Babymetal – ライブ・レビュー – 2016年4月2日
アートグラフバイラス(2016年4月6日)
これまでで最も野心的なツアーに出た、国際的な現象であるBABYMETALが、その既に世界的に有名な日本のアリーナやスタジアム・ショーに関連するすべてのスペクタクルと才能を約束して、これまでで最大の英国におけるショーのためにウェンブリー・アリーナに向かった。新譜を聴いて、この確実に歴史に残る夜に自分も立ち会うことにして、みんなが話していることを自分の目で確かめることにした。会場の周囲の行列から判断すると、私は一人ではないらしい。バンドのマーチャンダイズで頭から足先まで着飾ったファンが、バンドと同じようにコスプレして、良い場所を得るために24時間近く立っている。各国の国旗が群衆の間そちこちにあり、会場の外ではサインが掲げられ、アリーナに一歩踏み入れたとたんに、何か特別なものに加わったのだと分かった。
「正式な」サポートよりもDJセットを選び、ラジオ1ロック・ショーのDJ、ダン・P・カーターは既に騒がしい観客を楽しませようとしたが結果はいろいろだった。曲の選択は協力だったが、曲の間で突然切れたり、観客がちゃんと参加していなかったこともあって、演奏はだいなしになってしまった。(そのことについては後で述べる。)満足が行くかどうかのバックグラウンド・ミュージックならば、一番の疑問は、なぜバンドのマネージメントが、上演を通じて、大きな利益を得られただろう何かしらのグループに、チャンスを与えず、サポート・バンドを見合わせたのかだ。代わりに、急いでまとめられた「ウェーンブリー」という奇妙なサウンドバイトが放り込まれる曲のセットでは、ものすごく落ち着いた観客に、刺激も興奮も与えることはできなかった。
しばらく待って(さらにちょっと待って)、照明がようやく弱くなり、ウェンブリー・アリーナの(想定では)ソールドアウトの観客は、ステージの両側に表示された短い場面を見ることになった。それぞれが、いわば、ショーの異なった「幕」を示している。観客の中心の唯一のプラットフォームから、女の子たちが残念ながら濁った音の"Babymetal Death"へと飛び込んできた。先に済ませておくと、この2つのオープニングの展開から、この夜のショーのさらに2つの問題となる要素を知ることになった。サウンドとレイアウトだ。
小さい方の問題から話すと、バンドのプラットフォームのレイアウトとメインステージは印象的だったかも知れないが、フロアにいる人間にとっては、あらゆる形の動きについて問題があった。ギグを楽しむためにピットが必要だろうか? もちろんいらないが、自分の経験から、会場が真ん中で分けられていると、バンドを気持ちよくみるための新しい展望の利く場所をいつも見つけようとしなければならず、信じられないほど不便なのだ。大規模な制作をともなう大きなショーでは、これは職業上の事故だとよく分かるのだが、プラットフォームが占める会場のサイズは実際的ではないし、スタンディング・エリアでの観客の参加のレベルが下がってしまう。
ただし、会場のレイアウトは、見逃しても良い小さい問題だとしても、サウンドはそうではない。ファースト・アルバムからの曲がよりうまく行ったとしても、グループの最新アルバム、「Metal Resistance」からのトラックはこもって聞こえ、曲はしばしば反応が得られなかった。先行シングルの"Karate"のような大きなインパクトのある曲は、単に空っぽに聞こえ、このアルバムを通じてバンドとの恋に落ちた者にとっては、ひどく残念なものとなったことは認めざるを得ない。ギターは静かで、ボーカルは揺れ、曲は時にはっきりしなくなり、信じられないほどいらだちを覚える体験となった。これは多くの場合、サポート・バンドの後でメイン・バンドがステージに上がる頃には整理されるものであり、ここではあり得ないものだ。また、グループが演奏を日本に放送していたためにサウンドを落としていたことも考えられるが、その夜の最も楽しめる瞬間の一つを与えてくれたものの、これは金を払って参加したものにとっては経験をだめにしてしまうような、いささか直観に反したものではある。
問題を片付けたところで、このショーにはもちろん良い面がなかったわけではない。実際、サウンドを別にすれば、ショーは絶対的にすごかった。女の子たちのバッキング・バンドは、一つの問題もなく新旧のマテリアルをやってのけ、驚異的な演奏を行い、前面の女の子たち(以上ではないにしても)と同じくらい楽しんでいるようだった。三人の女の子たちのボーカルはバンドが完璧なのと同様に完璧に近いものであり、本当に印象的な音域と本当に印象的なダンス・ルーティンを伴っていた。
幕間を分けるビデオは、感覚が時に翻訳の過程で失われているとしても、イベントに楽しさを加えていた。圧倒的にBABYMETALの最も魅力的な要素は、最高の皮肉屋の顔にも嘘っぽい笑いを広げさせてしまうことだ。ステージショーは、火薬や花火、そして想像を超えた証明を使用しているので、ウェンブリーで、観客は十分に元が取れただろう。2枚のアルバムからのマテリアルを取り上げ、バンドは2時間のセットを数多くのヒットで満たした。その夜の驚きであった"META メタ太郎"に加え"ギミチョコ!!"のようなインターネット・センセーションから、ユニークな"いいね!”まで。自身のバンド(BLACK BABYMETALと呼ばれる)でプレイし、ユイメタルとモアメタルは自分たちのスポットライトの番で、素晴らしい"GJ!"を歌い、スゥメタルは"Amore"できらりと光った。
全体としては、このショー自体は絶対的な勝利だった。キャッチーで情熱的なJポップの乗ったヘビー・メタルの曲は、信じられないステージ制作、純粋な喜びの終わることのない提供、完璧な演奏、情熱と興奮を伴っていた。ただし、会場の問題が、残念ながら私たちにとってはショーの多くを傷物にしており、ギグの後で口には苦みが残った。複雑な思いでウェンブリーを去りながら、2014年のソニスフィアーでの登場以来、はじめてのBABYMETALのヘッドライナー・ショーの後で、失望を感じざるを得なかった。たぶん、次はこれがきちんとできるだろう。
▼元記事
https://autographvirus.com/2016/04/06/babymetal-live-review-2416/
やはり音質だね
返信削除きっとPAさん達中心にこの事は痛感していると信じよう
きっと国外のアリーナクラスなんて未経験だからノウハウが不足してたのだろう
やっぱりサポートアクトって、音響調整の為にも必要なのかな?
返信削除O2では完璧にやってくれるさ。
返信削除海外ではサポートアクトが音響の調節の役割も担っているのですね。
返信削除単なる余興ではないのだと知りました。
会場レイアウトの件は現場にいた人でないとわからない視点でなるほどと思った。大阪のライブビューイングで見ていたが、ZEPPでも最初の「BABYMETAL DEATH」は確かに音が混濁して聞こえて「あれっ?」と思った。ライブの熱気に押されてその後のサウンドはさほど気にならなくなったけどね。
返信削除確かにLVでも最初のほう音のバランスがおかしいなと感じたしSUさんのマイクも時々ハウリング起こしたりギター音が聞き取りづらかったりしてたね。後半になったらだいぶ改善されて気にならなくなったけどPAは重要な部分だからケチらないで優秀な人材を使ってほしいな
返信削除音は仕方ない場合と、改善できる場合があると思うけど、
返信削除何回もウェンブリーでライヴ経験した人も言ってたくらいだから、
多分改善できる範囲だと思うので頑張って欲しい。
横アリも音悪かったですからね、音響スタッフのレベルが低いとしか考えられません。
返信削除厳しい意見も必要
返信削除音響の問題は度々言われているし、一向に改善されてないんでは?
返信削除やはり音響スタッフを入れ替えるべきなんじゃないか?