2018年4月3日火曜日

[Metal Storm] すまん:なぜ俺はBABYMETALが大好きになるという過ちを犯したのか

[Metal Storm] すまん:なぜ俺はBABYMETALが大好きになるという過ちを犯したのか

スクリーミングスティールUS(2018年4月1日)






[訳注:エイプリルフールの記事のようです]

2年前のまさに今日、俺は議論の喧しい「カワイイ・メタル」アクト、BABYMETALのセカンド・アルバム、「Metal Resistance」のレビューを書き、ものすごく寛容な得点である9/10を与えた。最初は、ほとんどの連中はこれがエイプリル・フールのジョークだとして捨て去ったが、中には疑っている者もいた—このレビューが4月1日を過ぎても撤回される気配のないまま残っていたので、俺がやったことは笑い話ではないことが明らかになった。俺は、寛容さの欠片もないことで知られるインターネットにこの「アイドル・メタル」トリオを褒め称える言葉を山ほどばらまく記事を出したわけで、人々があれを本物の批評として取り扱い、俺をその後でレビュワーとしてシリアスに取り扱ってもらえるだろうと期待していた。

ああ、俺は何てバカだったんだろう……この長く、忌まわしい2年の間、俺は理由を教えてくれと嘆願したり、さらに頻繁に、俺のレビュワーとしての信用は永遠に、取り返しのつかないかたちで失われたと告げたりするコメントを、次から次へと受け取った。今でも、デブではげかかったEXODUSのファンや十代のキーボード・カルト主義者が大胆にも、このような挑戦に応じないままにはさせまいとして、連中がどのバンドが好きであり、どうして俺の趣味が劣っているのかを完璧に明らかにしてくれる。読者の中には—そして俺はそんなに「ヒーロー」という言葉は使わないが、そう呼ぶべきだろうが—Metal Stormのような尊敬に値する出版物が、このナンセンスを世に出したという事実を乗り越えられずにいる。

もちろん、分別のある人々の多くは、こんな子供っぽいコメントを無視して、インターネットで他人が持つ意見にかかわらず、自分が聴きたいものを聴くだろう。だが俺はそういう愚か者の一員ではない。Metal Stormという名のウェブジンの編集長になったわけではないから、監視を阻むこともできる。俺は、ヘビーメタルがこれまでと変わらないままでいるようにする、つまり動きがなく、安全で、純粋で、長続きするようにする責任がある。このジャンルではとにかく決して受け入れられないものもあり、変化はその一つだ。ずっと、俺は自分が正しいことをしていると考えてきた。自分の領域を広げ、人々が慣れていないかも知れないが気に入るかも知れない新しいサウンドを紹介し、音楽ジャンルを超えた成長と実験を奨励してきた。だがある晩、俺がベッドに横たわり、いつものように家にあるManowarのアルバムを見ていると、突然分かったんだ。あのカバーの上に、遠くにあるもうたぶんとてもクールな何かを誇らしげに見つめている、オイルを塗った原始人コナン風のメタル戦士のカルテットが見えなくなった。その代わりに、どうにかして変えたり、希釈したり、いや—そんなことを示唆してもいいんだろうか—改善できるとほのめかすことによって、この神聖なジャンルを汚したことに嫌悪を覚え、とても失望した表情で俺を見ている、4人のヘビーメタルの肉体美の男たちが見えたのだ。

どうしたら、俺のやり方はひねくれていて、誤っているという結論に達したのだろうか? 正直なところ、これは圧倒的な量のネガティブなフィードバックのおかげだ。後ろから撃たれる怒りの決まり文句と非論理的なエセ議論で厳しく非難されることほど、人の意見を変えるものはない。それも、あらゆることを考えれば、とても冷静なMetal Stormにおけるコメント以上に、啓蒙されていない外部の人間が、たまたま俺たちがいつも完全にもの*ごくブ◦ータルでない姿をかいま見て、時にはメタルヘッドもカワイイものが好きなのかも知れないという不正確な信念を抱くことが万が一にもないようにと、インターネットのあらゆる場所から、メタルの先導者にてこ入れするために急いで届けられた考え深い批評と示唆に富む文化的なコメントのおかげである。

ヘビーメタルが今日繁栄しているのは、確立されたスタイルと前もって決まっている作曲のやり方にかたくなにこだわっているおかげである。そして、その通り、当然、この規範から多少は逸脱することもある—だからこそこのジャンルにたどり着いたのだ—が、あくまで認められうるパラメーターの範囲内でのことである。どういうことかと考えるなら、パンクとハード・ロックは、認められるノンメタルのジャンルだが、フォーク、ジャズ、ヒップホップ、インダストリアル、カントリー、ブルース、ノイズ、そして特にポップ音楽、そして特に特にJポップについては、自分にとって何が良いものなのかが分かっているなら、メタルに近寄ってはならない。純粋じゃないメタルは? 家に帰れよ、少年。どういうわけか、日本のメタル・シーンからの注目を集めたい、絶望的な親日のファンボーイであるという興奮に圧倒され、俺はメタル戦士としての責任があることを忘れていた。このジャンルを侮辱から、メインストリームへの露出から、そして何より、キャッチーなメロディーからこのジャンルを守らなければならない。ダンス・ルーティン? プロのソングライター? もうかるマーチャンダイズ? 十代の少女たち? 絶対的に認められない。

ヘビーメタルはこども向けのジャンルではない。それはでかくてたくましい男と、青白いやせこけた北欧人のためのジャンルであり、それがすべてだ。あのBABYMETALのこどもたちのようなティーンエイジャーは、聴けるメタル・アルバムを制作したことはないし、今後もそういうことはないだろう。単にティーンエイジャーの肉体的能力では無理だという話だ。だからこそDeath Angelの「The Ultra-Violence」、Slayerの「Show No Mercy」、Deathの「Scream Bloody Gore」、そしてHelloweenの「Keeper of the Seven Keys Part I」といったアルバムは完全なクズなのだ。そして話が逸れないとしても、こん「女性フロント」というジャンルは、すぐに陳腐化した。NIGHTWISHがあれば十分だ、ありがとう。それ以外の女性シンガーのいるメタル・バンドはそれよりずっと劣る偽物だ。BABYMETAL自体はそういう道は歩んでいないとは思うが、この点が重要なんだ。

プロのレビュワーだと主張する者として、その意見が自分以外の誰にも重要でないと思われる、一人の、重要でない、青白い、社会的に無様な編集者による、9/10のレビューによってBABYMETALがこの世に放し飼いになっている間に、Metallica、Wintersun、Primordial、Mastodon、Abbath、Accept、Amon Amarth、そしてMachine Headのような無誤謬のレガシー・バンドの最近の作品に関する悪口を吐き出していたということに気付くことなく、どうして夜眠れていたのかが分からない。こうしたグループは、自分で曲を書き、自分で演奏し、そしておわかりのように、とにもかくにも上なのだから、いつもBABYMETALのような作り物のアイドル・グループよりもあらゆる意味で常に勝っている。偉大なバンドは、たとえ現在の作品が水準以下であろうと、決して中傷してはならず、正直な評価で少しでも批判したり、取り扱ってもいけないのだ。Metallicaはもう良くないかも知れないが、前は良かったし—俺が「Hardwired」のレビューで「ああ、でも連中は「Ride the Lightning」も書いたことを思いだして欲しい」と付け加えたのだから、同じ穴の狢であることことを忘れていたとしたら、俺は他のバンドについては意見を持ったり、これを共有したりするだけの価値はないということになる。

のっぴきならぬことに、BABYMETALは、俺たちの時代の憎まれているポップ・スターとして、あらゆるヘビーメタルなものの敵と認められているレディー・ガガ、それにRED HOT CHILI PEPPERSとツアーを行っている。明らかに、世界で最も偉大な音楽ジャンルを守ることは彼らの優先事項ではない、さもなければ日本からの十代の女の子たちを同行させるはずがない。そしてBABYMETALに関わるあらゆる者たち—JUDAS PRIEST、Carcass、Metallica、Opeth、Slayer、ロブ・ゾンビ、マーティ・フリードマン、Chthonic、GUNS N' ROSES、Abbath、Lamb of God、Deftones、Trivium、Dragonforce、そしてAnthraxといった以前は尊敬に値した連中は、もはやメタルの世界では歓迎されない。もしこの音の病気に耐えられるなら、すぐにそして永遠に、気取り屋、偽のメタルのフォロワーとなり、この場所を去らなければならない。

言い換えれば、俺はBABYMETALに対して敬意を抱いたことがあることに対して、心から本気で申し訳ないと思う。彼女たちが2011年にファースト・シングルを出した時に、俺の反応は嫌悪と憤慨によるものだった。このような了見の狭さにこだわり、自分の人生を定めさせることを学ぶべきだった。2016年4月の自由で気楽だった日々を振り返り、メタルでない要素のこの悲劇的な結婚をナイーブに受け入れたことに対して恥と困惑しか感じない。

もちろん、「K-On!」の方が「Metalocalypse」よりずっとマシだという事実は変わらない。

▼元記事
I'm Sorry: Why I Was Wrong to Love Babymetal






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