
▼元記事
Enter the Twilight Zone – Babymetal Tokyo Dome (2016) DVD Review
長文、全部読みました。お疲れ様です。ほぼ同意です。
返信削除ただ私はこのドームで、1点のみ、気に入らない箇所があります。
それは、、、
ヘドバンギャーでの煽りでSu-METAlが「お前らの本気はこんなもんか!」と言った部分。
ここは「お前達~」というべきところです。
私は数十人規模の前でマイクを持つ仕事もしてますが、「お前ら」の「ら」は移動を意味するので、今日の観客が定着しない可能性を意味します。
「お前達」の「たち」ですが、高く持ち上げ継続する意味になるので、観客を大事にしていくという意味になります。
このことは、「言霊(ことだま)」や「大和言葉」で調べると判る事です。
日本人には「お前ら」と「お前達」のニュアンスの違いは肌で感じられるところですが、難しく説明するとこんな感じです。
彼女達のバックにいる大人たちは、こんなところにも気を配って欲しいです。
この点以外は、BEBYMETALを完全にリスペクトしてます。
LAで歌ったFDTDで、また新しい扉を開いたことをうれしく思います。