2016年5月24日火曜日

[Billboard] 日本の現象、BABYMETALはどのようにポップのイメージの中で作られたか

日本の現象、BABYMETALはどのようにポップのイメージの中で作られたか

アヌラグ・タガット(2016年5月23日)




BABYMETALで、4月5日のチャートで39位に入り、ビルボードのトップ40入りした本当に、本当に珍しいバンドが、頭を揺らし、ギターをシュレッドするヘビー・メタルに乗せて甘いポップ・メロディーを歌う十代の女の子三人組、BABYMETALだ。設立以来38年になる東京のエンターテインメント会社、アミューズによって創り出されたこのグループは、国内、そしてYouTube上で数百万のフォロワーを得ている。4月にザ・レイト・ショー・ウィズ・ステーヴン・コルベアで演奏された"ギミチョコ!!"や"Karate"といった曲のおかげで、BABYMETALは日本のJポップが支配するサーキットを離れ、北米や欧州をツアーできるようになった。

アミューズの幹部が—誇り高く—語るのを聞くと、BABYMETALのあらゆる動きは、バッキング・ミュージシャンの死神のようなフェースペイントまですべて計算されていることになる。「私たちはスタジオやツアーで一緒に作業する全員からビジュアルまで選んでいます」と、BABYMETALのスヴェンガーリであり、プロデューサーである小林啓、通称コバメタルは語る。オフステージでは比較的無名なコバメタルは、2010年にグループが誕生して以来、ずっと関わってきた。「作曲家とミュージシャンのチームの全員がメタル・ミュージックのファンです。メタル・ミュージシャンやシーンの人々全般に評価されることは、自分たちがやっていることが何か正しいものであることを証明しています」

実際、作り物のバンドに関していえば、エンターテインメント会社がリアリティーTVからヒントを得たようなオーディションのシナリオでグループを創っている、日本のKポップやJポップ産業のような組立ラインではまず見られない、一種の信頼を積み上げてきたように思える。SLIPKNOTのコーリー・テイラー、GUNS N' ROSESのスラッシュ、そして最近では、BABYMETALは「これまでに見たこともないようなもの」であると驚いたロブ・ゾンビが、チュチュをまとったおさげのスゥメタル、ユイメタル、モアメタル(それぞれ18歳、16歳、16歳)を評価してきた人々の中に含まれる。だが日本のカワイイ文化の標本であるこの女の子たちが、レディー・ガガやMETALLICAの前座を飾ってきたという特徴を持つとしても、BABYMETAL自身の国内での吸引力は、アリーナ・クラスのグループであるONE OK ROCKやPERFUMEを含むアミューズのアーティストの中では、より小さい方のバンドに入る。(アメリカでは、BABYMETALの「Metal Resistance」アルバムは、4月1日にソニーの子会社であるRED Associated Labelsからリリースされた。)BABYMETALにとっての違いは、「何が海外でうまくいくのか」を知っていることであり、「ああいった(他の)バンドは海外をツアーしていない」ということになる。

同じように重要なこと、それはビジュアルをきちんとやることだ。振り付けされたダンスの動きや衣装替えから、花道と墓でロンドンのウェンブリー・アリーナを飾ることまで、BABYMETALはそれぞれのショーで視覚的な幕間を創り上げる。そして主に男性の観客がいる。もちろん、メタルの男女比は偏っているが、これこそが、この激しいリフとドラム・ワークに合わせた甘いポップのフックの融合そのものを通じて、橋渡しをしたいと望んでいることの一つだと小林は言う。「メタルを余りよく知らない人々、あるいはメタルにちょっと興味がある人々にアピールするはずです。同時に、メタル・ファンが楽しめるものを提供することです。曲を書くときに、このことが私たちにとってとても重要なのです」

「アミューズは、このグループのプロモーション、特に1曲限りのYouTubeの謎となりえたものを、ずっと長続きするなにかに変えたことについて、素晴らしい仕事をしました」と、東京で活動している日本音楽のジャーナリスト、パトリック・サン・ミシェルは語っている。「どの日本人アーティストやレーベルが、BABYMETALの戦略をコピーしようとするのかを見ると面白いでしょう」

グローバル市場が待っていますと、ロサンジェルスのロック・プロモーター兼フェスティバル・プロデューサーのダニー・ウィマーは語っている。「12歳で5 SECONDS OF SUMMERを見た子供たちは、いまは15歳になり、何かもっと反抗的なものを求めています。何かが起こっているんです」

追加レポート:レイ・ワッデル

この記事は5月28日付ビルボード誌に初掲載されました。

▼元記事
How Japanese Phenoms Babymetal Were Made in Pop's Image

[速報版の訳です。ビルボードに正式な日本語の記事が掲載されたら削除します]


14 件のコメント:

  1. METALLICAの前座?

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  2. fesの事でしょうな。

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  3. スヴェンガーリは悪意の催眠術師って意味らしいねえ。
    修辞術上のことなのかなんぞ誤解でもあるのか…

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  4. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  5. グローバル市場が待ってると言っても、狭い国土の世界第二位の市場だけでやったほうが効率も実入りもいいから
    世界に打って出るのはより広い市場獲得のためというより夢なんですよ。

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  6. ググればすぐにわかるような、先入観と悪意に満ちた表面的なクズ記事ですな

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  7. 記事の細かな箇所の真偽の程はあると思うが、悪意に満ちたクズ記事とはまるで思わんが。

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  8. >狭い国土の世界第二位の市場だけでやったほうが効率も実入りも

    円盤を商売にできてるのは事実上48・坂・ジャニ・EXILE系だけ
    他はチケ売って物販がんばるか外に打って出るしかない

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  9. アミューズの事をこれだけ言及している記事は珍しいですね。

    どの辺が悪意に満ちているのかな?

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  10. ベビメタは海外に打って出たというより
    日本のフェスで海外に見つかったのと
    代理店を使わないYoutube商法が海外に結びついた
    と思うが同じ事が出来るのかなぁ?
    ラルクみたいにアニメとセットで海外行った方が早いと思うけど。

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    1. ラルク全然売れてないんだが...

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  11. BABYMETALがコバの操り人形だという意味でスヴェンガリなんて言っているから、
    まあ意地悪ではありますね。辛口だけどいいとこに着目している文章だと思う。

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  12. これからもyoutubeで注目を集める日本のアーティストも出てくるでそしょ。でも問題なのは、フェスに呼ばれて、出て行ったはいいものの、雨あられの様にペットボトルを食らうのか、それともBMの様に拍手喝采を浴びるのか、ここが分岐点でしょ?すぐにアイデア、コンセプトって言われがちだけど、結局、いくつものフェスで勝ち続けて、そして数々のライブで、オーディエンスの心を掴んできたっていうのが一番のキモなんだよね。

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  13. phenomsは複数形なので、メンバー3人のことではないでしょうか。

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