2016年7月18日月曜日

[Japan Times] とても素晴らしい年を送っているBABYMETAL

とても素晴らしい年を送っているBABYMETAL

パトリック・サン・ミシェル(2016年7月17日)




フジ・ロック・フェスティバルの準備期間に、このイベントのデジタル・チームが、新潟県の山間部で行われる三日間の集まりで演奏する予定のバンドやアーティストからのビデオ・メッセージをYouTubeにポストしている。平均してだいたい1,000ビューほどだ。この事実は、今年のクリップのバッチに当てはまり、その中には電気グルーヴ(1,923ビュー)のような国内の大物からSIGUR ROS(548ビュー)のような海外のヘッドライナーまで、フェスの20周年を祝う言葉を贈っている。

だが、短いメッセージ一つが、2ヶ月前にアップされてから27,100ビューを獲得している。三人の十代のメンバーが、イベントでどれだけ雨が降るか、それから食事の質について話しているBABYMETALのフジ・ロックのビデオは、それ以外のアーティストのビデオをいとも簡単にしのぎ、大きく期待されいてた今年の春の最初のラインナップ発表ビデオ(21,730ビュー)よりも多くのクリックを得ている。

過去10年で最もグローバルな成功を収めているJポップ・グループとして2016年に自分たちの地位を確立しつつある三人組にふさわしい。BABYMETALは短命な「不思議な日本」の新規さに対して、ポップ・ミーツ・メタルという公式を用い、アメリカのレイト・ナイトTV番組やロンドンのウェンブリー・アリーナのような会場でのショーへと発展させてきた。

だが最も大きなニュースは、今年の「Metal Resistance」アルバムが、第一週に(いずれにせよ最近では)相当なポジションである12,914ユニットを達成し、英国の音楽チャート、そして米国のビルボード・トップ200に日本人のアルバムとして最高位を達成したことだ。日本では、「Metal Resistance」は132,881枚売れ、J・ソウル・ブラザースの新譜(今年これまでのところ最も売れているアルバム)に続くオリコン・アルバム・チャート第2位で初登場となっており、いくつかの有名なボーイ・バンドよりも多くのアルバムを動員している。

「私たちが"The One"をウェンブリー・アリーナで歌った時に、ファンのみなさんが、いろいろな国の旗を掲げてくださって、とてもうれしかったです」と17歳でユイメタルとしてより広く知られる水野由結はジャパン・タイムズに語った。中元すず香(スゥメタル、18歳)、そして菊地最愛(モアメタル17歳)と共に、ユイメタルは学業とアメリカ・ツアーの後半の準備に忙しく、これはフジ・ロックのホワイト・ステージでの日曜の前の月曜まで続く。これはこの三人組がまだ演奏していない最後の夏フェスとなる。

「フジ・ロックは自然の中で音楽を楽しめるフェスだと聞いたので、どういう環境だか見るのが楽しみでたまりません」とスゥメタル。

BABYMETALがニッチなファン・ベースを対象としてスタートしたグループであることを考えると、この成功は実に印象的だ。三人のメンバーは、もともとより伝統的な(制服と陽気なポップ・ソングを考えると良い)アイドル、さくら学院で活動しており、BABYMETALは2010年のスピンオフ・プロジェクトとして結成された。この年は、AKB48とももいろクローバーZに引っ張られて、アイドル・ポップ・グループが大きなセールスを得た年である。このトレンドに乗って、キャッシュに目を向けた新しいプロジェクトが一気に登場し、その多くが小さなサブカルチャーの観客に絞り込んでいた。

だがYouTubeが、BABYMETALの元気いっぱいのフックとパワー・コードがより幅広いオーディエンスに届くようにしてくれた。三人の初期のビデオ・ショットは、特にいつも日本から何かクレイジーなものを求めている海外のビューワーから多くの注目を集めた。このことで、ちょっとした逆輸入効果があり、BABYMETALのギグやフェスティバルのセットでより多くの観客が集まるようになり、さらに海外のファンにより強い印象を与えるようになった。「YouTubersがBABYMETALに反応する」と名付けられたクリップで、BABYMETALのブレイクアウト・ビデオ、"ギミチョコ!!"を見ながら、YouTubeの芸人コンビ、イアン・ヘコックスは、「なんてこった、ものすごい数の人がいるじゃないか」と叫んだ。

オンラインの注目は簡単に集まるが、すぐに消えてしまうこともある。だがBABYMETALは、海外で演奏したよりヘビーな音楽イベントで有名なメタル・ミュージシャン(たとえばMETALLICA、ANTHRAX、それにとても疲れた表情のフレッド・ダースト)と一緒に写真を撮ったり、オンラインでの議論のネタになることで、デジタルのスポットライトを浴びたままでいることができた。

BABYMETALのメンバーは普通の十代だが(ショー以外での最近の海外ツアーでの重大な出来事をたずねられたモアメタルは、「いろいろな国でおいしい食べものを食べたこと」として、ドイツのソーセージとポテトが良かったとしている)、メタル・ミーツ・時々カワイイ・ポップ・メロディーという考えは、一種のハードコアなヘドバンギャーをおびやかしている。これはコメント欄の炎上戦争というところだ。BABYMETALのフジ・ロック出演が発表された時、ネチズンの一部はこの追加にひどく興ざめした。

だが、2016年に成功する音楽バンドであることには、メディアの注目を集める(論争はクリックを意味する)ためだけでなく、ファン・ベースを結集する上でも必要になる。BABYMETALのファンは、自分たちがどれだけこのグループが好きであるのかについて、よりやかましく、一部のリスナーやメディアからの押し戻しは、既にこのグループが好きな人々をさらに好きにする手助けとなる。不審な目で見られようとも、BABYMETALはその成功を観たいと願うしっかりとしたファン・ベースを確立し、そのことで英語圏メディアのレーダーに映したままにしておくことになる。

だがフジ・ロックのセットでまず確実なことは、記憶に残る演奏だ。BABYMETALのライブ、特にフェスにおけるそれは、ものすごいビジュアルとモッシュピットで一杯の一大スペクタクルだ。それは正統性を演奏に加える円熟したメタル・セッション・プレイヤーのバッキング・バンドをフィーチャーした、最高の現実逃避行なのだ。

「私たちのワールド・ツアーのテーマの一つが、私たちの曲を通じて、年齢や性別や国籍にかかわらず、皆さんが一つになることです」とスゥメタルは言う。「私たちはファンの皆さんがワクワクできるような演奏に集中しています。

▼元記事
Babymetal is having a really good year


1 件のコメント:

  1. いやあ、嬉しい記事だなぁ
    翻訳さんが素晴らしいんだね
    読みながらニヤニヤしてしまった
    いつもありがとう!!

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