2016年5月14日土曜日

[How Was It Detroit?] BABYMETALデトロイト・ライブ・レビュー

コンサート・レビュー:フィルモアのBABYMETAL

本紙(2016年5月13日)

メタル音楽は、とてもばかげていることが多い。高速のドラミング、衣装、死についてうなる歌詞。すごくばからしいが、本当に楽しい。ではこのジャンルに3人の日本人の女性ポップ・シンガーを付け加えて、もっと狂ったものにしたらどうなるだろう? BABYMETALというかたちで、人生で最も楽しい2時間を得られるかも知れない。

このグループの背景について少し。BABYMETALはGWARのためにABBAが歌おうとしたようなもので、バブルガム・ポップとデス・メタルという両極端が一つのバンドになっている。バンドを率いるのは18歳のスゥメタル、それに16歳のユイメタルとモアメタルだ。この女性ボーカリストに対して、白のローブをまとい、顔を白塗りにした4人編成のバンドがバックを務めている。視覚的にはジョーカーとハーレクイーン(訳注:マンガ「バットマン」の登場人物)の子供たちによるステージショーならこんな風だろうなというものだ。

そして何というステージショーだろう。メタル音楽の大部分が唸るような歌詞によって何を言っているのか理解するのがとても難しいのに対して、BABYMETALは別の理由で理解するのが難しい。日本語で歌っているのだ。とはいっても、歌詞のおよそ400%に対して、デトロイト、フィルモアのソールドアウトした観客がシンガロングするのをやめなかったのは明らかだ。観客はこのバンドが大好きで、それはBABYMETALのライブを経験すれば簡単に理解出来る。常識から考えれば、デトロイトのような場所にポップ・シンガー付きの日本のメタル・バンドのファンがいるはずがない。でもBABYMETALには本当にいるのだ。

キャプション:これはデトロイトではないが、意味は分かるだろう

観客が本当にばらばらであることに気付くとものすごい衝撃を受けるだろう。頭からつま先までほとんど黒衣に包んだ、あらゆる典型的なメタル・ファンがそこにいたが、それといっしょにいたのは、それ以外のありとあらゆる職業の人間だった。まったく違う年齢、人種、そしてスタイル。それはまるで、キャンディで言えば、スキットルズ(訳注:フルーツ味のキャンディ)の袋のような、人間の虹だった。

この夜のハイライトは、BABYMETALが最も良く知られた曲、"ギミチョコ!!"を演奏した時だ。曲が始まると、観客からものすごい歓声が上がった。「この曲は知っている。この曲が好きだ。さあモッシュしよう」と言っているような歓声だ。コーラスの間、シンガーたち(FeMETAL=女メタル?)が、観客に、一緒に歌わないかと求めた。さらにその気にさせるためにモアメタルとユイメタル(スゥメタルがビヨンセならケリー・ローランドとミシェル・ウィリアムズ=元DESTINIY'S CHILDのメンバーたち)が、一番大きな声で歌った人に投げるためのスニッカーズとスリー・マスケティアーズの巨大なチョコバーを持って走り出してきた。これですっかり観客は我を失い、その歓声はさらに高くなり、おかげでその晩ずっと、私たちはずっと大きな笑みを浮かべたままだったのだ。

もしメタルが馬鹿げていて楽しいと考えていたなら、BABYMETALはそれをさらに別の次元へと運んでくれるのだ。

▼元記事
http://howwasitdetroit.com/concert-review-babymetal-fillmore/


1 件のコメント:

  1. 楽しいレビューだね
    読んでてニヤニヤしちゃった

    返信削除