2017年2月18日土曜日

[Metal Hammer] スゥメタルがメタル・ハマーにMETALLICAの前座体験を語る(後半)

スゥメタルがメタル・ハマーにMETALLICAの前座体験を語る(後半)

エリナー・グッドマン(2017年2月16日)



「I want to see a big circle!」(もっと大きなサークルを見せて!」とピットを駆り立てるべく、スゥメタルは片腕で円を描いて見せたが、観客の一部は誤解して、彼女のジェスチャーを真似した。ダンスで勢いを付けた"メギツネ"は、いつも通りエネルギッシュであり、"ギミチョコ!!"は暖かく受け入れられ、スゥは"Karate"の「ウォーオーオーオー」を彼女に続いてみんなに歌わせた。クロージング・ナンバーの"Road of Resistance"が始まった頃には、正面にはピットができ、ありえないほど凶暴なリフに合わせて、体がぶつかり合った。韓国中央日報の評論家、ジン・チュンが後に輝かしい言葉で表現したように、これは最高のショーだった。「このグループは、近年、忠実な支持者を得てきており、一つのビートも誤ることなく、グループが愛されてきたダンスとメタルの印象的なパフォーマンスをやり遂げた。」と彼は書いている。「わあツィは日本のアイドル・トレンドは不慣れだったので、最初は懐疑的だったが、これは信じられないほど新鮮だった」と後に俺たちに語っている。METALLICAファンも、キツネを掲げた。韓国に配置されているイリノイ出身の22歳の兵士、ショーン・ワインミラーはBABYMETALのデビュー・アルバムは持っていたが、この夜まではライブを見たことがなかった。「正直なところ、彼女たちはMETALLICAよりもヘビーだと思う!」と彼はほめちぎった。「でもこれはチューニングによるものだとは思う。METALLICAは通常はEかEbしか演奏しないからね。今夜のショーを、BABYMETALが最初にワールドツアーを行ったときのYouTubeで見た以前のフッテージに比べると、女の子たちは今では海外で演奏することにずっと自信を持っていると言える」バンコクから4人の騎手を見にきたバラソルン・キチャムノン(35歳)も、BABYMETALのライブを見たことはなかった。「頭を上げて、彼女たちの音楽を聞いたとき、俺の好みじゃないと思ったんだ」と彼は告白する。「だがチャンスがあれば彼女たちを見たいね。というのは、演奏はとても楽しかったからだ。彼女たちのショーはとてもエネルギッシュで、これまで見たこともなかったものだった。最高の瞬間は、"Karate"という曲を演奏したときだ。あの曲が私をファンに転向させる上で大きかったよ。ショーのあともずっと頭から離れなかったんだ」 常にプロフェッショナルなスゥメタルは、このような大きなイベントでプレッシャーを感じたが、ステージを支配し、観客を味方に引き入れたことができてうれしかったと認めた。「私はまだぼーっとした気分でステージに上がりました」とスゥメタルは明かしている。「韓国での初めてのショーだったので、私たちとお客さんは、どういう風にショーを盛り上げればいいのか、ぎこちなく探っている感じでした。でも"Karate"で一番奥までお客さんがジャンプしているのを見てうれしくなりました! 私は自分たちがいつもやっていることをやりたいと思いました―自分たちらしく、私たちのスタイルをお客さんにお見せするということです」

任務を成功裏に完了したので、今度はBABYMETALがMETALLICAが新曲"Now That We're Dead"や"Halo On Fire"の世界初演を含む、18曲を駆け抜けるのを見る番だ。だが、スゥメタルが特に興奮していたのは、観客がすべてをシンガロングし、アルバムの白い十字が、前面の巨大なスクリーンに表示され、METALLICAがリフを演奏するお気に入りの曲、"Master of Puppets"だった。「あの大合唱を聞き、METALLICAさんが
ものすごい観客を魅了している姿は本当にすごかったです」とスゥメタルは言う。またこの晩も出会いとセルフィーの時間があり、ラーズ、ジェイムズ、カーク、そしてロブが、笑顔にあの象徴的なフォックス・ゴッドのマスクを手にして、三人とポーズを取った。スゥは、伝説たちとの再会について謙虚なままだった。「私たちはいろいろなことをチャットすることができました。でも「今日来てくれてありがとう」と言われたときに、本当にうれしかったんです」

日本のヘドバン誌の創始者である梅沢直幸は、このショーのために飛んできた。彼は両バンドは良い組み合わせだと見ている。「ヘビー・メタルの頂点であるMETALLICAが、そのツアーの前座にBABYMETALを選んだという事実が自ずから物語っています」と彼は言う。

「METALLICAはメタルに対して異なったアプローチを試しています。伝統的で権威があり、正統派のブリティッシュ・メタルを演奏するIRON MAIDENのようなバンドからは「ノー」と言われるかも知れませんが、BABYMETALがMETALLICAら受け入れられたのは、メタルは実験すべきだとMETALLICAが考えているからです」METALLICAは30年以上に渡って重要な存在であり続けてきており、コバメタルがMETALLICAの音楽、イメージ、そして適確に指摘できない何かのコンスタントな進化として挙げる偉業である。「常に前進しようという彼らの姿勢だと思います。サウンドではなく、メタルの心を持つバンドだからだと思います」とコバメタルは主張する。いま、その信じられない旅路の最新のステップに基づいて、BABYMETALも同じような成功を再現しようと心がけている。コバメタルは彼女たちの成功を誇りに思っているばかりでなく、自分が一生懸命頑張り、そう信じるならば起こりうるものに対する希望の指針として、次世代が道を拓くことにBABYMETALが貢献できると信じている。「私の意見では、BABYMETALよりも一世代か二世代上であるMETALLICAと同じステージで演奏できることは、BABYMETALにとってばかりでなく、メタル・シーンの将来の世代にとっても重要な瞬間でした」とコバメタルは言う。「療法のバンドが演奏するのを見て、私はBABYMETALの務めは、メタルの将来のために忠誠を尽くすことだと感じました」 スゥメタルにとって、この夜はわずか三年前に、METALLICAがサマーソニック・フェスティバルで演奏するのを見た日に生まれたビジョンに対する完璧な結論となった。スゥメタルは、かつては自分にとっては場違いに思えたジャンルに身を投じ、その過程で、グローバルなヘビー・メタル・コミュニティーの一部となった。君がBABYMETALに対して皮肉屋の立場を取っているとしても、彼女たちが長い道を旅してきたことは認めざるを得ない。俺たちの世界の最高のアイコンとステージで共演したヘイターなどいないのだ。「メタル文化の一部になって最高のことは、私たちが前は知らなかった新しい世界の扉を開けたことです」とスゥメタルは驚いている。「私たちが学べるものがもっとたくさんあり、新しい何かを試してみたあとで、楽しいかも知れないと分かりました! 私はもっと強くなったと思います」 「君を殺さないものは、君をもっと強くする」というジェイムズ・ヘットフィールドの不滅の名言がある。俺たちが、スタジアムで目標を達成したあとで、今のバンドの目標は何かとたずねてみると、スゥとコバはおなじみの「Only the Fox God knows」ではねつけられてしまった。俺たちに分かっているのは、コバは、これを超える何か本当に魔法のようなものを考え出さなければならないだろうということだけだ。

▼元記事
Su-Metal on Metal Hammer talk about the experience of supporting Metallica


5 件のコメント:

  1. いつもありがとうございます。Eleanor Goodmanは女性編集者ですね。
    https://twitter.com/eleanorgoodman/status/530824454994419713

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  2. 2014年の最初のワールド・ツアーではハード・コアなメタルファンには
    自分達のやってることは通じないだろうと、ある意味「いろもの」である
    ことを自覚してたコバからメタルを次世代に繋ぐ役割を担っているという
    ことを覚悟して言葉にしているという激動の変化になんか凄いものを感じる

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  3. 俺にとってはすでに魔法。邪念を起こさず我が道を行け。

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  4. 人がいろものとというのなら!
    それを認めたうえで、いろものと自覚した戦い方もある
    変化を恐れず新しい事に挑戦できる強みもな……
    メイデンにも、無視できない究極のいろものになればいい、正統派を食うような~

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  5. イロモノも何も
    一般的にはアイドルもメタルもそれぞれ下らないイロモノとしか認識されていない。
    そのアイドルとメタルをMixさせたBABYMETALがイロモノどころか
    まともな音楽的素養を持つ人なら思わず唸るレベルの
    一流の歌、演奏、演出を披露する。これがBABYMETALの面白い所の一つ。

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