[Vogue] BABYMETALは日本の最も素晴らしく不思議なファッション輸出物かも

BABYMETALは日本の最も素晴らしく不思議なファッション輸出物かも

モニカ・キム（2016年6月3日）




もうBABYMETALのことは知っているだろう—あるいは少なくとも、聞いたことはあるだろう。ヘビー・メタルに合わせて激しく歌い踊る、日本の女学生のトリオであるBABYMETALは、「キック・アス」のヒット・ガールや宮崎駿の風に乗るナウシカのようなダイナミックな映画からインスパイアされた、東京のスタジオ管理職の頭脳の産物だ。これを百万ドルのアイデアと呼ぼう。それは私やシャツを着ていないヘドバンギャーの群れを、先月タイムズ・スクエアの劇場の満員御礼となったショーに引き寄せたものであり、そこで私たちは、熱狂的なスピン、脈が速まるギター、そして催眠術にかかったような手振りによって、立ちすくむことになった。

今週ツアーの欧州でのパートを始めたBABYMETALとその「カワイイ・メタル」サウンドは、既に大騒ぎになっている。でも私がバンド・メンバーの菊地最愛（モアメタル、16歳）、水野由結（ユイメタル、16歳）そして中元すず香（スゥメタル、18歳）と話すためにダウンタウンのスタジオにやってきたのは、バンドの方程式の残りの半分、つまり風変わりなパフォーマンスのスタイルについて聞くためだった。「こういうかわいいドレスを着てメタルを歌うアーティストってこれまでいなかったと思います」と中元は、シフォンビショップスリーブで、腰の所の合皮ペプラムに手を振りながら話した。ごもっとも。

良くできた手細工に目を向ければ、グループの基準点がはっきりしてくるような、クローム色のニットを編み上げた黒いチュールのスカートは、ステージの照明を受けるMETALLICAに対する遊び心に満ちた挨拶であり、銀色の蛇革を押した胸当ては、ジャンヌ・ダルクの中世のチェーンメイルを想起させ、ゴシック風の床を引きずるような長さのクロークと合っている。「おさかなのうろこみたいでしょう！」　菊地はいう。「気に入ってるんですよ」　何よりも、衣装には日本文化が注入されている。白木のキツネの仮面と短い着物は伝承風のキツネの鬼をたたえるものだ。それから東京のアイコン的なストリート・スタイルのサブカルチャーであるゴシック・ロリータの痕跡もある。ふわふわのチュールスカートにつないだ、ビクトリア風の波立たせたカラーだ。

そこに秘密がある。中核で、BABYMETALはまったく日本的な現象であり、真の文化輸出品なのだ。日本以外のどこで、シュレッドするギター・ソロと人形のような衣装がこれほど完璧にぶつかり合う場所があるだろうか？　中元が語るように、バンドは音楽の他に2番目の使命がある。その衣装を通じて、世界中のファンが、日本独自のスタイルを大好きになるかも知れないというのだ。「そのことがBABYMETALを特別なものにしています。音楽だけでなく、ファッションで」と、中元はいう。

このことは、私たちをゴシック・ロリータの故郷である原宿へと誘う。そこでは、自由時間に、女の子たちは竹下通りを歩き、できたてのクレープを手に、チュール・スカートのラックをあさり、インスピレーションを求めるのだ。このあたりで新しいのはヘビー・メタルTシャツのショップで、BABYMETALのシャツの在庫（まだない）があるのかをチェックし、お気に入りのバンドであるMETALLICAを探すために急いで立ち寄ったりする。ロリータの服に合わせたMETALLICAがBABYMETALの次の詩才になるかどうかたずねてみると、3人は一緒にうわっとなった。「METALLICAさんたちみたいな衣装を着るのが夢です」と、水野はいう。「将来、先のいつかに」と、中元は付け加えた。とても待てない。

▼元記事
Babymetal Might Be Japan’s Most Wonderfully Weird Fashion Export