2017年11月17日金曜日

[fuse] BABYMETAL最大のコンサート・ツアーの内幕(過去記事)

[fuse] BABYMETAL最大のコンサート・ツアーの内幕(過去記事)

ジェフ・ベンジャミン(2015年1月12日)






日本のポップ=メタル・トリオが東京に2万のファンを集め、フューズがこれがどのように歴史に残るのかについて内幕を探った

東京は午前10時。最もエキサイティングなメタル・アクトの一つを見るために、既に大人の男性の列が、さいたまスーパーアリーナを囲むように列を作っていた。いあ、METALLICAじゃない。SLIPKNOTでもない。これは三人の十代の少女たちを中心とするメタル・バンドだ。これがBABYMETALだ。

17歳の中元すず香(スゥメタル)、15歳の水野由結(ユイメタル)と菊地最愛(モアメタル)からなるこの日本人トリオの、ポップ音楽のメロディーとヘビー・メタルのプロダクションの組み合わせは、国内外の人々に魔法をかけた。2月にバンド名を冠したデビュー・アルバムをリリースして以来、BABYMETALは日本のアルバム・チャート、そしてビルボードのワールド・アルバム・チャートで一位となった。彼女たちは英国のソニスフィアやカナダのヘビー・モントリオールといった海外のフェスティバルで演奏し、レディー・ガガのアートポップ・ツアーの前座として招かれ、ハリー・スタイルズはツイッター上でエールを送った。良く聞いて欲しい、彼女たちはまだ学生で、休みの時にしか国を離れられないんだ。

2014年に世界中で演奏してから、女の子たち日本に戻り、東京で2万人のファンのためにソールドアウトとなったアリーナショーを行う—これまでで最大の観客数だ。アメリカのプレスとして唯一招待されたので、フューズは、このワイルドで、おかしくて、完全に「カワイイ」コンサート体験について詳細を記述する。(私たちはまたスゥメタルと独占インタビューを行ったのでこちらをチェックして欲しい。それからBABYMETALのブレイン、コバメタルとも。こちらから。)

ファンは、マーチャンダイズを買うために、朝早くから並び始めた。米国の観客と同様に、日本でもチケットを持っていても、グッズは一度に一品目しか買えない—別のが欲しければ、列に戻ってまた末のだ。マーチャンダイズは高価であり、この厳しいルールは、買い手が限定のマーチャンダイズを山ほど売るという問題から来ている。かくして早くからマーチャンダイズの行列となる。誰もがBABYMETALのCDやTシャツからサイリウムやタオルまであらゆるグッズを買い集めるためには然るべき時間が必要なのだ。

メタル・ファンは、バンドの歴史がすぐれた神秘性を伴うことを好むが、BABYMETALの背後にある伝説は、女の子たちが「フォックス・ゴッド」によって集められ、ステージに召喚されるまで出てこないというものだ。

実生活で、実際には、女の子たちはバックステージに存在している。だが、完璧にまとめられたおさげやポニーテールで、ゴス風な(でもカワイイ)赤と黒のドレスを着て、限られたプレストのインタビューに出てくるまでは、グループを見ることができない。彼女たちは、自分たちの将来に関する質問の大国、「Only the Fox God knows!」という言葉で答える。

ショーが始まる何分も前に会場は一杯になった…ほとんどが男性だ。ショーはおよそ70〜80%がポップ音楽(すなわちカワイイ少女のグループ)が好きな男性で、これはBABYMETALのニューヨークでのデビュー公演にいた山のようなメタル・ファンとは大きな対比を為している。コンサートは午後6時という早い時間に始まったが、これは児童労働に関する法律が、シンガーたち(まだ未成年であることを忘れるな)が午後8時までに働くのをやめなければならないことによる。

ステージは壮大な城のようなセットとなっており、柱、ステンドグラス、そして観客の上にかかる跳ね橋が揃っていた。これはメタルショーかも知れないが、ガガやケイティ・ペリー風のやり過ぎのポップスのプロダクションに通じるものが確かにあった。

メンバーが棺桶から登場するドラマティックな最初のビデオが終わると、BABYMETALがステージに登場し、 モアメタルとユイメタルが可愛く曲のフックを叫ぶ中、SLAYERのようなバッキングに乗せて、ボーカリスト兼ダンサーの肩書きのスゥメタルが王者の風格を見せた。彼女たちの演奏には、ノンストップの振り付けが含まれるが、時には控え目になって、観客が加わる余地を与える。BABYMETALがジャンプすれば、何千人もの男性が同じことをする。BABYMETALが手を掲げれば、観客もこれに従う。曲の終わりごとに、フットボールの試合で聞くことができるようなハスキーな歓喜の声が上がる—満席のアリーナで西洋のポップス・ファンが慣れ親しんだ、絶叫するティーンとは大きな違いだ。

BABYMETALによる"ヘドバンギャー!!"の演奏を見て欲しい:

["ヘドバンギャー!!"ビデオへのリンク]


ショーは、山のような非常にテクニカルなプロダクションと共に進んだ。ネオン・レーザーの照明が、"いいね!"の間にアリーナを照らし、自分が宇宙時代のビデオ・ゲームの中にいるような気分にさせられる。後で、ステージで火の玉が上がった。

その間、BABYMETALのバッキング・バンドは恐ろしい格好(白いマント、白塗りの顔、そして目のまわりを濃い黒で塗っている)だったが、恐ろしく才能もあった。ショーには、ギタリスト、ベーシスト、そしてドラマーがソロのスポットライトを浴びてシュレッドするチャンスがあった。

女の子たちも新曲を二曲披露した。最初のは、ファンが公式なリリース前に仮に「バブル・ドリーマー」と呼んでいる未発表曲だ。これはモアとユイの赤ちゃん言葉のようなフックと、スゥによる癖になるポップなコーラスをフィーチャーしており、ケイティ・ペリーとティンバーランドの"If We Ever Meet Again"のメロディーを思い起こさせる。それからグループはショーを"Road of Resistance"で終えたが、これはスピードメタルをこれまでにない領域へと広げたパワー・メタルのベテラン、DRAGONFORCEとのコラボレーション曲だ。

たまに「Babymetal in the house!」や"Are you ready?!"と叫ぶのを除いて、女の子たちはショーを通じてほとんど観客とやりとりすることはなかった。だが二時間近いノンストップの振り付けの後でも、山ほどのサポーターに対してBABYMETALが送った大きな笑顔とウェーブは、十分以上のものだった。ものすごい数の観客も笑みを浮かべて去り、2015年にBABYMETALがどこへカワイイ・メタルを連れて行くにせよ、これを指示することは確かに思えた。

▼元記事
INSIDE BABYMETAL'S BIGGEST CONCERT EVER







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