2016年4月1日金曜日

[Huffington Post] UKエンターテインメント ブログ 「Metal Resistance」

BABYMETAL—「Metal Resistance」

コリン・マッキスタン(2016年3月31日)



BABYMETALのセカンド・アルバムは、愉快なほどいかれた強烈なデビュー作に続くものとなるので、多くの人々が一体全体このグループは次に何を持ち出してくるんだろうと考えていた。正直なところ? 何かしら素晴らしいものだ。

バンドがヘビーメタルの世界をぶっ壊すことについては、ゴジラとの比較がやたらと多いが、私は(スタートレックに出てくる)ボーグの方がずっと正確だと思う。ボーグは、最初スタートレックに登場し、「存在、文化、そして技術をその全体に統合していく」手段として、同化を利用する。そして「Metal Resistance」を聞いていると、過去30年のヘビーメタルのあらゆるジャンルが、ほとんどロボットのような完璧さで模倣され、複製されていることが分かるだろう。

コカインをやってるBIG COUNTRY風のオープニング・ナンバー、"Road of Resistance"であれ、HELLOWEENから影響を受けた"Amore"であれ、がちがちのメタルヘッドは、BABYMETALを構成している多彩なセッション・ミュージシャン、ライター、プロデューサーは、全員がひどいSFマニアなんだろうかと考えざるを得ない。あるいはエイリアンかも。私は両方に賭ける。でもどの銀河から彼らがやってきたにせよ、この12曲の良く創り上げられた曲には度肝を抜くような作曲の才能が存在している。

BABYMETALが数年前に初登場した時、この仕掛け全体がうまくいったのは、「絶対的に狂ったコンセプトの完全無比な演奏」のおかげであり、時には破壊的なメタルと甘ったるいJポップの衝突によって、リスナーをさんざん苦しめた上で、至福の服従へと到らせることに依存していた。「Metal Resistance」では、そのJポップ寄りの部分が失われたが、ありがたいことに、特に新しいシングル、"Karate"とバナナ・スプリッツ(テレビ番組)のように響く"Awadama Fever"(えーと、BABYMETALは、かわいそうなバナナ・スプリッツも同化してしまったのだ)が特にそうだが、カミソリのように鋭いフックは健在だ。"Yava"のぼかぼかと殴るようなスカも、ぐらぐらしたオープニングからぐっとシリアスでメロディアスなものに変わる。

そして驚きとコントラストがぎっしりと詰め込まれたアルバムであるにもかかわらず、「Metal Resistance」の流れはとても自然だ。奥行きのある"From Dusk Till Dawn"や少しばかりばかげた、アニメのように響く”Meta Taro"のようなよりスローなところでは、リスナーはある意味、抱きしめられているような感じとなるが、バンドが"Sis. Anger"のDIE ANTWORDミーツCANNIBAL CORPOSEといった趣のスラッシュ祭へと突っ走る頃には、このアルバムはもうあまりにやりたい放題で進んでいくので、聞こえてくるものを分析するという概念自体が意味なしになってしまう。

甘いバラード、"No Rain No Rainbow"は、たぶん標準に達していない唯一の曲だろうが、これはDREAM THEATER風で、「ボーグメタル:君に出来ることはすべて、BABYMETALはもっとうまくできる」と呼びたいものの素晴らしい例である"Tale of the Destinies"と並べるには良いのだと思う。そしてバンドが天に昇るようなパワー・バラード、"The One"でアルバムを終えるとき、彼らは確かにそうするのだ。

レビュワーの中には、「Metal Resistance」が革新的だという者もいる。ではこれは重要なアルバムとして後世に伝わるのだろうか? METALLICAの「Black Album」やGUNS N ROSESの「Appetite For Destruction」と並んで? それはいくら何でも行きすぎというものだろうが、BABYMETALに関するあらゆるものがそうであるように、どうなるかは誰にも分からない。

評価:8/10

「Metal Resistance」はearMUSICから発売中で、バンドは4月2日にウェンブリー・アリーナで演奏する。

▼元記事
BABYMETAL - Metal Resistance

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