BABYMETAL – Metal Resistance(アルバム・レビュー)
C・M・サンダース(2016年4月6日)
テインテッド・リアリティのロジャー・シャックルフォードの言葉をいただけば、「BABYMETALを好きになるのは変かね?」
答えは、「ああ、多分な」だ。
未経験者のために言えば、BABYMETALはチュチュを着た十代三人と屍体のようなメーキャップ、それに白いなだらかにたれたガウンを着たバック・バンドからなる、作り物のJ・ポップ=スラッシュ・メタル・クロスオーバー・グループだ。最初は、真面目に受け取るのは難しい。私はこれまで日本の音楽が好きになったことはなかった。中国もだ。韓国もだ。ほとんどはひどいし、何を歌っているのかも分からない。でも、神よ、許し給え、私はBABYMETALが好きなんだ。ただどうしてかは分からない。藪をつつくのはやめよう。このバンドは大文字で始まるくらいの変さだ。フォックス・ゴッドがヘビー・メタルを救うためにこの宇宙に送られたことについての、すべて作り物の神話的な背景物語があり、前回のツアーでは、シンガーのスゥメタルをステージではりつけにするまねをし、残りの二人の女の子、モアメタルとユイメタルがそのまわりでばからしく踊り回っていた。劇的な要素はアリス・クーパーやKISSからすごく借りているし、そのことでバンドのライブ演奏に何かが付け加えられている。2010年の結成以来、アジアではビッグであり、それから少しずつ、特に夏の一連のフェスで、少しずつ国際的にも足跡を残してきた。"ギミチョコ!!"のビデオは、YouTubeで4,600万回再生されており(そのうち半分は私だが)、先週はロンドンのソールドアウトしたSSEウェンブリー・アリーナで演奏し、アルバム第二番をサポートする2016年のツアーを開始した。「Metal Resistance」は、バンドが、エヘン! フォックス・デーと名付けた4月1日にリリースされた。いや、エイプリルフールじゃないんだ。
「Metal Resistance」は、もうしばらくの間、ライブのセットリストの必需品となっている真正なタイトル・トラックで始まり、ファースト・シングルの"Karate"へと進む。"Karate"は典型的なBABYMETALで、ポップ感覚がザクザクしたギター・リフの上に重ねられている。続いて"あわだまフィーバー"が始まるが、これはチューインガムについての曲だと思う。いや、そうではない。でもだまされてはいけない。ファースト・アルバムと同様に、こうした曲には深みと創造性があり、一瞬でスピード・メタルからレゲエやダブステップに似たものへと、滑らかに転換する。このコントラスト、そして全体の効果に魅了させられる。このような曲を書いたのが誰であれ、本当に才能がある。同じことがバッキング・ミュージシャン、神バンドについても言える。アルバムを聴けば、サウンドはスタジオでのオーバーダブや素敵な(コンソールの)ノブ回しの結果だと思うだろう。でもそうではない。
見てくれ(YouTubeの"Road of Resistance"へのリンク)。
分かるだろう? 神バンドはものすごくタイトだろう? 今日存在する最も技術的に堪能なバンドの一つに違いない。モッシュピットが始まるのを見たか? すごっ。いずれにせよ、アルバムに戻れば、前半のハイライトの一つが"META メタ太郎"で、マーチング・ドラムとデス・メタルのグロウルを伴った子守歌ではないかと響く。変だと書いたよね。"GJ!"は、ものすごいフレットワークとキラー・コーラスをフィーチャーし、"Sis. Anger"は、明らかにMETALLICAに対する挨拶となっている。少なくとも、誰かが"St. Anger"が好きなんだ。より軽い高々としたバラード、"No Rain, No Rainbow"それに"The One"でペースはゆるむが、その間には、"Tales of the Destinies"という、あるいはアルバムで最も実験的なトラックがあり、これはコカインをやっているDRAGONFORCEのように響く。クラシック・ロック誌のレビューで、スティーヴン・ダルトンは、「時には圧倒的、常に気分を高め、たまに口をぽかんと開けさせる「Metal Resistance」は、これまでに作られた最高のアルバムかもしれない」と書いている。
そして彼は冗談を言っているわけではない。少なくとも私はそう思う。
最後に、もしBABYMETALが何であるのかを誰かに説明しようとしたら、その誰かはたぶん、君がおかしくなったと思うだろう。だが、なぜかすべてがぴったりとはまり、驚くほどうまく機能している。ミュージシャンシップ、イメージ、振り付け、曲、メッセージ、そしてフォックス・ゴッドの貢献まで。全体が力強く印象的な才能に基づく、微調整された機械であり、この「難しい」セカンド・アルバムは少なくとも、デビュー作の成功が一発屋ではなかったことを証明している。何より、「Metal Resistance」は、より深みと明瞭さがある、より強力な曲をフィーチャーしている。疑いもなく、世界征服へのさらなる一歩だ。頭を垂れよ、信じぬ者たちよ。抵抗は無意味だ。
*念のため、BABYMETALはブロック体の大文字で様式化されている。私は、バンドの名前を口にしたくらいで、そんなに興奮するわけではない。でも、しちゃうんだよね。
▼元記事
https://cmsaunders.wordpress.com/2016/04/06/babymetal-metal-resistance-album-review/
訳注:C・M・サンダースは英国の作家で、特にダーク・ノベルで知られる。
YouTubeで4,600万回再生されており(そのうち半分は私だが)笑えるw
返信削除BABYMETAL好きって言うとUFOにさらわれたって言う人達と同じような目で
見られるのだろうか?
私はそんな目で見られているし、おかしくなったと思われてます。とっくに。
削除でも、かまうもんか。
そのとおり!
削除「私は、バンドの名前を口にしたくらいで、そんなに興奮するわけではない。でも、しちゃうんだよね。」
返信削除爆笑
ベビメタの事めっちゃ好きやん
返信削除残り半分俺だわ
返信削除お巡りさんこの人です!が欧米の作家に使える日が来るとはw
返信削除欧米では大きな声で言えないんだろうな(^ω^;)
返信削除「可愛いは正義!!><*♪」って(笑)
日本人で良かった。
返信削除翻訳ありがとうございます。
返信削除さすがは作家さんのレビューですね。
最後まで面白いw
ベタなジョークもベタっとしてないし、ベビメタ愛が溢れる文章で自分もこうありたいです。
スティーヴン・キングとジェイムズ・エルロイもサンダースに続かないかなぁ~。
返信削除「でも、しちゃうんだよね」
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