2016年7月30日土曜日

[Japan Times]BABYMETAL、ベック、BOREDOMSが、フジ・ロックの20周年の祝祭で強力なセットを披露

BABYMETAL、ベック、BOREDOMSが、フジ・ロックの20周年の祝祭で強力なセットを披露

ジェイムズ・ハドフィールド(2016年7月29日)




「これはフジ・ロック・ナンバー20だ」と今年のフジ・ロック・フェスティバルのヒットだらけの土曜のセットの最後に、ドラム・キットにもたれかかりながら、ベック・ハンセンは語った。「瞬きの間に20年が過ぎたので、評価するための時間を取るべきだと思う……考えてみてくれ」

フジ・ロックの創設者でベテラン・プロモーターの日高正博は、数週間前に、自分は20周年になるフェスティバルについて大げさに騒ぎ立てたくはないとジャパン・タイムズに語ったが、それは今年、他のみんなが話題にしたいことだった。ベックは、セットの間にこのイベントの重要性を認めた数多くのアーティストの一人だ。スコットランドのロッカー、TRAVISのフラン・ヒーリーは、自分の誕生日であり、バンドの20周年でもあることを告げて、三つの利益について触れた。

第1回のフジ・ロックは、台風に直撃されたが、今年は土曜の夕方に短いにわか雨で妨げられた以外は、ほぼ完璧な天気だった。(これにふさわしく、雨を運んできたのは、出演者の中で最も意見の分かれるバンドである、ヘビー・メタル・アイドル・グループ、BABYMETALだった。)主催者は、三日間合計の参加者は125,000人と公表したが、これはRADIOHEADがヘッドライナーを務めた2012年以来、最も成功した年となる。

豪雨と泥の海がフジ・ロック体験の逃れようのない一部だったが、過去5年のうち4年は好天の下で行われたと考えると妙な気分だ。何よりも、あまりに乾いていた。日曜の午後に行われたBO NINGENの奔放な演奏の間に、モッシュピットから埃が宙に舞い上がった時、それは、1999年以来、このフェスティバルの本拠地である新潟県の苗場の緑の山間の谷というよりも、アメリカのコーチェラヴァリーに期待するような眺めとなった。

20周年のテーマに合わせて、今年のヘッドライナーのうち2つ、すなわちベックとRED HOT CHILI PEPPERSは、1997年に山梨県の天神山スキー・リゾートで行われた第一回のイベントの出演者だった。だがその時は片方しか実際には演奏しなかった。レッチリは最初の晩に短くなった、雨で濡れたセットを行ったが、その後、荒天によって、主催者はすべてを中止することを宣言しなければならなかったからだ。

ベックは2日目に登場する予定だったが、翌年、フジ・ロックが一時的に(当惑を伴い)東京の中心部に移されるまで待たなければならなかった。

もう46歳になるミュージシャンにとって、続く二十年が「瞬きの間」だったとすれば、このことが彼が'90年代からほとんど歳を取っていないように見える理由を説明するかも知れない。同じことはレッチリには当てはまらない。ボーカリストのアンソニー・キーディスが今年早くに健康上の脅威から回復したことを見るのは心温まるが、日曜のセットは、若い頃の勢いを取り戻そうとして苦闘するバンドの音だった。なあ、それが歳を取るというもんだ。

「誰もが本当に歳を取った」と、日本人の友人でフジ・ロックの常連が、自分自身が40代であることは忘れて、観客を見ながら言った。フジ・ロックの観客の平均年齢は着実に上がっている。確かに子供たちの数が増えていることで相殺されているとしてもだ。そしてフェスティバルの荒々しい日々はもうほとんど過ぎ去ったことは否定できない。激しいモッシュやクラウドサーフィンがこの週末にはいくつか見られたが、全体のムードはおとなしく、ほとんど上品と言えるものだった。

毎日、メインのグリーン・ステージ前のエリアは、キャンピング・チェアの貧民街と化し、一部には、寝る時間まで椅子からほとんど動かない者もいた。フジ・ロックの観客は、あまりに座りがちになったので、TVでフェスティバルを生中継したら、観客のかなりの数が、家から見ることを選ぶようになるのではないかと思う。結局、そうすればビールはより安くなり、トイレのために30分待たなくても良いのだから。

たぶん、今年最もストイックだったのは日曜日にホワイト・ステージの最前列で、BABYMETALを待ちながら、埃と、暑さと、時々ぶつかり合う汗まみれの体を何時間もものともせずに、場所を確保していたファン(主に男性で、その多くは中年)の一団だったろう。同じステージで直前に演奏したROBERT GLASPER EXPERIMENTに、その時までに集まっていたものすごい観客は、新たに転向したジャズ=フュージョンのファンで構成されていたわけではないと誰も告げなかったことを望むばかりだ。

BABYMETALは、フジ・ロックにとって議論を呼ぶ出演であり、これまでのところ、アイドル・ポップのほんのわずかな気配も避けてきており、私はこのギャンブルが本当に割に合うのかどうか確信がない。もし彼女たちの登場が、フェスティバル自体にとって大きなことであるとしても、最近米国ツアーから戻ったばかりのこのグループは、フジ・ロックをツアーの中の一日として取り扱っているように思える。この夏、残りの日本の「四大」フェスティバルすべて、すなわちロック・イン・ジャパン、ライジング・サン、そしてサマーソニックの大阪に出演することになっていると考えると、このことは理解出来る。確かに楽しいだろうが、驚くほど印象が薄い。

本当に大胆なブッキングの例としては、金曜のグリーン・ステージのラインナップを見るだけで良い。インダストリアルなパーカッション、手製の楽器、そして灰皿や曲がったフォークで一杯のスピーカーコーンを使用してBOREDOMSが行った、ゆっくりと現れるサイケデリックな呪文として、もろに実験的だったばかりでなく、記憶に残るような、メインステージのオープニング演奏は、これまでこのフェスティバルではなかったものだ。

その日遅くに、ジェイムズ・ブレイクのメランコリックなエレクトロニック・バラードやSIGUR ROSの堂々としたポストロックは、金曜の夜のプライムタイムのエンターテインメントとしては直感に反した選択だたように思えたが、なぜか、すべてがうまくはまった。両者とも、数多くあった静かなセクションでおしゃべりをしないだけの敬意を持った観客に対して演奏することで利益を得た。残念ながら、山の野生動物はそれほどお行儀が良くなくて、自分のセットで一番静かな瞬間の一つに、ブレイクは大きな虫が自分に向かって飛んでくるのに気付くことになった。

毎年、フジ・ロックは大好きになる新しいバンドを見出すが、2016年はCON BRIOだった。このサンフランシスコのファンク・バンドは、週末に3度演奏し、木曜の夜のプレパーティでの、最初のセットのオープニング後数分で、その魅力でフェスティバルを席巻するだろうことが明らかになった。ジェイムズ・ブラウン、プリンス、スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソンといったおなじみの影響を、活き活きとした汗まみれのショーマンシップと組み合わせたCON BRIOは、今年の最もガチで楽しいバンドだった。

KOHHのセットの最初の2曲だけ見ていたら、これが一番激しかったと宣言しただろう。惜しみなくタトゥーを入れたこの東京のMCは、ノイズ・ラップの拳闘家、DEATH GRIPSをも脅かし屈服させただろう、つばを飛ばしながら詰め寄る猛攻撃でセットを始めたが、観客に対して礼儀正しくお礼をいうために休止し、オート・チューンのスイッチを入れた時点で魔法は解けてしまった。

こういった問題は、カマシ・ワシントンにはなく、そのフィールド・オブ・ヘブン・ステージのクロージング・セットは、90分間続く、コズミック・ファンクとスピリチュアル・ジャズの立ちくらみとなり、あまりに素晴らしいミュージシャンの集団により演奏されたため、私は最上級の言葉を見つけようとすることになった。レッチリとぶつかる唯一の演奏だったが、あのバンドのベーシスト、フリーは、グリーン・ステージの観客に少しでも見られないかとたずねる誘惑に駆られた。フリーは、自分でも見ていたいと思ったろう。これはフェスティバル全体のハイライトだった。

▼元記事
Babymetal, Beck and Boredoms bring strong sets to Fuji Rock’s 20th birthday bash


16 件のコメント:

  1. ベビメタは常に与えられた時間、環境に中で出来る最高の物を提供している
    1500人の箱でもフジロックでも差別なんかしない
    筆者にとってフジロックは特別なものかもしれないが、ベビメタにとっては最高のパフォーマンスを提供するべき同じ観客しかいない
    というか、他のアーティストはフジロック以外は手を抜いているとでも思っているのか?

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  2. >驚くほど印象が薄い
    誰の?

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  3. この人BABYMETAL実際に観てないんだろうな
    そうじゃないとこんなトンチンカンな記事書けないよ

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  4. ついに最前占拠事件を活字化しちゃったなw

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  5. これ観てないよね。背筋凍るわ
    JapanTimesってさ、本気で「アレ」なんじゃね?

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  6. 最前の人達も他のバンド盛り上げてたのは動画で確認できるし、ツイート見れば
    参加したメイトも音楽ひと通り聴いてる連中がいるのわかるし
    ライターの思い込みがひどいな。

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    1. それは良いように捉えすぎ。

      ベビメタファンが何時間も前からステージ前を占拠したのは事実だし、
      ステージの目の前に居れば他のバンドの曲も聴くに決まってるじゃん。

      その人達はベビメタが出演しなくてもその場に居たと思う?

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  7. ケント・ギルバートさん曰くJapanTimesでなく「アンチJapanTimes」ですからお察し・・・と言う事でww

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  8. これで「JapanTimes]価値さげたな。ベビメタは

    フジロックの救世主だよな。

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  9. 当方、50年以上生きているが、ベビメタ以外のバンドは

    聞いたことがない。レッチリ、ベックって誰?どこが今回

    よかったの?教えて。JapanTime,ジェイムスさん。

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  10. 50過ぎでレッチリ、ベック聴いてないの威張らないでよ
    ジャパン・タイムスが糞なのと関係ないだろ

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  11. 自分が無知なのを恥ずかしげもなく言える50代かぁ。
    こんなのにはなりたくないな。

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  12. レッチリベックすら聞いたことがないって…
    頼むから音楽もろくに聞かないドルヲタジジイは消えてどうぞ

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  13. ここはテキトーな掲示板とは違うんだから「50年以上生きていてベビメタ以外のバンドは聞いたことがない」なんてどう考えたって嘘な釣りコメ書くなよ。テレビとか何かしらで絶対触れてるだろ。

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  14. [匿名2016年7月31日 15:45]の方の、
    >当方、50年以上生きているが、
    >ベビメタ以外のバンドは聞いたことがない。レッチリ、ベックって誰?
    >どこが今回よかったの?教えて。JapanTime,ジェイムスさん。

    っていうのは、記事にあるBABYMETALに対する印象を述べた、

    「確かに楽しいだろうが、驚くほど印象が薄い。」、

    に対する皮肉、嫌味と自分はとらえたのですが・・・。

    FUJIであれだけのショウを披露したBABYMETALで印象が薄いんだったら、
    レッチリやらベックとやらはさぞかし凄かったんでしょう、っていう。

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  15. 例えば、美人がブスにブスって言ったら嫌味になるんだけど、ブスがブスにブスて言っても鼻で笑われるだけでしょ?
    語る方にもある程度のスペックがないと、嫌味は嫌味として成立しないんだよ
    ベック、レッチリを知らない貧相な音楽経験値で何を語っても説得力がないということ。単なる無知をさらけ出してるだけだよ

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