BABYMETAL@リージェンシー・ボールルーム
イアン・ヤング(2016年7月19日)
ドアが開く1時間前だったが、リージェンシー・ボールルームの周囲の行列は、ファーン通りを進み、ポークを通り過ぎて、ほとんどラーキンに届かんかというばかりだった。黒のフーディーと黒のジーンズをはいた印象的な山羊ひげの男が、チケットに140ドルもかかったと自慢げに文句を言っていた。傍観者にとっては、たぶんその名前に「屍体」とか「血」とか「サタン」といった言葉が入ったバンドを見るために、千人以上のメタル野郎が行列を作っているように見えただろう。
はずれだ。ここにいる連中が見に来ていたのは、スカートを着て、チョコレートや空手やいじめについて歌う3人のカワイイ日本人のポップ・アイドルたちだ。BABYMETALのためにここにいる。
BABYMETALは17歳のユイメタルとモアメタル、そして18歳のリード・シンガー、スゥメタルがフロントだ。彼女たちが歌い、踊り、微笑み、ジャンプする間、達人のミュージシャンによる4人編成のバンドが、押し潰すようなリフとツーバスで観客を吹っ飛ばす。ショーをミュートできるなら、それは(奇妙な)土曜の朝のライブ・アクション・アニメを見ているような感じだ。そして目を閉じれば、演奏はSLAYERかMETALLICAのカバー・バンドのように響くだろう。
おかしい。芝居がかっている。JポップかKポップにしか得られないレベルの、やり過ぎで、他に類のないものだ。("江南スタイル"を覚えているか?)だが、なぜかすべてがうまくいくんだ。BABYMETALがステージに上がると、ソールドアウトの観客は熱狂した。拳を挙げ、モッシュし、叫び、シンガロングする。3人の女の子は、若いにもかかわらずプロだ。揃って踊り、生で歌い、英語でできる限り観客に声を掛ける。会場には皮肉のかけらもない。ただメタルあるのみ。
タレント事務所が他のJポップ・アイドルを、ギミックで、甘ったるいエンターテインメントとして創り上げたのと同じような作り物として、BABYMETALのようなバンドを捨て去るのは簡単だ。だがBABYMETALがアメリカ・ツアーのすべてのショーをソールドアウトし、YOUTUBEチャンネルで2億ビューを獲得し、ザ・レイト・ショー・ウィズ・ステーヴン・コルベアに出演しており、世界中の多くの人たちがすっかり甘いもの好きになっているのだ。だから君がメタルヘッドだろうと、オタクのナードだろうと、サラリーマンだろうと、ただ好奇心に駆られた見物人だろうと、手を空に掲げて、ヘッドバンギングする準備をするんだ。BABYMETALがやってきた。
▼元記事
Babymetal at The Regency Ballroom
200,000,000viewsなので、2,000万ビューじゃなくて2億ですね。
返信削除修正しました。ありがとうございます
返信削除>会場には皮肉のかけらもない。ただメタルあるのみ。
返信削除かっこいい~~
あっちの人の論評ってステキだなあと思うことがしばしば
訳がいいのかな?
怒濤の更新お疲れ様です
読めて有り難いです。いつもありがとう!