2017年6月24日土曜日

[Heavy Blog Is Heavy] ハリウッド・バラディアムにおけるBABYMETALの晩(2017年6月17日)

[Heavy Blog Is Heavy] ハリウッド・バラディアムにおけるBABYMETALの晩(2017年6月17日)




カイル・ガッド(2017年6月23日)

その結成以来、BABYMETALはいつも狂ったようなマーケティング・キャンペーンを原動力とするギミックだった。パワー/デス・メタル・バンドと日本のポップ・アイドル・グループは、理論上は捨て去るべきものだが、2枚のアルバムと、数百の世界中のソールドアウトとなった公演を経て、BABYMETALは金を稼ぐためのでっち上げというよりも、下等動物が一目置くような自然の力となったのだ。

毎年、エレクトロニクス・アンド・エンターテインメント・エキスポ(口語的にはE3と呼ばれる)のためにロサンジェルスまで仕事で行った関係で、BABYMETALと同時期にこのエリアにいたのは偶然だ。この街のウィルターンで、10年近く前にICED EARTHを見て以来、ハリウッド・パラディアムでこのグループを見てみることにした。

この観覧はたまたま連続となった。君たちの多くは、バンドと観客の両方に対する俺のコメントに対して多くのネガティブな注目を集めた、2015年の俺の「議論の的となった」BABYMETALの公演の観覧のことを覚えているだろうが、関係当事者はすべて相当成長したようだ。俺は自分の人生で傲慢な態度が減ったし、BABYMETALのファンは本当に熱烈な者だけが姿を見せるところまで減ったし、BABYMETAL自身が、おびえたような始まりに比べて、よりタイトで有機的な公演を行うような、個性的で、筋の通ったユニットへと進化してきた。シカゴのハウス・オブ・ブルースでの公演以来、俺の姿勢が一気に変わったことは分かっている。

今ではBABYMETALを観ることは本当の楽しみだ。スゥメタルの今では大人になった声は、複雑で分厚いリフの上に飛翔するし、彼女とモアメタル、そしてユイメタルの振り付けは、水のように優しく流れる。ほんの数年前にバンドが演奏を始めてから、数多くの微調整と理解があり、今では演者と観客の間のインタープレイをきちんと意識している。俺はいつも、神バンドのメンバーがどのように観客に働きかけることができるのかについて特に触れてきたが、もう彼らだけではない。三人の若い女の子たち、特にスゥメタルの成長と進化を見ていると、これまで以上に、今はこのプロジェクトのファンであることがうれしくなる。昨年の公演でさえも、ところどころ少し硬く、少しリハーサルされ過ぎている感じだったが、ここハリウッドでは、すべてがこの上なく自然に感じられた。

彼女たちがハリウッド・パラディアムで演奏するのを見る上で一番の欠点は、適切な写真撮影ピットに対するアクセスがなく、サウンドボードと同じくらいの距離から写真を撮らなければならないため、俺とバンドの間に何百もの手と携帯があるせいで、俺の写真がぼやけてしまう点だ。BABYMETAL(少なくともマーケティング・チーム)はもちろん、彼女たちのライブ演奏をカバーするのにプロの写真家やビデオ撮影家を好むだろう。俺のような個人メディアにとっては理解出来る厄介ごとだが、それでも厄介ごとには違いない。メディアのプロとして、BABYMETALについて最悪のことは、そのイメージについてものすごく守られている点で、そのためにロック・グループとしての明らかな成長と、日本のアイドル文化の産物としての存在の間に奇妙なギャップが生まれている。TOOLのメイナード・ジェイムズ・キーナンのような良く知られたメディア嫌いとは異なり、BABYMETALの女の子たちは、そのとても甘い音楽と、ロック・アイコン、そしてファンに対する、変わらずに人柄の良いやりとりという両面で、友好的な空気を醸し出している。彼女たちは尊敬に値する若者、そして仲間から尊敬される存在として、外に出ていることについて本当にわくわくしているので、単なるバンドではないように思える。

ライブ・バンドとして、俺がBABYMETALを比較できる唯一のバンドはスウェーデンのGHOST(俺が取り上げた中で最もすごいライブ・バンドの一つだ)しかないと思う。法律上の騒動で、謎めいた雰囲気は減ってしまったが、それでもGHOSTは、超然とした、謎めいた雰囲気を保ちながら、親しみやすくあることに成功している。その神秘さで、ファンの関心を保つのに十分なだけ。BABYMETALは、神秘性という贅沢は持ち合わせていないが、それでもグループについて語られる架空のストーリーがあり、観客が夢中になるような楽しくて、魅力的なモチーフを備えている。プロジェクトの運営に関わっている者は、チケットとマーチャンダイズのセールス以外のルートを通じて、観客を向かい入れることを始めるべきなのかも知れない。だが、連中が何を今やっているにせよ、それは機能しており、うまく行っているように思えるので、物事を今のままにしておこうとすることに対して、特に責めることはできないだろう。

▼元記事
An Evening With BABYMETAL At The Hollywood Palladium [June 16th, 2017]





2 件のコメント:

  1. BABYMETALというプロジェクトが凄まじいスピードで変化し続けている事に触れた海外メディアは未だ極めて少ない中、貴重な記事だと思う。筆者が自身の体験として具体的な内容にしている点もGJ!

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  2. で、原文も見たが・・・・ライブレビューは無し!?
    最後にセトリ載せておしまいはないだろwww

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